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『マナートの娘たち』読書会レポート&8/6 14時~ 夏の出版社イチオシ祭り(全国翻訳ミステリー読書会YouTubeライブ第15弾)のお知らせ

先日、このnoteでも告知しましたが、ディーマ・アルザヤットによる短編集『マナートの娘たち』を課題書とし、訳者の小竹由美子さんにもご参加いただいて、大阪翻訳ミステリー読書会をオンラインで開催しました。

そのレポートが翻訳ミステリーシンジケートのサイトに掲載されているので、ご興味のあるかたはぜひお読みください。

レポートにも書きましたが、シリア系アメリカ人である作者ディーマ・アルザヤットは、分断と対立の深まるアメリカの現在を見事に切り取っています。

なかでも原書の表題作である「アリゲーター」は、1929年のフロリダで実際に起きたシリア人夫婦のリンチ事件を、さまざまな角度から描いた意欲作です。実際の新聞記事と架空の手紙やSNSのやりとりなどの組み合わせで構成されていて、それらを複眼的に読み解くことで事件の全貌があぶりだされるという仕掛けになっています。

ちょうど『マナートの娘たち』と同じ時期に、イザベル・ウィルカーソン『カースト アメリカに渦巻く不満の根源』(秋元由紀訳)を読んだところ、昔はもちろん、いまもなお続く黒人へのリンチや暴行事件の数々が詳細に描かれていました。

黒人女性である作者が、記者として赴くさまざまな場所で差別を受けながら、アメリカの黒人の状況のみならず、インド社会における最下層民、ナチスドイツにおけるユダヤ人にまで考察の目を向けています。人間が人間を差別する〈カースト〉の構造を廃することはできないのか、思わず胸に手をあてて考えてしまう一冊。『マナートの娘たち』とあわせて読んでみてください。

さて、祇園祭も天神祭も終わり、気がついたら八月。
八月と言えば……そう、出版社イチオシ祭りの季節です!!

というわけで、今年も翻訳ミステリー読書会主催で「夏の出版社イチオシ祭り」を開催したいと思います。翻訳ミステリーを刊行している9社(予定)の出版社の担当者さんたちが一同に会し、2023年下半期のイチオシ本を全力でプレゼンする真夏の祭典です。

2023年8月6日(日)14時からYouTubeにて配信いたします(1時間半から2時間程度の予定)。YouTubeなので、もちろん視聴はタダ!! なんの手続きもいりません。

ちなみに、去年のアーカイヴはこちらです。
2022年の各ミステリーランキングを席巻した『われら闇より天を見る』や『優等生は探偵に向かない』、『メイドの秘密とホテルの死体』など、本国でも日本でもヒットした作品や、ポール・オースターがかつてポール・ベンジャミンというペンネームで発表したミステリー『スクイズ・プレー』など、話題作がてんこ盛りのイベントになりました。

今年も去年と同様に、各出版社さんの勝負作が多数お披露目される予定です。ぜひリアタイして、チャットやTwitter、いやX?にどんどん感想を書きこんでください。Twitter、もといXに書きこむ際は、#出版社イチオシ のハッシュタグをつけてください。各出版社さんへの質問も大募集中です。

みなさまもよくご存じのように、比喩ではなく死ぬほど暑い今日この頃。外をウロウロするのは危険です。ぜひ日曜は家の中でYouTubeを視聴しましょう!


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