「シグナルマン」(チャールズ・ディケンズ)

あらすじ

 「おぅーい、そこの人!」という声を聞いて、主人公は信号手に気づきます。どことなく気になった主人公は信号手のいる場所へ行きました。

 信号手がいた場所はかつて見たことがないほど寂しい場所でした。巨大な地下牢のように重苦しい雰囲気です。

 信号手は奇妙な視線を主人公に向けていました。何かに恐怖している様子もあります。それでも主人公詰め所に通してくれました。仕事をしながらいつもの様子や信号手の過去の話を聞くことができました。しかし、今までは仕事には不満がなかったのですが、不安になる出来事があったそうです。その説明のためにも、明日の夜にもう一度詰め所を訪ねて欲しいと言われました。

 不安になる出来事は、事故が起きる前には幽霊の警告が聞こえるということでした。主人公が最初に聞いた声も幽霊のものだったと信号手は言います。幽霊の警告は何に対しての警告かわからないことが不安の理由です。

 次の夜も信号手に会いに行こうとすると、詰め所の辺りの様子がおかしくなっています。なんと信号手が機関車にひかれて死んでしまっていました。

感想

 信号手がひかれてしまった機関車には、幽霊そっくりの動きをした機関士が乗っていた。信号手の動きが止まってしまったのは幽霊の事が頭によぎったからでしょう。何の警告だったのか解らなかったから気づいた時にすぐ体を動かせなかったというのは本当に不運としか言えない。

 主人公が幽霊が伝えたがっていると予想した言葉をそのまま機関士が言っていました。これも偶然の一致です。それでも主人公にとって後悔の理由になります。何かできたのではないかと引きずってしまう出来事です。

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