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「不安」と正しく向き合う

人生に不安はつきものです。不安は、時には喜びや安らぎを強めるスパイスにもなり得ますが、基本的にはないに越したことはありません。

「不安を取り除きたい」という人はたくさんいても、「不安になりたい」という人はいないはずです。

不安を抱えると「積極的にチャレンジできない」「選択肢が狭まる」「健康を損ねる」といった様々な悪影響を引き起こしてしまいます。

逆に不安をコントロールできるようになると、抑うつの予防になり、自己肯定感が高まって自信が付き、可能性や選択肢が広がります。

日々の生活から、不安に苛まれて悩む時間を少しでも取り除けるように、不安への対処の方法についてお伝えしたいと思います。

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<不安とはそもそも何なのか>

不安とは、「未来に対して抱えるもの」です。

当たり前ですが、「明日のプレゼンが不安だ」となることはあっても、「昨日のプレゼンが不安だ」となることはありません。これはよくわかりませんよね。

あるとすれば「昨日のプレゼンの結果によって、自分の評価査定が変わるのが不安だ」という、あくまでも未来への影響を不安がることです。

似た言葉で「心配」というのがありますが、不安と心配は似て非なるものです。心配も未来に起こり得る可能性に対してのものであることは不安と同じですが、向いているベクトルが異なります。

心配は「自分以外の誰か」にベクトルが向いているのに対し、不安はあくまで「自分」にベクトルが向いています。

・子どもが遅くまで帰ってこなくて心配 → 子どもの身に何かあったのでは?
・急に人事に呼び出されて不安 → 自分の身に何か起こるのでは?

つまり、未来の自分を憂うことこそが不安の正体なわけです。

未来の自分に何の希望も期待も抱いていない人は不安なんか何一つないわけです。

裏を返すと、未来の自分に希望や期待を抱いている以上、不安は常につきまといます。それはごく自然で当たり前なことです。


<不安の種類>

不安には3つの種類があります。
それぞれ対処療法が異なるので、自分が抱えている不安がどれに該当するかをきちんと見極める必要があります。

①何かを損う可能性に対する不安
「信頼をなくす」「お金が減る」「恋人に嫌われる」「世間にバカにされる」など、現状の何かがマイナス側に振れること。

②何かを得られない可能性に対する不安
「期待通りにいかない」「チャンスを逃す」「目標が達成できない」「望んだ反応がもらえない」など、現状をプラス側にもっていく可能性に対して、それが叶わないことや取り逃がすこと。

③アクションに対する不安
何かの行動や行為に関して、「自分がそれをちゃんとやれるか」「うまく対処できるか」「そつなくこなせるか」という、アクションそのものやその過程についてのこと。

例えば高校球児が甲子園という大舞台で不安に駆られたとき、それが「ミスをするとみんなに馬鹿にされるかもしれない」なのか「ここで活躍しないとプロ野球選手になるチャンスを逃す」なのか「相手ピッチャーから本当に自分はヒットが打てるのか」なのか、

この微妙な違いを自分のなかで把握できているかどうかで、「どうすれば不安が解消するか」という対処のアプローチが変わってきます。


<不安の原因>

不安には3つの種類がありますが、それらを引き起こす原因はたった2つしかなく、「自信がないから」「自己肯定感が低いから」のどちらかです。

これもなんとなく似たような雰囲気を持つ言葉ですが、この2つには「理由や根拠があるかどうか」という決定的な違いがあります。


自信がないという場合は「知識がない」「経験がない」「実力がない」「情報が少ない」など、明確に自信がないことの根拠や理由があります。

つまりそこを補えば自信は自ずとついてきます。


一方、自己肯定感が低いという場合は、「自分はダメな人間だからできるわけない」とか「絶対無理に決まってる」とか、明確な理由や根拠もないのにネガティブな思い込みをしたり、不安がったりしてしまいます。

こちらの場合は知識をつけたり経験を積んだりしたところで解消しません。
もっとマインド面や考え方など、心理学や認知科学的なアプローチが必要になります。


<まとめ>

不安は生きる上で常につきまとうほど身近なものであるにも関わらず、その姿は漠然として曖昧で、みなさんから楽しく生きるパワーを削り取っていく厄介なものです。

自分の不安を正しく見極め、狙いを定めて効果的なアプローチをして、気持ちに余裕のある日々を過ごしていきましょう。


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