【1日1文献】高次脳機能障害のある子どもの学校への適応に至る プロセスに関する保護者の経験 ―複線径路等至性アプローチを用いた1事例の質的分析―#高次脳機能障害#就学#保護者

参考文献:高次脳機能障害のある子どもの学校への適応に至る プロセスに関する保護者の経験 ―複線径路等至性アプローチを用いた1事例の質的分析―
筆者:草野 佑介(OT)1)2),京極 真(OT)2),寺岡 睦(OT)2
発行日:2020年
掲載元:第40回近畿作業療法学会
検索方法:インターネット
キーワード:(複線径路等至性アプローチ),高次脳機能障害,就学

メモ
・学校と保護者との就学前相談は必須通過点 (Obligatory Passage Point;OPP)であり,情報共有 と合意形成によって指導体制が検討されたことが適応 へと導く分岐点(Bifurcation Point;BFP)として挙げられた.
・就学後の社会的ガイド(Social Guidance; SG)として,手厚い指導体制や経験豊富な教員による 効果的な指導による,自尊心が育てられる教育が行われたことが挙げられた.

・一方で社会的方向付け(Social Direction;SD)として,就学後の高次脳機能障害に 対する不十分な支援システムと地方自治体による支援 格差に保護者は不満を抱いていた.
・さらに,保護者は 児の病気や障害について,クラスの子どもたちに説明 するか否かの葛藤を抱いていた.
・その背景には,保護 者自身が児と同じ病気をもち,学齢期に苦労があった ことや,保護者自身の子ども時代と現在の教育感の違 いが挙げられた.
・しかし,児はクラスへの説明を行う ことで,学校生活に制限を設けられたくないという思 いがありクラスへの説明に反対の意思表示をした.
・この経験が分岐点(BFP)となって保護者の価値は変容 し,児の意志を尊重した体制を選択したことが,児が 主体的に学校で適応していくために非常に重要であっ た.

・また,高次脳機能障害という理解が難しい概念へ の困惑があり,保護者のみでは解決が困難であるため, それを補う専門家とのつながりを社会的ガイド(SG) として希求していた.
・現在の適応状況のみならず,ラ イフステージの変化への適応と,将来の社会的自立へ の願いが目標の領域(Zone of Finality;ZOF)として 語られた.

参考URL:
https://kinot40.secand.net/file/2-05.pdf

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