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あのアニソンは夢だったのか?

8月に入って、怪談が盛り上がる季節になって参りました。

ここはひとつ、愉快なホラーエピソードのひとつでも紹介したいところなのですが、残念ながら自分は、霊感やシックスセンスといったものを持ち合わせていないものでして。

お化けを営む方とお会いした過去はまるでなく、首が長い方や口が裂けている方も、生まれてこのかた見たことがありません。

5~6年前に墓地の近くで『ポケモンGO』をやっていたらゴースばっかり出てきた、という程度の、なまぬるい体験しかない。

なので、いわゆる超常現象や幽霊の存在を信じるか否かという問いに対しては「信じない」です。

でも、だからといって全く恐れていないかというとそういうわけではなく、真夜中に故人の遺影などを見ると、なんとなく目の前にその方が現れそうな気はします。

日本史の教科書なんかを真夜中に見ちゃうともうダメ。

なにせ、登場人物がみんな故人ですから。いつ本居宣長さんや鑑真さんが部屋にやってくるかわからない。ペリーさんがうっかりうちのベランダに来航してくるかもしれない。明智光秀さんが放火してくるかもしれない。

そんなことを考えるとおちおち寝られず、携帯ラジオを握りしめて『青春ラジメニア』を聴いていたのが高校3年生の頃。

『青春ラジメニア』というのは、リスナーからリクエストされたアニメソングをひたすら流すという、AM神戸の番組です。1989年から現在まで、30年以上つづいている長寿番組。

アニメに関連のある楽曲なら、主題歌でも挿入歌でもキャラクターソングでも可。ただ、JASRACに登録されていないとかけることが難しいらしく、そういう楽曲がリクエストされた場合は、わざわざ権利者に直で問い合わせて許可を貰うという(問い合わせても許可を貰えない場合や、そとそも権利者が誰かわからないことも多々あるらしいけど)徹底ぶり。

古今東西のアニソンが、深夜2〜3時の神戸のラジオ局から、我が家のAMのアンテナへと流れてくるわけです。

「現在・現時刻の音」がラジオから聞こえてきて、パーソナリティのおじさん(通称いわちゃん)と、ちゃきちゃきした関西のおねえさん(通称かおりん)の声が確かに耳元にいる安心感。

これで、いきなり歴史上の人物が唐突に部屋に入ってきても、現代人のボイスが耳元に流れてくることで安心できる。 

だからといってなんの解決策にもならんのですが、そんなことをぼんやりと思っていました。

受験勉強で連日の夜更かしをしていたせいで疲れていたのでしょう。受験生のみんな、睡眠はちゃんと取ろうな。思考能力が低下するから……。

ありとあらゆるアニソンが流れるわけですが、リクエストしてくるリスナーは百戦錬磨のアニソンマニアたちなわけで、ほとんどが知らない曲ばかり。そんな中で、確かに聞き覚えのある曲が流れてきました。

とはいえ、その時は夢現だったので、かおりんが最初に言ってくれたはずの曲名とアーティスト名を聞き逃してしまった。というか、よく考えたら、もしかしたらあの曲が流れてきたこと自体が夢の中での出来事だったのかもわからない。

しかし、誰にも確かめようがないし、当時は携帯もパソコンも持っていなかったし、そもそも曲名がわからないので検索もできない。よって今でも真相は謎です。

どんなアニソンかというと、レゲエ?サンバ?っぽいリズム(音楽的素養がないので説明しづらい)で、なんかクレヨン画みたいなコミカルなアニメーションと一緒に流れていた曲。エンディングだったはず。

学校に行く前に視ていた記憶があるので、朝の放送だったはずですが、再放送だったかもしれない。

……あまりにも証言があやふやすぎますね。たぶんコナンくんも金田一少年も推理できないでしょう。

『天地無用!』のテレビ放送版のエンディングがわりと近い感じでしたが、あんなにシリアスな曲ではなかったんだよなあ……。

もしかしてエンディングの曲と映像すべてが、自分が勝手に脳内で作り出したもの……?だとしたら、なぜ、いつ、どうやって形成したのか……?自分がわからないので、誰にもわかりませんが……。自分がいちばん怖い。


サウナはたのしい。