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日課記録と成果発表(2021年度)

誰も覚えていないんじゃないかと思うが、去年の今頃、こういう記事を書いた。

すごい短くまとめると、2020年の春に新型コロナに罹患して結構大変で、せっかく治ったし、コロナ禍だし、自分の特性を利用して日課を始めた。1年続いた。このまま続けたら伊達男になれるかな。どうかな。という記事だ。1年目に何をやったかを書いている。

そこからさらに1年。8年ぶりに日本で正月を過ごしたり、個人的に大きな変化はあった。1年後にはさすがに終わってるだろうと思っていたコロナ禍は、微妙に終わっていないというか、言われていたように弱毒化はしつつ、ワクチンも普及しつつ、しかし感染人数は増えてくすぶっている。

照ノ富士が大関に復帰後、2場所で大関を突破して横綱になった。自分がやっている団体(会社)が4周年を迎えて、人も増えて仕事も広がりつつ、いろんな告知もあるので、周年のオンラインイベントをやろうとしている。たぶんこの記事が公開された次の日なので、皆様ぜひご覧ください。司会がデジタルヒューマンさんだったりしてすごいです。

そんなわけで、2年目。日課を始めて730日経過して、このまま続けるとお正月近辺に1000日になる。

分野を問わず「セミプロ」「中上級者」と言われるレベルに到達するには1,000時間の努力が必要という理論。

というのがいわゆる「1000時間の法則」だが、日課のうち特に中国語とピアノは1日50分ということにしているので、来年の今頃になると1000時間にリーチがかかってくる気がする。

というわけで、無事2年続けることができたので、ジャンル別に記録と成果を書いておこうと思う。順番は、上記の1年目の記事と合わせる。


筋トレとラジオ体操(と雨穴ダンス)

1.ラジオ体操

毎日必ず第一と第二をやっている。夏以降日本なので、近所の広場でおじいちゃんおばあちゃんが6:30に集まってラジオ体操をやっていることに気づき、原則それに参加している。参加できないときはYouTubeでやる。広場のラジオ体操に参加して「これはメタバースだ!」と思った件についてはこの記事に書いた。

2.筋トレ

筋トレは続けている。夏以降は日本なので、チェーン店で、会員になると全国のどこの店でも入れるジムに加入して、世田谷にいようが乃木坂にいようが、東京にいようが京都にいようが、毎日15分、上半身と下半身と腹筋の3日ローテーションで15分ずつやる、ということを続けている。すこーしだけウェイトも増やしていっている。

が、これに関しては筋肉を維持しているような感じになっているような感じがしていて、昨年より筋肉がついているような感覚というのはあんまりない。

効いているのかわからないが、筋肉の維持にとても良いとされるこのカプセルを飲んでいる。ちゃんと水で流し込まないと喉で溶けて喉がめっちゃ熱くなる。


3.雨穴ダンス

「雨穴ダンス」とはこれのことで、なんでこれを毎日やっているのかは昨年の記事に詳しいが、1日2回欠かさずやっている。もはや無意識にやっているので、たまに何回やったのかわからなくなってしまって3回以上やることもある。

雨穴さんはこの1年でホラー小説的なものを出版されてすっかりベストセラー作家的な感じになった。


4.有酸素運動

これはそんなに明確に日課化していないので、たまにやる程度だ。東京に来てから、暗渠めぐりとか、散歩を楽しめるようになったので、そういう感じの老人的なアクティビティにシフトしている。

体重・ダイエット

昨年の時点で112kgを80kgまで減らしていた。その後、日本に帰国した夏頃には73kgまで減らすことができた。これはほぼ標準体重。

ただ、その後が問題で、日本に帰ってきたものだから、何しろあらゆる飯がうまくってうまくって、酒もうまくって飯もうまくって、仕事も忙しくってストレスもすごくって、飯がうまくって酒がうまくって、あと、ずっと食事制限し続けるのもサステナブルじゃないし、飯がうまいし酒がうまいし、ということで、ちょこちょこタガが外れがちな食生活になってしまった。

徐々にリバウンドが進行し、何度も再ダイエットを試みつつも、飯がうまくって酒がうまくってどうにもうまくいかない。先週、「日本のおいしいものを好きなだけ食っても行けるダイエット法」ということで、昼ごはんだけ過食して好きなものを好きなだけ食って夕食を絶食する、ということを思いついて実行したら、完全に体重が増えた。

懲りずに、「朝ごはんだけ過食して他を抜く」ということも試したが、これも完全に体重が増えた。数日前、静岡に行った際、朝ごはんに駿河湾の桜えびが食べ放題状態だったので、ごはん4杯は食ったような気がする。痩せても太っても、好きな言葉は「ブッフェ」だ。

結果として現在85kg。それでも前年比5kgにとどめているのは運動を続けているおかげでもあるのだろうとは思うが、リバウンド道まっしぐらではあると言える。

ちなみに、2月に生まれて始めて人間ドックを受けたが、ありがたいことに相変わらず糖尿病は寛解していて、逆流性食道炎の兆候だけ指摘された。これはやはり、過食が主な原因らしい。

最後に、2018年(左)から昨年のエントリーで痩せた後の写真(中央)と今の写真(右)。筋肉がついた感じはあんまりしない。



英語

英語は1日20分やることにしていて、これも無事続けることができたが、内容は結構1年で変化した。

前半は、昨年の記事に書いたとおり、英検1級を目指して単語を強化していた。単語力が増えると文脈の解像度が増えて楽しい、というのは書いたとおりだ。

英検

で、予告していたとおり5月に英検1級を受けた。無事合格したのだが、初めて英検1級受けたので思ったことを書くと、

長文読解が面白い

というのがあって、英検1級ともなると複雑なコンテキストを理解しないといけないからなのか、問題に出てくる長文のコラムが、いちいち読み物として面白いなあと思った。

私が受けたときは、南極探検のアムンゼンとスコットの競争の話と、当時の英国人たちがスコットにどんな社会情勢に係る思いを委託していたか、みたいなコラムが出題されていて、知らなかったことが多くて普通に楽しんで読んでしまった。

面接試験

英検1級は、一次試験がリスニングとか長文読解とか英作文とかで、それに合格すると通知が来て二次試験に進むことができる。二次試験は面接でスピーチをしなくてはいけない。これが結構スポーツとして特殊な競技になっていて、英語云々じゃなくて結構難しかった。

入室すると、社会問題とかについて5つのお題が書いてあって、それを1分とかで読んで何しゃべるか考えて2分でしゃべって、そのあと質疑応答する、みたいな感じで、そんなん普通に日本語でも大変じゃないかなあと思った。

TOEIC

で、初めてこういうの受けて受かってすごい嬉しかったので、後述の中国語の試験をはさんでTOEICも受けてみた。TOEIC受けたことないのでどんなものなのか、自分がどういうレベルなのかわかっていなかったが、TOEICは英検みたいな複雑な出題はなくって、素直な問題をたくさん無双していくような感じのもので、結構違う競技だなあと思った。

結果、945点だったのだが、リスニングの声が自分にとっては小さくって全然聞き取れなかったのがあって、リスニングのほうが多く間違えてしまった。

自分の名前のローマ字がQantaじゃなくてKantaなのが気恥ずかしい。

結局リスニング力が弱いんだなあと思ったので、それ以降はずっとCNNのポッドキャストとかを集中して聴く、という日課メニューに切り替えている。また試験を受けるかどうかはわからない。

最近になって少しアメリカの仕事も戻ってきて英語でしゃべる機会も戻ってきたけど、横で会議でしゃべるのを聞いた妻から「英語ヘタになったねー」とか言われちゃうし、果てしない。


中国語

これについては、昨年書いたとおり、昨年度の終盤は中国の国家公認の中国語試験であるHSK4級(汉语水平考试)の学習用の教材を中心に単語とか表現を増やすようにしていて、ひたすらこのへんのYouTube教材を使ってシャドーイングしていた。

YouTubeでシャドーイング

「びびさんのポスト」は、かなり実用ベースの中国語のニュアンスを丁寧に説明してくれるのと、ちょこちょこシャドーイング教材も投稿されるのでよく使っている。noteもある。

「Mandarin Corner」は、説明は英語だが、単語ベースのシャドーイング教材も、日常会話系の教材も、とにかく量がすごいし、レベルに合わせていろいろある。

オンライン中国語

このへんを中心に知識を入れたり発音を覚えたりするのを25分やりつつ、毎日25分、オンライン中国語会話の「ネトチャイ」を続けていて、昨年も登場した「内蒙古に住んでいてものすごく発音にうるさくて全然授業が進まないのが印象的だったB先生」にずっとお世話になっている。

もうB先生とも1年以上なのか。教科書は、「汉语会话301句」を修了して、「说汉语」の上巻の真ん中くらいに差し掛かっている。

土日など、B先生の授業がない際はシャドーイングを50分続けたりもする。

日記

あと、後述のHSK5級の試験での反省と、B先生のすすめがあって、中国語で日記をつけることにした。いま110日くらい。こちらがここまでの日記をまとめたもの。ピンイン(中国語のアルファベット)でのタイピングも結構できるようになってきた。

Duolingo

Duolingoは、発音の復習と継続日数の記録のために1日1課だけやるようにしている。

HSK(汉语水平考试)

昨年言及していた中国の国家公認の中国語試験であるHSK(汉语水平考试)については、まずは夏に4級(中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができるレベル)の試験を受けた。

新大久保の上海大学日本校が受験会場で、めっちゃ緊張してたので、終わった後帰りに初めて食べるチーズタッカルビを過食して幸せだったのを覚えている。

で、HSK4級は無事合格。単語なども4級レベルは概ね頭に入ったので、YouTube教材を5級レベルに格上げした。

で、11月に5級(中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができるレベル)を受験した。

HSKは英検とかと逆で一番簡単なのが1級で、一番むずいのが6級。なので、この5級は上から二番目だ。5級と6級は、合格不合格みたいな判定が出なくって、300点満点の180点を取ると履歴書に書いていい(=合格)ということで、私の点数は218点。結構ぎりぎりだったが、この2年目までにHSK5級合格、という、目標以上の成果は出せたのでとても良かった。5級受かると清華大学とかの主だった大学の留学資格になるのでそういう意味でも嬉しい。

証明写真のTシャツがサウナしきじ

ただ、作文が結構苦労してしまって、B先生に相談したら「中国語で日記を書け」と言われたのでそれ以来書いている。

試験はあくまで学習のモチベーションでしかないので、目的ではないのだけれども、実際自分の中国語力を証明するものにはなるのでありがたい。

「中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができるレベル」とのことだが、テレビや映画は全く見れない。習近平のスピーチは、かなりゆっくりなので結構わかる。

日本人と中国語

中国語を2年続けてみて思ったのは、「日本人は、ある程度のレベルに達すると結構チートできる」ということだ。中国語は、最初は極めてとっつきにくい言葉だ。発音のルールは難しいし、文法も語順も違う。最初のうちに登場する単語の多くは日本語にはないものだ。一番簡単なところで「你好」「你」は、「あなた」という意味だけれど、日本語ではそんな文字見たことない。「食べる」「吃」とか「つくる」「做」とか、とっつきにくい。

ところが、このへんの基本を乗り越えて、発音のルールやノリにも慣れてきて、中級〜上級の中国語単語を学ぶようになると、日本語に慣れ親しんだ日本人としては、中級以上の中国語単語について、チート的に概念を飲み込むことができてしまうことに気づく。

たとえば、中上級の中国語単語として、「彻底」という言葉が登場する。これは、日本語で言うとまんま「徹底」という意味だ。字を简体字で簡単にしているだけだ。「彻底」という言葉って、英語で言うと「Throughly」とかなんだけど、じゃあ「Throughly」という言葉は日本語で言うと「徹底」なのか、というとちょっとニュアンスが違って、「完全に」になる。「完全」「徹底」って、なんか微妙に違うわけで、じゃあ、中国語の「彻底」に対する「Throughly」は、微妙にズレている、大体合ってるけどぴったりくる言葉が無いので、一番近そうな概念をはめている、ということになる。

しかし、中国語→日本語に変換するとき、「彻底」は当然そのまま「徹底」なので、「徹底」という言葉に含まれた、超完璧に抜け漏れがないように、的なニュアンスをそのまま適用して問題なかったりする。

これはでかい。たとえば、日本人が英文を書く場合、これは、どんなに頑張っても本当にネイティブな方でない限り、ちょっとしたニュアンスのズレというのは出てくるのでネイティブチェックをしないと変な文章になってしまう。英語を母国語とする人が日本語の文章をつくるときも然りで、何か変になってしまうことは多い。

ところが「彻底」みたいなちょっと難しめの言葉をそのまま「徹底」で解釈して良いというのはあまりに大きなアドバンテージだ。単純に翻訳しやすい、とかじゃなくて、その言葉に込められた微妙なニュアンスまでそのまま転写されて翻訳できるからだ。じゃあそういう言葉がどのくらい出てくるのかというと、中上級の言葉であっても、熟語として見たことがない組み合わせであっても、漢字としてはニュアンスと一緒に理解できる漢字で構成されているものばかりだ。自分が仮に英語を母国語としている人だったら、今の段階でつまずきまくって心が折れかけていたかもしれない。が、中国語という言語には、日本語話者だとショートカットできる要素は確実にたくさんある。

次の1年は、高い壁だけどHSK6級に挑戦しつつ、中検2級もやってみようかなあと考えている。それ以上に、今年はさすがに仕事で中国語デビューとかができるのではないかという気もするし、中国や台湾に行けるようになったらすぐに行って試してみたい。

Shinyとしゃべる

最後に、去年もやった、もともとニューヨークの会社で一緒だったwhatever taipeiのShiny(李心宁)と中国語で話す、という儀式。今年も20分お話させて頂いた。去年のと比較するとさすがに流暢になっている。去年のは冒頭に貼った去年の記事より御覧ください。



ピアノ

ピアノも1日50分必ずやっている。大きな変化としては、7月に日本に帰ってきてから西山先生に弟子入りしたことだ。そのへんの経緯やどんな感じであるかは下の記事に詳しい。夏までは独学、夏以降は先生に言われたことを愚直にやっている。

これについてもまあ、1年前よりはうまくなっているだろうし、表現力も上がっているかとは思う。ジャズっぽい表現もできるようになってきた。もちろん先は長いけど、相対的に楽器と身体が接続している感じも少しずつ上がってきた。

ラッパ吹きとピアノ弾きの特異点

私はもともとラッパ(トロンボーン)吹きで、そっちは歴でいうと中1からやってるので30年以上やっている。ラッパというのは、空気で唇を振動させて、その振動音を増幅させて演奏を行う道具だが、そういう構造であるがゆえに、だいたいの音のニュアンスというのは唇の振動のところでコントロールする。ので、ジャズのトロンボーンを練習する中で先輩からさんざん教わったのは「歌いながら吹け」ということだ。歌というのは抑揚で表現のニュアンスをコントロールする最たるものなのでそういうことを言われたのだが、そこだけ抽出したのがジャズの歌手がよくやっている「ダバダディバドゥバ」みたいな、歌詞無しで音のアクセントで歌って遊ぶやつだ。

ジャズのラッパ吹きというのは、大概演奏中に口の中ではそれをやっている。口の中ではダバダバ言いながら演奏していて、そうしないとリズム的に盆踊りみたいな感じになったりしてしまうというのが、日本人がジャズを演奏する上での落とし穴だったりする。盆踊りの国の人なので、自然にやろうとするとそっち行っちゃったりするのだ。

で、これは日本語話者として中国語をやっていった際のチートと同様、ジャズピアノを演奏する上で、「歌いながら演奏することに慣れているラッパ吹きの習性」をそのまま流用できることを最近先生から学んだ。

「あ!あれをここでやればよかったのか」という、なんというか、別々につないできていた線が1つにつながったような感覚というか、そういうものって、ある程度何かを反復して身につけていくとどこかで発生する特異点なのではないかと思う。

世の中のいろいろな技術や文化は、お互いにいろいろなものを継承しあってできているわけで、何がしかの共通項は有している。ゆえに生きている時間が長いと(いろんな経験をしていると)そういう特異点は増えていく。この特異点との遭遇こそが、この年令(中年以降)に至って何かを始めて続ける、ということの楽しさ・醍醐味なのではないかなと思った。

最近録画・録音したものを編集したものを置いておく。去年のは冒頭に貼った去年の記事より御覧ください。最初の2曲は私にとっての生まれてはじめてのライブハウスでのピアノ演奏(3月)だったりする。2曲めの途中で仕事のことを思い出してバグるけどすみません。

先日京都のバーで演奏した際に、そこにいらっしゃったプロの方に「あんた、100回の練習も大事だけど、何より本番経験が大事なのよ!」と言われた。今年度は、とにかく人前で弾いて恥をかきまくる、ということにしたい。


そんなわけで、無事2年間上記を継続して、日課生活も今日から3年目に入った。この2年目はいくつか前述の「特異点」に出会うことができて、生きて人生を営んできてよかったなあと思うことが多かった。また来年、無事に成果報告ができることを祈りつつ、とりあえず過食をやめて痩せようかと思います。

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