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自転車屋さんが地域活性化事業に貢献?仕事の幅が広げる面白さとやりがい。

地域とは?魅力を伝えるとは?を徹底的に考え抜いた、行政×きゅうべえの軌跡シリーズが始まります。

今回は京田辺市様の自転車を活用した地域づくり推進の事例です。

前半は弊社が今回のプロジェクトに携わるまでの経緯を、後半はクリエイターへのインタビューでプロジェクトの裏側をお届けします。

京田辺市が描く未来と自転車活用

京田辺市ってどんなところ?
まず予備知識として京田辺市とはどんな都市なのかをご紹介します。
京田辺市は京都・大阪・奈良の中間に位置し、京都駅から電車で30分です。生活利便性と環境の良さで人口が増え続けている稀有なまち。田園風景・大学・関西文化学術研究都市と多様な人・技術が混ざり合っています。

その京田辺市が更なる魅力発信・活性化のために選んだのは自転車の活用でした。

自転車で地域活性化もできる
京田辺市と自転車の繋がりが強化されたのは国際自転車ロードレースのツアー・オブ・ジャパン京都ステージ(*)が始まった2016年からです。自転車レースは比較的長いコースが設定されます。選手が走る姿を通して、その土地の景色を世界中に発信することができます。

自転車は京田辺市を知り・感じてもらうきっかけになる。だからこそ京田辺市は“自転車で便利に楽しめるまち"として市を上げて環境整備をしました。周辺地域と連携してサイクリングロードが整備され、サイクルラック設置や工具貸し出しなどサイクリストが嬉しいサービスを充実させています。

もっと多くのサイクリストにこれらの取組みを知ってもらいたい。
もっと多くの人に京田辺に来てほしい。そんなニーズがありました。

(*)日本最大級の都道府県にまたがる国際ロードレース。


なぜきゅうべえが選ばれたのか?

そこで「自転車を活用した地域づくり推進支援業務」について、公募型プロポーザルが発表されました。選定事業者になったのがきゅうべえとルーツ・スポーツ・ジャパン(以下RSJ)のチームだったのです。

サイクリングによる観光客誘致経験が豊富なRSJさんはともかく、なぜきゅうべえ?自転車屋さんって地域活性化もできるの?

実はこのチーム、ツアー・オブ・ジャパン京都ステージ2019でセレモニー・ブースエリアのにぎわい創出で実績を残していました。

弊社はRSJさんと共にWeb制作・SNSマーケティング・オープニングセレモニー支援などで、クリエイター・店舗スタッフが総力を挙げて取組み、知見を獲得。それをフル活用した提案が評価されたのです。

京田辺市様の本プロジェクトで弊社側が担当したのは京田辺市自転車ポータルサイトの制作と、サイクリスト向け啓発冊子の2つです。

ポータルサイトは京田辺市の自転車に関する取組みを内外に発信することを、また、啓発冊子はサイクリストに安心安全な旅を送ってもらうためのルール・マナーを伝えることを目的としています。

それではここから、その業務にあたったEC部門のリーダーKHさんとクリエイターのMFさんへのインタビューをお届けします。

※視覚的にインタビューを判別できるよう、イニシャルと記号を記載しています。


コロナ禍の自転車活用推進、クリエイターが悩み抜いたこと

ーーまずはWebサイト、マツリンから。どのような方をターゲットに設定したのですか?

〇MFさん サイクリストと京田辺市民の方、両方です。実はとても悩みました。プロジェクトが始まったときはコロナ禍。ツアー・オブ・ジャパン2020の京都ステージが中止になり、今ほど「サイクリングは3密を避けられるからOK」という風潮ではありませんでした。府外の人へのアピールをしたいけどしづらい、そんな時期だったんです。

ーーなるほど、確かに打ち出し方に気を遣う時期でしたね。

MFさん このご時世で京田辺市を走る人は誰か。地元の方がサイクリングで体を動かして免疫が上がるかも・・・?周辺地域の方なら府内だし大丈夫かな・・・などといろいろ考えましたね。今は難しくても、新型コロナウイルスが落ち着いたらやっぱり遠方からも来てほしいですし。ターゲットはWebサイトの軸になるのでとことん考えました。

ーーこだわりを感じますね。そこまで頑張れる理由って何なのでしょうか。

KHさん 自分たちが良いと思っていない状態で出したくないというプライドですね。コンセプトやターゲットを考え抜かずに形だけ作ったサイトはどうしても中途半端です。

MFさん 私たちは普段、きゅうべえのECサイトの商品ページやメルマガなどお客様の反応が数値でわかる仕事をしています。手をかけられなかったものはそれなりの結果しか返ってこないと経験則でわかっているんです。

ーーWebサイトのコンテンツは京田辺市のサイクリングルートやサイクルラック設置場所など、京田辺市が持っている情報ですよね。クリエイターの役割はどんなものですか?

MFさん 京田辺市の魅力をロゴやサイトのデザインでいかに伝えるか、です。例えばロゴには京田辺市×自転車がいっぱい詰まっています。自転車のホイールをベースに茶畑をイメージした半円のタイヤ、中のシルエットには京田辺市の名所を、センターの竹は京田辺が舞台だと言われる「竹取物語」をモチーフにしました。

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ーー盛りだくさん!よくすっきりまとまりましたね。

MFさん かなり頑張って研究しました!たくさんの優れたロゴデザインを分析するところから始めました。全体のトーンはお茶やお酒、和菓子のパッケージに着想を得て、黒一色で版画や活版印刷といった和レトロな印象に仕上げています。かなり自信作です(笑)


残り続けるものを作りたいという思い

ーー啓発冊子はどんなこだわりがあったのでしょうか?

□KHさん せっかく制作するなら、読んで終わりではなく残り続けるものにしたいと考えました。一度読んで捨てられてしまうのは悲しいですから(笑)

ーーなるほど、読んだ後のことも考えるんですね。

□KHさん はい。加えて、ルールやマナーは必要なときにすぐわかることが大切です。だからサイクリングに行くときに必ず携帯するものにしてはどうかと考えました。旅行で持ち運ぶもの・・・と考えたときに旅券だなと。

ーー本当に精巧に似ていますよね!かわいくてきゅうべえの店舗でも人気だと聞きます。

MFさん ありがとうございます!表紙にロゴを旅券風にあしらったり、中のページに透かし模様を入れたりと忠実に再現しました。自分で旅の記録を残せる空白ページも用意しています。旅券のようにスタンプが集まったら素敵ですね。精緻に作りこむのが楽しかったです(笑)
市長にご協力いただき、署名をいただくことでオフィシャル感も出せたと思います。本物のパスポートではないけど、本物のような。ユーモアだと思ってもらえたら嬉しいです。

マツリンパスポート


きゅうべえが思う地域活性化

ーー主にクリエイティブ分野で地域活性化に取組むお二人ですが、「地域活性化」とは何だと思いますか?

MFさん それぞれの土地の違った魅力に光を当てることですね。どんな地域にも固有の魅力があるのですが、どうしても都会か地方かという文脈で語られがちです。私たちが魅力にフォーカスして広く発信することで、他の地域の方が興味を持って、旅行に来てくれて、更に来るたびに違う味わい方をしてくれたら最高だなと思います。

□KHさん 私は地域住民自身が地域の良さに気づくことだと思います。例えば2018年の北海道の震災の時、住民の団結力がすごくて。自分の街が好きだから自分たちで立て直すんだという意気込みが感じられたんです。自分も北海道の大学出身だから尚更感じるものがありました。そこからもっと自分の地域を誇る人が増えてほしいと思い始めました。地域を作るのはそこを基盤に生活している人だから。コンテンツの多い地域が憧れられがちですが、自分の地域の良さを再認識できる機会を増やしたいです。

ーー外からのサイクリストと地域住民の方、両方をターゲットにしたこのプロジェクトと、お二人の思いがリンクしていますね。熱いエピソードを聞けてよかったです!ありがとうございました。

弊社の地域密着のサイクルショップ運営、EC部門でのクリエイティブスキルが合わさると、こんなにも地域を考えつくしたものが出来上がるんだと感動しました。(手前みそですが・・・)

自転車の知見×発信力を生かして、地域に光を当て続けていきますので、今後にご期待ください!

京田辺市さん絶賛のポータルサイト、マツリンもぜひチェックしてくださいね。


それではまた次回、お会いしましょう。

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