読書メモ「白いしるし」(西加奈子)

一気に読み切ってしまった。

恋愛にズゴゴゴっとはまっていく人たちをここまでわかりやすく描写できるものなんだ、と思った。


「間島昭史」から「しるし」をつけてもらいたくて、何かものとして残したくて、主人公は最後にある行動を起こす。
しかし、それは主人公だけでなく、恋に陥った登場人物それぞれが持っていよう、刻まれようとしたものであった。
それは塚本さんと話したことで改めて表出したものなのだったのかな?

理性では抑えきれないなにかを、「かたち」「もの」に残そうとしたそれぞれの人にとっての「しるし」。

猫。折れた鼻。種違い。

そして未遂に終わった折ろうとしてもらった腕。



健康に見えた「笹山」さんの「しるし」はなんだったんだろう?多分、それはものではなかったはずではないか。

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