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不快は電波にノッテ? あなたの脳に?【フキハラ問題】

タイトルは往年の名曲JUDY AND MARYの『RADIO』の「声は電波にノッテ あなたの街に」のパロディです。

フキハラとは

非常に興味深い本を読みました。

その本は『フキハラの正体 なぜ、あの人の不機嫌に振りまわされるのか?』です。

【フキハラ】とは、「不機嫌ハラスメント」の意味。

不機嫌は他者へと伝わる。そのシチュエーションには誰しもが心当たりがあるのではないでしょうか。

また興味深いのは、加害者たる『始めにその場へ不機嫌をもたらした者』は、そのトリガーが除かれれば、不機嫌が解消されるらしい。

一方で、不機嫌をもたらされた、いわゆる被害者は、加害者の不機嫌が解消されはじめてもなお、不機嫌がおさまる気配がないという。

つまりこれは、完全に被害者側は『もらい事故』となっており、被害者が損ばかりしてしまう。

その不機嫌は脳波を通じて他者へと伝わるのだと著者は述べる。

まるで狐につままれるような話だが、著者は慶應大の教授であるというので、サイエンス的見地からもプロの手による。

テレパシーの可能性・現実味

眉唾ものであると、一笑に付したくなるかもしれないが、関連するような興味深い話も目にした。

大阪大大学院生命機能研究科の近藤滋教授によると、ひょっとすると我々はテレパシーによって意志を伝え合える将来が訪れるのかも知れないと、とあるコラムに記している。

そこには我々は意思疎通として、言葉すなわち音声伝達を行っているが、原理的には電気的信号伝達の方が単純で楽であるという。

例えばシビレエイなどの海洋生物は電気を作れるし、サメのロレンチニ瓶という電気を受け取る受容器はシンプルな構造をしている。

またモルミルスという電気魚は2匹が互いに接近すると、混信を防ぐために周波数を変化させるという。

さらに2014年にハーバードの研究者達はテレパシーを成功させたという論文を発表している。
(Scientific Column 第5回・CORNING NEWS 2022 Autumn)

おわりに

個人的に脳波での情報伝達を信じるというわけではないが、反射的に否定することでもないのかもしれない。

それはこのように「科学的に完全に否定しきれないエビデンスが出て来つつあること」と、実体験としても「不機嫌が言語や視覚情報が乏しい条件下で他者に伝わるという経験が身近で皆無ではないと感じていること」がその理由になると思う。

とにもかくにも脳波によるか否かについてはさておき、不機嫌が他者に伝わって生じる【フキハラ】自体はファクトであり、そのファクトを多くの方が認識していることによって、不必要な感情のぶつかり合いやストレスなどが軽減されるかもしれない。

そうすると家庭内はもちろん、学校や職場など社会での人間関係でのトラブルを未然に防ぐことにつながるのではないでしょうか。

そういった面では『アンガーマネジメント』や『フキハラマネジメント』は現代人にとって必修科目といっても過言ではないといえると思う。

おしまい

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