33 もしも夫と離婚したら
子どもの為、という呪縛
モラルハラスメントという言葉を知ったのは、三船美佳さんが高橋ジョージ氏と離婚をした時のエピソードからです。しかしまさか自分の夫がモラルハラスメントだとは夢にも思いませんでした。
機嫌のいい時は、たまにですが本当にやさしいし、家事や育児に対して文句が多いのは、私に頼り切っているからだ、と思って許していたのです。
それこそがモラルハラスメントの怖い側面です。当事者が気づくこと、が最も難関なのです。
そして気づいたからといってすぐに離婚、という流れにはなりません。
身体的に暴力をふるうわけでもなく、日々の生活は自分さえ我慢すれば、順風満帆に行くからです。裏を返せば、被害者だけが頑張り続けなければ破綻してしまうシステムなのですが。
もしかしたら、いや、でもやっぱりを繰り返す
モラハラされている状態の時には気づくことは難しいです。でも離婚したらどうなるか、と想像だけでもしてみてください。離婚したとして、何が変わって何が変わらないか。何を失って何を得るか。
私は、モラハラをされ続けていて、時々我慢の限界に達するときがありました。真夜中に虐待SOSダイヤルや、子育てダイヤルや自殺相談ダイヤルなど、何度検索したでしょうか。
しかし、電話はダメでした。つねに行動チェックされているので、夫に会話を聞かれてしまうのです。行動チェックと言っても、なにか言ってくることはありません。ただ冷蔵庫にお茶を取りにきたり、トイレに行ったり、そしてついでに「まだ起きとるん」と声をかけて寝室に戻るのです。夜中まで夫の部屋の電気がついているので、私は夫が寝るのを待つ間に、寝落ちしてしまい、電話せずにまた日常生活に戻るのでした。
もし夫がいなかったら、あなたは何から解放されますか?
私の場合
夫の機嫌をうかがうこと
時間を気にしながらコーヒーを飲むこと
生活の全てに罪悪感を抱くこと
食事中におしゃべりしたり冗談を我慢すること
喜怒哀楽を我慢すること
夜更かしを我慢すること
休まず家事と育児と仕事をこなすこと。それと体調管理を両立すること
まずは自分が謝ること
職場と家のほとんどで過ごすこと
帰省したいと言わないこと
驚いた時に声をあげないこと
夫からの着信にはすぐ反応すること
夕飯を作っても食べてもらえないこと
夫のお小遣いのために自分の貯金を崩すこと
生活費が足りないことを隠すこと
お金がない、節約協力して、と言わないこと
何に対しても文句を言わないこと
決めたことの(決めさせられたことの)全責任を取ること
旅行に行きたいと思わないようにすること
友達や実家と疎遠になること
夫のいない時の「楽しかった!」や「おいしかった!」を報告しないこと
将来への貯金を一人で頑張ること
もしも夫がいなかったら、あなたは何を失いますか?
私の場合
仕事?→辞めない。
子ども?→私についてくる。もともとワンオペ育児なので今までと変わらない
喜びや悲しみを共有してくれる人?→そもそも夫は初めから共有してくれたことはない
家?→夫にローンは払えない、だから住む場所も変える必要ない
車?→私は免許がないのでむしろいらない。ついでに車のローンと駐車場代もいらない
結果、何も失わない。
ここから下は、離婚の経緯に少し触れますので有料にさせてください。
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