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青春18きっぷ1枚で行く日本縦断旅1日目

これは2022年4月に青春18きっぷ1枚で北海道稚内わっかないから鹿児島県枕崎まで旅行した記録です.どういう旅なのかの概要は以下の旅程編をご覧ください.

また,稚内に行ってホテルに泊まるまでの0日目の様子はこちらの記事に書いてあります.

1日目では稚内駅を出発して宗谷本線・函館本線・千歳線・室蘭本線・函館本線と経由して長万部と函館の間くらいにある森駅までの移動でした.

宗谷本線

起床は3時30分.朝風呂を浴びてでかけようと,暗く寒い中露天風呂に浸かっていました.準備万端で稚内駅に向かったのが5時前,既におひとり駅で座ってらっしゃいました.

最北端の線路を示す看板

この最北端の線路の看板が長い旅の始まりを感じさせます.

普通列車名寄行4234D

出発の10分程度前でしたでしょうか,線路の向こうから列車の光が見えたのでホームに向かいました.来た列車はキハ54形.北海道用の酷寒冷地仕様です.

キハ54形 稚内駅にて

列車の写真を撮りつつ,ホームの駅名標やどこそこより何kmといった看板を撮っていました.

枕崎駅より3099.5 kmの看板

列車に乗り込むと2重扉が見え,車内の温度が均一に保たれるように設計されていることが伺えました.車内に入り込む前に運転士さんに18きっぷの1回目にサインをいただきました.改札のないところから列車に乗る場合は運転士さんに書いていただくか降りる駅でスタンプを押してもらうかになります.

最初稚内駅から南稚内まではボックスシートのところに座っていたのですが,せっかくなら前面展望が見たいと思い,ロングシートの最前部に移動.そこから終点名寄なよろまでかぶりついて見ていました.

南稚内駅に停車中の列車から見た前面展望

北海道の景色は本州に住んでいる人間としてはどれもこれも新鮮に映るもので,雄大な北海道の景色を楽しみながら名寄へ向けて南下していきます.

広がる雪原

少し南下すると幌延ほろのべというところに着きます.幌延から先,名寄のあたりまで天塩川てしおがわの川沿いを走ることになります.川沿いを走る鉄道,いかにもローカル線ですが広がる景色は平原.よくある山間を抜けるローカル線とは全く異なる景色が広がります.

糠南から雄信内で撮影した天塩川

また北海道の路線を特徴づけるものとして「防雪林」が挙げられると思います.吹雪による吹き溜まりの防止であったり,風を弱めたりするのに作られるものですが,この防雪林が横に生えた状態でまっすぐと線路が伸びていく様子は日本では北海道でしか見れないのではないでしょうか.

まっすぐに続く防雪林と線路

このような景色を楽しみながら約3時間.列車は名寄駅に到着しました.

名寄駅駅舎

名寄駅周辺観光

名寄駅の乗り継ぎは10時00分発の快速なよろ号です.これまで1時間半弱あります.流石に駅で待つのもつまらないので観光案内所へ直行し,軽くご飯が食べれるところとかないかを尋ねました.すると歩いて少ししたところにカフェがあるとのことでそちらに行くことにしました.と,その前に横に目に入ったマンホールカードが気になったのでそちらもいただくことに…....

名寄市のマンホールカード

自分は知らなかったのですが,下水道のことを周知するためにマンホールの蓋をカードにして配布しているらしいですね.実際にその土地に赴かないといただけないのでレア感のあるものではないでしょうか.裏にはデザインの由来など書いてあって興味深いです.

マンホールカードをいただいてからは教えていただいたカフェへ.道に出るとあまり見たことないほど広い道路がありました.

名寄駅前の道路

ここでも少し北海道を感じます.本州だとこれだけ広々としている道路というのも少ないように感じます.やはり平地が広がっているだけあって道路にできる土地というのもたくさんあるということなのでしょうか.そんな道路を進み西條というショッピングモールの近く,Monte Biancoに着きました.もともとAOZORA料理店という店だったそうですが,2022年3月18日にリニューアルオープンしたのだとか.こちらで美深町びふかちょうの塩崎牧場の生乳100%を使ったグラスフェッドミルクソフトをいただきました.お値段は410円.

グラスフェッドミルクソフト

冷たく美味しいものをいただいてからはまた駅に引き返します.何から何まで広く感じながらのんびりと駅へ向かい,10分前から改札だったので稚内のセイコーマートで買ったものをつまみながら待ちました.


快速なよろ4号旭川行3322D

改札が始まってからホームに行くとH100形と稚内から乗ってきたキハ54形がいました.

H100形

愛称はDECMO,JR東日本のGV-E400系と基本設計は同じで,ディーゼルエンジンで発電機を動かしてこれで得られた電気で主電動機を動かす車両ですね.てっきり名寄から先はこの車両かと思って開けるのボタンを押したら中にいた運転士さんに向かいの車両と教えてもらいました.

稚内から来たキハ54形

結局稚内から乗ってきたキハ54形にもう一度乗ることになりました.ただし,稚内からのとは異なり後ろの運転席横スペースに立っても良いということだったので今度は後面展望を見るために運転席横に張り付きました.

名寄駅での後面展望

対抗列車の宗谷号を待ってから10時00分,出発です.稚内から名寄とは異なり名寄から旭川の宗谷本線は高速化工事がなされているので線形も良く快調に走っていきます.旭川までは約1時間半,あっという間に旭川の周辺に着きます.名寄からは進行方向左に天塩岳てしおだけ渚滑岳しょこつだけなどの山々を見ることができ,比布ぴっぷを過ぎると左には大雪山連峰を見ることができます.

車内から見た大雪山連峰

旭川駅周辺観光

大雪山連峰が見え始めたらすぐに旭川.久しぶりの都会です.あまりの大きさに少し驚いてしまいました.

南側から見た旭川駅

と思いきや南側はものすごく長閑.北と南の差が激しく,こちらでもまた驚いてしまいました.次の滝川行は13時47分,2時間強の時間があるので近くの上川神社に参拝することにしました.途中の忠別川ちゅうべつがわにかかる氷点橋からは雄大な大雪山連峰を拝むことができました.

氷点橋から見た大雪山連峰

綺麗な景色を楽しみながら歩いて約30分,上川神社に着きました.朱印所で御朱印をお願いしつつ,書いていただいている間に参拝しました.こちらの上川神社は旭川の鎮守で天照大神をお祭りしたのが始まりだそうです.

上川神社

お昼ご飯を補給しないといけないので急ぎ足で旭川駅へ戻ります.途中セイコーマートで北海道でしか売ってない「カツゲン」という乳酸菌飲料を買って飲みながら歩いていました.

ソフトカツゲン

飲んでみると甘酸っぱい味が強く出てて美味しかったです.関西でも販売していたけど濃い味が関西人の舌に合わず撤退したのだとか.マミーとも違う独特なお味だったので北海道を訪れた際に試してみるのはいかがでしょうか.

お昼ご飯は「旭川らぅめん青葉 本店」,観光案内所のおじいちゃんにここのラーメンが一番うまいって言われたので行ってきました.旭川ラーメンは醤油だそうで,こちらの看板メニューであろう正油ラーメン(800円)をいただきました.非常にあっさりしてて美味しかったです.

らぅめん青葉の正油ラーメン

ここから先,今日の目的地森駅までほぼ休憩がないので駅に向かうまでにあったセイコーマートで晩ご飯用に北海道限定のやきそば弁当と北のどん兵衛を買いました.時間は13時30分ごろ.出発まで時間が迫っており,急いで駅まで向かいます.


函館本線・千歳線

普通列車滝川行2328M

旭川から札幌方面の普通列車ってもう少し本数あっても良いように思っていたのですが,実際に乗って見ると平日の昼というのもあって人はあまりおらず,特急需要ばかりなのかなと思っていました.

滝川行の721系電車
721系車内

滝川たきかわ行の普通列車に入って見ると中は二重扉があって,しかも全てクロスシートなので半個室グリーン車に一瞬勘違いしてしまいました.座ってみるとJR西日本のクロスシートと似たような感じで,座り心地が良かったです.滝川到着は14時28分,だいたい40分程度で滝川に着くのですぐでした.滝川に着くと後ろから追いかけてきたライラックを見送ります.

ライラック26号

普通列車岩見沢行2330M

14時45分発,岩見沢いわみざわ行の普通列車に乗ります.車両は同じく721系.岩見沢の到着は15時24分なのでまた40分程度ゆられます.

岩見沢行の721系

岩見沢に着くとKitacaエリア内.ついに札幌近郊です.ICカードを集めるのを趣味にしているのでこちらでKitacaを購入しました.

岩見沢駅で購入したKitaca

丁度定期券購入の時期だったのもあって窓口と券売機ともに混んでいました.次の小樽おたる行は15時39分,あまり時間がなく少し焦ってしまいました.


普通列車小樽行228M

列車は同じく721系でしたが,今度はUシート付.快速エアポートではないので無料でUシートに座れるお得列車です.

Uシート車内
Uシート車外

座り心地はやはりよく,眠ってしまわないように注意が必要でした.特にぽかぽかとした陽気が気持ちよく,それもまた眠りを誘います.降りる駅は札幌ではなく白石駅.こちらで千歳線の列車に乗り換えます.到着は16時14分,30分ちょっとの乗車です.少しもったいない気もしますが,そうしないと今日中に森駅に着けないので仕方ありません.

白石に到着して乗換先のホームにいるとカムイやとかち●●●といった特急列車の通過を見ることができました.

とかち8号札幌行
カムイ30号札幌行

普通列車苫小牧行2772M

16時23分に出発して苫小牧とまこまいには17時24分,約1時間の乗車です.列車は735系.アルミニウム合金でできた酷寒冷地用の試作車両です.北海道でもアルミニウム合金で運用できるのかの長期試験を行っているそうです.

735系苫小牧行

時間も17時近くになり帰宅ラッシュの時間帯,立客も大勢いらっしゃりましたが席が一つ空いてましたのでそちらに座ることにしました.座席は全てロングシート,通勤路線であればロングシートの方が人を詰め込めるので当然と言えば当然なのかもしれません.

珍しいと感じたのは扉が今や少なくなった1枚扉.加えて今までの車両にはデッキがあったのにこの車両にはなく,より温度維持が必要となるために1枚扉にしているとかあるのでしょうか.

苫小牧駅駅舎

北海道の帰宅ラッシュを体験しつつ,苫小牧駅まで来ました.次の列車まで20分ほど時間があったので近くにあったメガドンキ内のロッテリアでハンバーガーを買って腹ごしらえ.すぐに駅まで戻ります.


室蘭本線・函館本線

普通列車東室蘭行446D

ホームに行くといた列車はキハ141系.客車のオハフ51形を気動車改造した列車です.

キハ141系

どことなく顔がJR東海のキハ11形と似てるような気がするなと思いながら後ろの車両に乗り込みました.時間は17時47分.車内は少し混んでいましたが,ワンマン特有の前は混んでいて後は少し空いている状態でした.東室蘭ひがしむろらん到着が18時55分なので車内が空いてくるまで後ろの運転席前で立ってることにしました.

キハ141系の運転席

列車に揺られると時間は日没時を迎えます.ノシャップ岬で見たように夜の帳が降りつつ,太陽の赤色が残って綺麗なグラデーションを見せていました.奥に見えている山はおそらく樽前山です.山頂に溶岩ドームがあって樽前山熔岩円頂丘として北海道指定文化財の天然記念物らしいです.

樽前山をバックに苫小牧の夕焼け

そうこうしているうちに東室蘭に到着,乗換の時間は5分なので写真などは撮らずすぐに車内へ向かいました.


普通列車長万部行484D

乗った車両はDECMO,ここに来て最新の車両です.

長万部駅で撮影したDECMO

車内に入って見ると感じるJR東日本感.椅子がJR東日本で採用されているもので固く,GV-E400をもとにしているとはいえ,少し残念に感じてしまいました.

もうあたりは一面の暗闇.闇の中を列車は駆け抜け,秘境駅ランキングの1位の駅,小幌こぼろ駅に差し掛かります.

列車の中から撮影した小幌駅

小幌駅は雪が積もっており,明かりで照らされているとはいえ駅以外は真っ暗闇.一度降りてみたいものです.そんな小幌で長いこと停車するわけもなく,小幌を過ぎればすぐに長万部おしゃまんべ.こちらで50分弱の待ちです.

長万部駅駅舎

普通列車森行890D

本日最後の列車はキハ40形.道南海の恵みというラッピングが施されていました.

キハ40形1700番台

運転士さんに聞くと列車の中で待ってても良いとのことだったので,列車の中で待つことにしました.幸いこの列車に乗るであろう人は自分ともう一人,ボックスシートを独り占めしていました.

キハ40形1700番台の車内

車内はキハ40形らしくなく,綺麗に改装されていました.また,窓ガラスが2重窓になっており,窓を開けるには一度風を通さないように閉じられている窓を開けてから,外の窓を開けないといけません.とはいえ,夏でもないし気温も一桁なので開けることはないでしょう.

21時09分発,森駅には22時17分着.1時間強の旅でした.森駅に着くと外は寒く,駅前にあった温度計は0度を示していました.また,海が近く街灯もガス灯だからかあたりがぼんやりと優しい光に包まれており,幻想的な雰囲気を醸し出していました.

森駅駅舎
ぼんやりと明るい森の街並み

そんなこんなで森駅から徒歩1分の距離にあるルーンストンホテルに宿泊.明日は5時32分発の函館行に乗らねばならず,体力温存のために明日に備えます.

ホテルのお部屋

1日目の行程

稚内    5:21発 ― 名寄    8:46着
名寄  10:00発 ― 旭川  11:29着
旭川  13:47発 ― 滝川  14:28着
滝川  14:45発 ― 岩見沢 15:24着
岩見沢 15:39発 ― 白石  16:14着
白石  16:23発 ― 苫小牧 17:24着
苫小牧 17:47発 ― 東室蘭 18:55着
東室蘭 19:00発 ― 長万部 20:22着
長万部 21:09発 ―  森  22:17着

鉄路での移動距離:653.8 km

次の日のリンク

2日目は森駅から津軽海峡をフェリーで越えて新潟駅までです.


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