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クリスチャンが少し苦手になった話

基本的に、どんな宗教の人も対等の人間だと思っている。

キリスト教はいろいろな派閥があってよく知らないが、エホバの証人などはクリスチャンの中でも異端視されているらしい。

宗教を信じようが信じまいが、その人がどのような考えをもっているかの差でしかない。

大学時代に知り合ったクリスチャン

大学2回生のころ、学内の図書館前にあるベンチで勉強をしていた。

大学の敷地内は誰でも入ってこれるので、時々宗教の勧誘など学外の人がうろうろしている。その日も例によって、クリスチャンの女性二人組が勧誘しにうろついていたわけだ。

ちょうどぽつんといた私が声をかけやすかったのか、

「お友達になりませんか?」

と声をかけてきた。

私は誰の話でもとりあえず聞くし、友達になるくらいのことは構わないと思っていたので、その場は楽しく過ごした。

友人として親しくなる

大学近くに、クリスチャンの集会所があった。彼女らはそこからきていたのだが、

「一緒に料理をしよう」

と誘われた。

最初に話をした時に、一人暮らしをしていて自炊していると話したからだ。

一緒にハンバーグを作り、話をして食事をした。宗教の話はなかった。

食事の前に「アーメン」とイエスに祈りを捧げていたが、私は見ているだけだった。黙っていても何も言われなかったが、少し居心地の悪い時間。

それ以外は楽しい時間だった。

食事会に誘われる

最初は知り合ったその友人と会って喋るだけだったが、ある時からクリスチャンの集まりに誘われるようになった。

彼女らは「姉妹」と呼び合っており、その場にいるだけで私も「姉妹」と思われたりした。その度に「かぬちゃんはお友達なの」と注釈が入った。そして怪訝な顔をされる。が、「よろしくね」とニッコリ。

みんなが祈りを捧げる間、私はダンマリ。

何度か誘われて遊びに行っているうちに

「かぬちゃんもお祈りしてみようよ」

と言われた。

彼女らのお祈りはその都度オリジナルで

「かぬちゃんと出会えたことに感謝します。今日を無事迎えられたことを感謝します。…」

のようなものなので、非常に戸惑った。言うことなどない。そもそも、気持ち悪い。

「私の言うこと繰り返せばいいから」

と言われ、その場は棒読みで繰り返して難を逃れた。

無理やりされたバプテスマ

バプテスマとは、まあ、クリスチャンになるよ!みたいな儀式である。

水にザブンと全身浸かり、クリスチャンに祈りを捧げてもらえば完了だ。この世で汚れた身を清めることで、神の世界の住人になれるらしい。

ある食事会の時、4人に囲まれて

「これからバプテスマしない?」

と言われた。

私は友人として仲良くしていたかったのに、やはり、その世界に入って欲しかったわけだ。

嫌だ嫌だと言ったが、彼女らは聞き入れる耳を持たない。勧めるしか能がない。

「姉妹って呼ばず、お祈りもしなくていいなら、これまでのような友人関係でいいなら、聞き入れるよ。やるよ。」

そう答えるしかなかった。私にとって彼女らは大切だったから、無碍にもできなかった。

OKの声を受けて、

「準備のために他の兄弟姉妹に連絡を取ってあるの」

と言って、10人ほどをいきなり集めた。最初から、そのつもりだったわけだ。失望した。

その集められた兄弟たちも、正直、微妙な顔をしていた。私が非常に嫌々なのが目に見えたからだ。

しかし、儀式は執り行われた。

私は泣きそうだったけど、なんとかこらえて、その場は笑顔で過ごした。

その後

その後、友人関係は続けている。だが、集会所ではまだ会っていない。外食にはいく。

時々、泊まりの旅行に誘われるが、怖すぎる。

LINEで時々、私の安寧を祈るメッセージが届くが、一般的な友人との会話とは違うなと思う。

今後もきっと、この隔絶はそのままになるだろう。そういうわけで、少しクリスチャンというだけで苦手である。

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