ピュア・エッジ 連載コラム『光と影』、はじめます。
「こんなに頑張っているのに報われない」。そう感じているリーダーのあなたへ。
「理由のない孤独感と、いら立ち」
あなたがもし、組織のリーダー的なポジションにいるとするなら、こうした感情を少なからず感じたことがあるのではないでしょうか?
・一人で限界まで頑張っている気がする。
・主体的に動いてくれる部下が育たない。
・何度言っても相手に伝わっていない。変わってくれない。
・部下のためを思って行動しても、結果として疎ましがられる。
・かといって、自分がやらないと誰も動いてくれない。
・なんとなく孤独感を抱えていて、日常的にイライラが続いている。
・そんな気持ちを、誰にも打ち明けられない……。
エグゼグティブのクライアントさんをコーチングしていても、以上のような感情を抱えている方がとても多くいらっしゃいます。
その気持ち、とても共感します。なぜなら同じようなやりきれない気持ちを、私自身、長年抱え続けてきたからです。
怒りと哀しみに苛まれ続けた役員時代
コーチとして独立するまで、私は外資系企業の役員をしていました。当時の私には、自分のなかに「怒りと悲しみがある」という自覚はまったくありませんでした。イライラしたり、頭にきたりすることはあっても、「それにとらわれたくない」と考えていたからです。
しかし、今思えば私の内部には、怒りと悲しみが手の付けられないほどに溜り、蠢いていました。その感情は、ずっと「気づいて」と叫び続けていたのです。
その叫びは、身体の不調として私にサインを送っていました。
当時、私は吐き気を伴うひどい頭痛に数ヶ月に一度の間隔で悩まされていました。でも、いくら頭痛外来で CT や MRI を撮っても異常は見つかりません。医師からは「ストレスですね」と言われ、保険を使っても一錠千円くらいする頓服を処方されるだけ。
当然、そんな表面的な対処療法ではなにも変わりません。
それほどまでに、私は自分の本質的な苦しみに無自覚だったのです。
だからこそ、伝えたいのです。
リーダーが悲しみと向き合うことの大切さを。
その根本原因がなんであるのかを。
リーダーが自身の葛藤と向き合い、それを乗り越えていくことが、組織メンバーの能力を伸ばし、成果を上げていくことに繋がっていくと私は感じています。
成長しようともがいているあなただからこそ
私自身、当時感じていた悩みや葛藤を完全に乗り越えたわけではありません。
正直に打ち明けると、いまでもその渦中にいます。そして、少しずつ自分の状態を客観視することができるようになりつつあり、そこからよい方向へ抜ける手応えも感じ始めています。まだまだ葛藤がやむ気配ではありませんが。
だからこそ、リーダーとしてもがいている有能なあなたと、私の経験を共有したいと考えています。
これから、この連載では、
・光と影とは何か
・光と影への理解は、器を広げるのに不可欠
・リーダーの在り方が、ダイレクトに組織のパフォーマンスを左右する
・光と影への認識を深めて、組織を生まれ変わらせた実例
以上のようなテーマを、クライアントの生の声を交えながら紹介していきます。
この連載をヒントに、日々孤独感などに苛まれながら戦い続けているあなたが、本来の力を発揮して理想とする組織運営を成し遂げられることを心から願っています。
次回からはさっそく、光と影の具体的な話に入っていきますね。
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インタビュー / 執筆:大村 たかし
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