【1日1事例】地域の中学校における作業療法士の活用 -3名のケースシリーズを通して- #中学校 #作業療法 #特別支援教育

参考文献:地域の中学校における作業療法士の活用-3名のケースシリーズを通して-
筆者:白石 純子, 草野 佑介, 杉村 喜美子, 加藤 寿宏
発行日:2021年
掲載元:LD研究 30 巻 (2021) 1 号
検索方法:インターネット
キーワード:作業療法, 中学校, 協働, ASEBA

【抄録】
・京都府作業療法士会特別支援教育OTチームは,平成19年より特別支援教育における作業療法の有用性を検証してきた。
・今回,中学生3名に対し約半年間で3回ずつの訪問支援を行い,中学校における作業療法による介入の成果と特性について検討した。
・ASEBAによる行動チェックリストや授業参観・個別面談に加え,それぞれの主訴に応じた個別アセスメントにより,主訴の背景の解釈や,日常生活および学校生活で実施可能な支援計画を本人・保護者・教員に提案した。
・その結果,3名全員に学校生活上の改善を認めた。
・これらの背景には,作業療法の専門性を活かした個人,作業,環境の相互関係を踏まえた包括的アセスメントとそれに基づく課題の調整や学校・家庭の環境調整が有効であったと考える。
・今後も中学校と作業療法との連携の有効性について検証し,発信していくことが必要であると考えられる。
【メモ】
・特別支援学校のセン ター的機能を強化するために,必要なST,OT,PTのリハビリテーション専門職および心理学の専門 家などの外部人材を配置・活用することが示されている
・青年期 (12歳~ 20代前半)は,自我の確立,役割 の種類の増加,自律性と責任など,学童期とは異なる特徴があり,生産的役割を担う現実社会の一 員となる能力を身につける準備段階でもある
・青年期の生活体験は,成人期の職業選択や社会生活の基盤になると考えられ,青年期 初期である中学生の発達課題とも関連する。
・したがって,中学生の作業の改善や環境への適応に対してOTが介入することで,その後の進路や職業選択に肯定的な影響をもたらすことが期待される。
・OTは対象者が「したい こと,する必要があること,することを期待され ていること」を設定し,それを実現するために必要な本人の能力(感覚運動機能・認知機能・対人 機能など)と作業の特性を分析し,環境との相互 作用を包括的に捉えた上で,適切なレベルに段階付けした支援計画を提案する。
・また,OTは対象者自身にとっての「作業の意味や価値」の視点を 重要視し,対象者の主体性を考慮しながら,目標 設定および動機付けをする。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jald/30/1/30_45/_pdf/-char/ja


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