見出し画像

【読書】ザ・ファシリテーター2

 こういった小説で2巻になっているのは珍しいと思いますが、2巻は2巻で面白い。
 そしてこういった、今までなら絶版になっているものがKindleで買えるというのは良いですね。

1巻との違い

 1巻のレビューはこちら。それぞれ独立しているけれど、連続して読んだ方が人の成長を感じて面白いと思います。

 なお、1巻は、一つの企業の変革についての話でした。

 これはこれでターゲットをしぼって面白かったけれど、これは中小だからできるんだよなとか思うこともあったりして、それに対して2巻は大企業の変革で苦しむ主人公のMBA時代の同期の男性が登場します。

 ザ・社内政治という感じがするシーンもあったりしてね。

他の組織の中で成果を出すということ

 今回の舞台では、主人公の女性は、買収した中小メーカーの立て直しを命じられますが、これがなかなかの伏魔殿。

 ほかの企業に入って変革するのって、難しいですからね。
 わかるわー。

 しかし、ファシリテーションの基本ってわりと同じだと思っていて、大きくこんな流れな気がします。

・一人ひとりをよく見る
・その人の考えていることを理解する
・人に合わせてアプローチする
・人を動かす
・ロジカルな数値をもって話せるようになる

 しかし、具体の例をもっていろいろな手法を教えてもらえると、わかりやすいし実践しやすいですね。

ステークホルダー分析

 今回のストーリーでは、一筋縄ではいかない組織に対して、主人公2人がステークホルダー分析をするシーンがあります。

こういうのは割と実際のプロジェクトでもやったりしますね
わりと楽しい

 関係する人たちを「仕事上の関心事」「個人的な関心事」「対策」という形で整理していっているんですよね。
 しかしこれ、デートでする会話じゃないな(笑)

 そこで結論を出して、問題となっている専務の退任を迫ることを社長に提言します。

危機感を醸成することの大切さ

 今回主人公が対峙している組織は、財務的にはほぼ「詰んでいる」状況なんですよね。でも社長はいろいろと捨てきれないし、勝手なことしてる専務やその腰ぎんちゃくはいるし、一生懸命やっている人も、人を切るようなリスクは取れない。

 そこで行ったのは、数字と案をつきつけて判断を迫るということでした。
 そのうえで、チームで徹底的に考えさせる。
 しんどいよね。

しかしまあ「いやだ」だけ言っても話は進まないわけで、
何らかの結論に結びつけないと会社がつぶれるという事実を知っちゃうと、ねえ。

事業と研究を結びつけるということ

 これもまあ、難しいテーマですね。
 いわゆる研究畑の人たちが自分たち流でやっているところに「事業」という軸を持ち込んでいくんですけれど、最初は反発がめちゃめちゃあるのが、事業部の人を研究所に入れていくことで、変わっていく。

 これも、組織だけ変えてもダメなんですよね。
 人が変わらないとダメ。
 この本のカバーには「理屈じゃ、誰も動かない!」とありますが、まあ理屈だけでは誰も動いてくれないので(´;ω;`)、ロジカルに、かつ、必要なところではしっかり判断して組織を連動させて、人も育てていかないといけない。

ある意味この流れは納得
でもこれだけ人材が以内のも中小の事実なんですよね

ハッピーエンド?

 そして、このストーリーの最後は、はっきりしなかった主人公2名が宝飾店に向かいます。

 いろいろあったご褒美ということで、しかし、自分で買っちゃうのがこの主人公らしいですね。

 さらに最後は・・・読んだ方のために取っておきましょう。
 個人的にこのENDは、好きです。

 ちなみに、ファシリテーションといえば、このシリーズも良いと思います。ロジカルな会話とファシリテーションがに段組みになっています。

 このあたりはまだまだ改善の余地がありますね。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?