見出し画像

#212 不登校増加の背景 教員不足!?

こんにちは
tatsuyaです。

本日は、「不登校増加の背景」についてのニュースを紹介したいと思います。

不登校増加の背景 教員不足、学校余力なく

義務教育段階の小中学校で不登校の増加が10年以上続いている。立命館大学の伊田勝憲教授(臨床教育学)は、背景に数と質の両面での教員の変化があると指摘する。

小中学生の不登校は2013年度から11年連続で増加し23年度は34万人(長期欠席全体は49万人)を超えた。新型コロナウイルス禍で急増した印象が強いが、増加はそれ以前から始まっている。

筆者は教職大学院で現職教員の研修を手がけており、学校現場の実情を知る機会は多い。いじめ重大事態の調査委員やフリースクールの顧問なども務めてきた。一人ひとりのケースを取り巻く要因は多様だが、ここでは全国的な波をもたらしている2つの構造的な背景に目を向けたい。

第1は教員の世代交代である。教員の採用数は人口の増減に連動し、年齢構成に凹凸ができる。1980年代、第2次ベビーブーム世代が就学・進学するタイミングで大量採用された教員が2010年代半ば以降、続々と定年退職を迎えた。40代後半から50歳前後の層が薄くなり、20~30代の若手が一気に増えた。

昭和の時代、登校拒否(当時はこう呼ばれた)が著しく増え始めた80年代も若手教員が多く採用された。増加の手前にみられる極小期は74年度で、今回の不登校増加前の極小期である12年度との間隔はくしくも38年、新卒採用から60歳定年退職までの年数だ。どちらも教員組織の力量が下がりやすいタイミングだったといえるかもしれない。

第2は教員不足の深刻化だ。この点は昭和期と決定的に異なる。全日本教職員組合の調べによると、24年5月時点の教員未配置は4千人を超え、現場教員の余力を奪い子どもの声にじっくり耳を傾けることを難しくしている。

例えば小学校の場合、特定教科の授業を担当する専科教員(時間講師など)を確保できないと、学級担任の時間割に空き時間ができない。

最近では、放課後すぐに退勤する短時間勤務適用の教員(育休明けの30代に多い)も学級担任にならざるをえない状況がある。放課後に同学年の教員が集まり、スクールカウンセラーなどの専門職と連携を図ることも非常に難しくなっている。

不登校児童生徒の直近の増加率は小学校低学年が中学校を上回る。中3はこの11年間で2.2倍に増えたのに対し、小1は9.7倍に増えた。そして、教員不足が最も深刻なのが小学校である

通常学級の定員の40人から35人への引き下げは21年度の小2から年次進行で始まり、25年度に6年生まで及んで完了する予定だ(小1は11年度に実現)。

学級が少人数になると教員の目が行き届きやすくなり、不登校は減ると思われるかもしれない。実際には、この35人学級化も教員需要を拡大し、教員不足を深刻化させる一因となって教員の多忙化を招いているおそれがある

特別支援学級に在籍する児童生徒も、この10年で2倍以上に増えた。特別支援学級は通常の学級より少ない8人が上限となるため、やはり教員需要を押し上げる。

ニーズに応じた教育や支援を受けられる子どもが増えるのは望ましい。だが筆者は、そもそも通常学級で児童生徒のニーズに沿った配慮に手が回りにくくなっていることが問題の本質であると考える

本来なら、特別支援学級を選択する必要のなかったケースも少なくないのではないか。だとすると現状は悪循環である。

もう1つ、教員不足に拍車をかけているのが教員志望者の減少だ。名古屋大の内田良教授らの調査では、この10年で教員採用試験の女性の受験者数が半減した。もともと小学校教員は女性が6~7割を占めるが、23年度の受験者では4割を切った。

内田教授らの別の調査では、教育実習で午後8時以降の勤務を目の当たりにした女子学生が教員就職を避ける傾向が顕著にみられる。いわゆるブラック職場のイメージが、特に女性の教職離れを加速させている。ジェンダー平等や待遇改善の進む民間企業との人材獲得競争に学校が敗北しているのかもしれない。

文部科学省の不登校調査の結果には、教員の世代交代と不足がもたらす状況を端的に示す数字が並ぶ。例えば、不登校の小中学生のうち「いじめ」の事実が学校側に把握されているのは1.3%(4463件)にとどまる。

いじめの有無について、不登校の児童生徒本人と保護者に聞いた別の文科省調査では、この数字は20~30%。つまり、不登校の背景要因かもしれないいじめに関する情報を、学校側は少なくとも公式には、ほとんど把握できていない。

いじめ防止対策推進法は、いじめが不登校の原因となった「疑いがある」時点で重大事態とみなして調査することを求めている。しかし、教員が不登校の本人や保護者の話を丁寧に聞くことすら難しくなっている。

戦後、日本は早い段階で小学校を含む教員養成を大卒水準に引き上げた。今では多くの国で院卒の教員が増え、日本は後れをとっている。19年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)によると、修士以上の学位を持つ教員の割合は調査参加国・地域の算数分野の平均で28%だが、日本は5%にすぎない。

求められる教育内容・方法が高度化する中、教員の資質に関する基礎的条件が厳しい中で、日本が国際比較で高い学力を維持しているのは奇跡のように見える。

しかし、そうした学力などの調査時に欠席している児童生徒がいることを忘れてはならない。学校教育の質を高めることが喫緊の課題だが、教員不足により「それどころではない」のが今の姿だ

近い将来、少子化で教員不足が改善しても山積する諸課題が消えるわけではない。その中で学校教育に希望をつなぐには、教員の専門性向上と、それに基づく多職種の連携・協働が必要不可欠である。

2024/11/18 日本経済新聞

 やはり、不登校の増加はコロナ禍の影響はあるかもしれないが、本質的な問題はそこではないようだ。

 教員の不足。しいては、教員の職場環境の過酷さからくる教員を目指す学生の低下が影響している可能性があるというのだ。

 自分のころを思い返すと、たまたまかもしれないが、女性の先生が担任をして頂いたほうが多かった。
 今、子供たちの学校をみると、女性の先生よりも男性の先生のほうが多い気がします。

 女性が働きやすい職場つくり。民間企業では積極的に行われているところもどんどんでてきているかと思います。

 学校はどうでしょうか。

 公務員だからこそ、地域を、地方を守るためにも第一に必要なことなのかもしれませんね。


以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

それではまた、次回お会いできれば嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!

tatsuya@(通所介護×介護報酬)/理学療法士
「制度に関して興味がでた」「介護保険をもっと知ってみたい」と思っていただけましたらサポートをして頂けるとありがたいです! 今後も介護報酬の改定が施設にとって少しでもプラスになるように継続して行なっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!