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短編小説1000字

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2022年11月の記事一覧

短編小説 情熱

 雨音が窓の外から聞こえるくらいになってきたので、今日帰るのが億劫になった。
 友加里はもちろん泊まっていけと言うだろうが、まどろみは一人で過ごしたい気分だった。正悟の気持ちは既に、ここには無く明日の予定などをぼんやりと考えていた。
 冷蔵庫から水を出して飲んでいる友加里にどう切り出したものか。女は事後の腕枕を好むという。彼女がそうだと言ったわけではないが、物足りなさを愛で埋めるようでナンセンスだ

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