俺はプラ太郎 【連載企画:#02 若きフリーター時代編】
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どうもどうも、それなりに良い服飾専門学校で学生生活を過ごして世の中の情勢には目もくれず、クリエイティブな学生生活に浸って社会へ飛び出そうとしたら超不況によりどこにも就職できなかった過去があるアラフォーフリーランスのプラ太郎です。
(前回までのあらすじはだいたいこんなもんでしょう)
いやー、世知辛かったね。あの時代。
2000年付近をそれなりの年齢で過ごした方には同じような思い出がある人もいるんじゃないすかね。
個人的には間違った進路じゃなかったと当時から思ってますが、苦労はどこいってもついて回ったもんです。
今回は当然の流れのごとく、就職難の時代に就職できなかったわけで、となると、そりゃもう必然的になんかしら収入を得なければならんわけですよ。
卒業式ギリギリまで面接に行って、なんとかたどり着いたのが某ファストファッションの店舗スタッフのバイトでした。
当時は「ファストファッション」とは言わなかったなぁ。なんだろ、とりあえず『お前〇〇で服買ってんの?ダセェwww』っていう扱いだったけど、今は愛用してるぜ。
当時はあまりの生地や縫製の質の悪さに閉口してたなぁ…
今も個人的な評価は大して変わらないけど、グッと印象は変わったね。そりゃ20年近く経てば認識も変わるというものだね。
というよりは企業努力が凄いね。経営戦略とでも言うのか、大企業になったよね。
そんな会社のとある店舗でバイトを始めたわけです。ミシンも使えるから重宝されましたな。裾上げの神でした。
時給は1000円くらいだったかね、働いてる最中はちゃんとしてたけど、毎日帰り道は苦虫を噛み潰したような顔をしてたなぁ。
『俺、なにしてんだ…』
ってなってた。
そんな気持ちで長続きするわけもなくて、数ヶ月で辞めました。
就職への道を探りつつ、コンクールとかにも入選したりして、未だ『俺はまだこの世界で頑張るんだ!絶対道は開ける!』って躍起になってたなぁ。
バイトして、休みの日は生地屋行ったり服作ったり、デザイン画描いたり、その繰り返し。バイトは嫌になったら辞めて新しいとこ探して転々とね。
そんな生活が続くわけないんよね。
実家暮らしを許されてたんだけども、どんどんどんどん居心地も(勝手に自分の思い込みで)悪くなってね、父親とはだんだんと喋らなくなってたなぁ。
父と息子、親子の関係も徐々に氷河期が侵食してった。
あ、今では仲良くしてるんだけど、都合7年近く無言で言葉も交わさない時期がある。お互いに気持ちは分かってたんだけどね、親父の意地が俺の意地を保つものになってたと思う。これは和解後に自覚したことだけどね。
で、生活もままならなくなっていくのが分かりつつも、履歴書を送っては面接に落ちて、途中で同級生が起業するのに乗っかって働いたり、そこもお金の話で揉めまくって大喧嘩して、もうバイトする気にもなれなくなっていって…
「もういいや!ファッションがどうとか言ってられん!安定した収入をな!得ないことにはダメだよな!」
と、なるまでに5年くらいかかった。
この期間にやったバイトは思い出せる限りで、
・ファストファッションの店舗スタッフ
・スーパーの鮮魚コーナー
・母校でのバイト枠であれやこれや
・引越し業者
・深夜の謎の工場(日雇い)
・同級生と起業(一応アパレル、パタンナーメイン)。でもバイト扱い
・他(もう思い出せぬ)
色々やったなぁ。何を見ても感動しないし、誰を見ても羨んでた。
ちょっと今回はジメジメした内容だね。
さてさて、5年経とうが世の中は不景気真っ最中。
覚えてる人もいるかもしれないけど、2000年代初頭の世の中の暗さはすごいもんがあったと思う。
まだまだ若者だとね、自負してたからね。
「他の業界でなら良い社会人としての出発ができるべさ!」
って思ったよね。
結論から申し上げよう。
全然、なんも無かった…
最終学歴から5年、そりゃ第二新卒でもなくなってフリーターやってた人間を雇うとこなんて無いよなぁ。
だんだんとどんな業界であれパソコンがオフィスにある時代になりつつあってね。
令和の時代じゃ当たり前かもだけど、業界によってはパソコンなんて使う仕事が当たり前の世の中じゃなかったんよ。
クリエイティブというか制作系の会社では当然のように導入してたけどもね。
俺も独学でPhotoshopやらIllustratorやらを触り始めた頃。
バージョンいくつだったんだ?
CSシリーズが始まった頃じゃないか?CS2〜3とか?
買うお金も無かったから友達の家でめちゃくちゃ触らせてもらってた。
あいつ、何に使ってたんだろ?そういえば知らずに借りてたわ。
まぁいいか
これがこの後の進路に大きく関わっていくんだ。
“ファッションじゃない、クリエイターなら生きていけるんじゃい!”
とね。
夢の進路変更。拡張ともいう。都合よく捻じ曲げたとも言える。
どうでもいい。
スキルを身につけてそれを仕事にしていく以外に俺の人生に活路は無いんだと。そう思うことでようやく人生のモチベを盛り返した。
ということで今回はここまで。
次回は、
「果たして独学で触った程度の人間に仕事は見つかるのか?」
「見つかったとてちゃんとやれんのか?」
というお話。
まだまだ暗黒時代は続くのですよ。
だけどね、この時代が無ければ今は無い。
違う今もあったのかもしれないんだけど、当時はこれしか思いつかなかったんよ。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
また続きは追って書きます。
2021/12/12
プラ太郎
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