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SQ魔の水曜日の検証と月次統計データに基づくSQ以降の戦略について 

SQ魔の水曜日は存在するか?


株式市場において、「SQ魔の水曜日」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?これは、株式オプションや先物取引に関連する特定の期日「SQ(Special Quotation)」の前日にあたる水曜日のことを指します。この日が「魔の水曜日」と呼ばれる理由について、詳しく見ていきましょう。

SQとは何か?

まず、「SQ」とは「Special Quotation」の略です。これは、株式先物やオプション取引が満期を迎える日に算出される特別な価格のことを指します。SQ値は市場に大きな影響を与えるため、多くの投資家が注目する重要な日です。

なぜ水曜日が「魔の水曜日」と呼ばれるのか?

SQの前日となる水曜日には、投資家たちが次の日のSQ値を予測し、ポジションを調整するために取引が活発になります。このため、通常よりも市場の取引量が増加し、ボラティリティ(価格変動)が高まることが多いのです。この現象が「魔の水曜日」という名前の由来です。

データに基づく検証

以下のグラフは、2000年から2024年までの日経225の全体の騰落と、SQ週の水曜日のデータを比較したものです。

2000年からのSQ週の水曜日の日経平均のデータを取得し、全体の騰落とヒストグラムと比較したところ、下落確率は52.63%、変動率は-0.015%と、若干の下落傾向が見られるものの、大きな差は確認できませんでした。

さらに掘り下げて、米国オプション期日のロールオーバー日(日本のSQ週木曜日)についても検証しました。以下は毎月とトリプルウィッチングデーの変動率の比較です。

トリプルウィッチングデーに大きな特徴は見られませんでしたが、ロールオーバー日における騰落率分布には、下落しやすい月と好調な月が見られます。

具体的には、下落しやすいのが5月、8月、10月で、好調なのが1月、4月、11月、12月です。特に5月や10月のようにネガティブな変動率が高い月において、魔の水曜日のような現象が起きやすい可能性があるかもしれません。

MSQ以降の戦略

過去のSQ後に天井圏で20日間で下落するケース

次に、SQ日以降の戦略を考えるために、過去のSQ後に天井圏で20日間で下落するケース(RSIが50未満になる)をピックアップして分析しました。

上記のグラフは、日経225の各月ごとの平均パフォーマンスを示しています。特に10月がダントツで悪い結果となっており、次に悪いのが9月、1月、4月、7月、8月の順です。このデータから、米国トリプルウィッチングデーが天井臭く感じるのは、このあたりのデータノイズが影響している可能性があると言えます。

米国トリプルウィッチングデー後の騰落率

さらに、米国MSQ後の日経平均の動向を調査しました。以下のグラフは、米国トリプルウィッチングデー後1週間の騰落率を示しています。

データによると、米国トリプルウィッチングデー後の1週間はやや上昇傾向が見られる一方で、非トリプルウィッチングデーの週はよりモデレートな動きとなっています。

最後に、陽線月と陰線月の米国トリプルウィッチングデー後の日経平均の動向を示すグラフです。


このグラフから、陽線月ではトリプルウィッチングデー後も上昇傾向が続く一方で、陰線月では下落傾向が続くことが分かります。

季節的影響性は弱いトリプルウィッチングデーと言われる6月ですので来週からのトレードは注意が必要ですが。 強い上昇は見られないものの下値もみあいで中々下がらない展開になる可能性も考慮しておきたいですね。

過去にご紹介させていただきました6月のシーズナルパターンをご参考にしてください


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