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「私たちはアーティストではない、クライアントワークである。」 #noteフェス 龍崎翔子さんx鳥羽周作さん

noteクリエイターフェスティバル 3日目。
ホテルプロデューサー 龍崎翔子さん x レストランsio オーナー 鳥羽周作さん のセッションのレポートを書いていきたいと思います。

「私たちはアーティストではない、クライアントワークである。」とおっしゃったのが印象的だった鳥羽さん。
まずそもそも笑顔が素敵すぎた。

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「sio」オーナーシェフ 鳥羽周作さん
Jリーグの練習生→小学校の教員→32歳で料理人の世界に転身
コロナ中に発信していた「おうちでsio」に加筆して書籍化。
レストランに来て帰るだけだと知り尽くせない背景がある。「おうちでsio」を書いて、読んでもらうことで、来た人の体験価値を広げられる。

そんな鳥羽さん、noteに書いた記事にスキがめっちゃ来る。

記事を書いた背景
店に来て帰るだけだと知り尽くせない背景がある。
このnoteを書いて、読んでもらうことで、来た人の体験価値を広げられる。
記事を書くことで、予習もしくは家に帰った後に振り返り読んでもらえたら。

sioで働く人をnoteで紹介している
お店に来た人に、スタッフを知っておいてもらえると、より料理を楽しめる。

noteは取扱説明書。
店の背景を出すこと、知った上で来てもらうことは、ひとつのお客さんへのおもてなし。
事前の期待値とのズレがなくなる。
やれること、やれないことが事前にわかっている。


テイクアウトはお店の中と違う一つのジャンル。

冷めた状態で食べて美味しいものを作る。(8時間後に食べて美味しいかどうか、作って検証していた。)

この辺りのロジックは、鳥羽さんのnote記事にも通じると思います。↓
「塩」を感じさせてはいけない。
塩というのは表に出たら絶対にダメです。表に出ると味が「塩」になってしまう。食材の味ではなくて、塩味になってしまうからです。
マクドナルドのコーラはなぜおいしいのか論
細かいロックアイスが入る。そのうえからコーラを入れると氷の表面積がめちゃくちゃあるから、炭酸がプシューッとはじけて抜けていく。氷が多いので薄まるスピードも早い。すると、お客さんが飲むタイミングでめちゃくちゃ飲みやすくなっているというわけです。

鳥羽周作さんの方針。

幸せの分母を増やす。
レシピを公開する行為は、お客さんが答え合わせができること。答え合わせのできるレシピを公開する行為は、幸せの分母を増やすこと。
「レシピを公開する。」「テイクアウトを提供する。」などの幸せの分母を増やすために、レストラン営業も・レシピ公開も・テイクアウトも、やった方が良いことは両方やるだけ。

どちらも喜ばせる。
今までレストランに来た人だけにフォーカスしていた作業が、
20組のお客さんに対して毎日フォーカスしていた作業が、
おうちsioを公開した時に、自宅で試して「やりました」という人が尋常じゃない数生まれた。
その人たちも喜ばせる。どっちも喜ばせる。

量より質。
「おうちでsioをやってくれた人が多い」の “” の話ではなくて、“” の話。
お客さんとのエンゲージ・結束。
例えば、おうちsioをやりましたとコメントをしてくれた人にお礼を返す。
(私もTwitterで鳥羽さんのことを投稿したら、鳥羽さんからレスが来ました)

レシピには余白を残して、好きに作ってもらうスタンスで公開。

レシピそんなに公開して良いんですか?と言われるが、レシピには余白を残して、好きに使ってくださいのスタンスでやっている。
コロナ期間中は1ヶ月家に籠もって、毎日家に籠もって料理するお客さんの気持ちを知るために、おうち料理を家の冷蔵庫でずっとしていた。
鶏ササミじゃないといけないとか、豚コマじゃないととか、食材を縛られると辛い。他の食材を使って試してもらっても全然良い。

レストランと食を一括りにするのは難しい。

「ロイヤルホストが好きだからこそ、sioで人気のテイクアウトのバインミーもできた。家で簡単にできるナポリタンも、2万円のコースも、どちらも提供できることに気づけた。」

この話は、鳥羽さんのnoteからも、料理への研究心からわかりますね。↓
マクドナルドのハンバーガーの感動ポイント
ちなみにマクドナルドのハンバーガーの感動ポイントは、一口目、二口目を食べていって、三口目にピクルスが当たるときです。
ガストの「マヨコーンピザ」がすごい理由
まず、マヨネーズには「うまみ」と「酸」があります。そこに「ザ・缶詰」みたいなトウモロコシの甘さが入ってくる。よって「甘じょっぱ酸っぱい」味が生まれるのです。


これからのウィズコロナでは、実店舗の価値が改めて再評価されてくる。

これは2日目のセッションで鹿島アントラーズの小泉さんも似たようなことを言っていましたね。

小泉さん「コロナの後はスタジアム体験のハードルが上がる。アフターコロナは体験のハードル・値段が上がる。新しい体験、新しいテクノロジー、チケットの値段が上がる、、、 それにどう返せるか。」

会社としてのスタンスに基づいて何をするか。
スタイルではなくてスタンス。
それが嫌だったら来ないだけ。
ブレないスタンスを持つ。

お客さんにベクトルを合わせること。
お客さんに提供している価値とは何か。を考えた時に、お客さんにベクトルが向いていないとそれに気づけない。

私たちはアーティストではない、クライアントワークである。

答えはお客さんが持っている。自分たちのスタンスでどうやっていくか。それだけ。

鳥羽さんの、お客様ファーストな話や、note記事を読んで、あと素敵な笑顔を見て、note記事でのロジカルな研究を読んで、、とても惹かれました。


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続いてホテルプロデューサー 龍崎翔子さんの話の #講演メモ

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note有料マガジン『ホテル経営企画室の立ち上げ』のきっかけ

コロナは関係なく。
ホテル立ち上げのどのプロジェクトも面白く、twitterで書けないこともnoteの有料マガジンで書きやすいので書こうと思っていたらコロナになり、本格的にやっていくことに。
企画の裏側を発信している理由は、自分がやっていることが楽しくて共有したいから。一緒にお酒を呑みながら仕事の話をしている感覚。

裏側を見せちゃいけないと思っていない。

ホテルスタッフを裏方ではないと思っている。
裏側を見せるのをタブーと思っていない。
お客様とスタッフは対等に思っている。

ホテルは、非日常感を損なってはいけないとされていて、裏事情を見せちゃいけない風習。ホテルスタッフはお客様に仕えるとされ、対等じゃない、裏側を見せない、とされているのだろう。

寧ろHOTEL SHE, では、中の人を見せていっている。
ホテルの人格もあり、働く人それぞれのアカウントから発信を見せている。多面的なものを見せていく。グルーヴ感。

オンラインホテル HOTEL SOMEWHERE
コロナになって、HOTEL SOMEWHEREを立ち上げて、ホテルをオンラインで表現したが、これも前々からやろうと思っていた。


コロナでホテルが変わると思っていない。
コロナで、4月5月で大きく変わったということは特にない。
原点回帰している。

お客さんが店に行く理由は、人に会うこと。
デート、会食、同窓会、飲み会、、、
人に会うことは不変の価値。その需要を見誤らない。
むしろオンラインで出会った人が実際にリアルで会うために店を利用したりするようになる。

自粛で口コミ数が減ることに対しては。
旅行が自粛ムードで、口コミ投稿しづらい風習のなか、投稿数自体は減っている。
さらにホテル情報がバズることが多くなっている最近。若干邪気のある投稿が増えている。
瞬間的にバズるものよりも、あまり愛着のない方に拡散されてバズるよりも、コアなファンの声や、お気に入り隠しのような口コミこそ大事。


ホテルはメディアである。
rakuten ROOMでHOTEL SHE, っぽいアイテムを集めたり。

https://room.rakuten.co.jp/hotelsheosaka/items

「泊まれる演劇」を開催したり。
お客さんがホテルの中を歩きながら、ホテルの中の演劇を鑑賞する。
ホテルを観光業以外の側面でのあり方でフォーカスした時にやっていること。


今までは観光業にホテルが依存しすぎていたので、
旅先で泊まる以外のホテルの価値を高めていく。
(エンタメ的価値、自宅やオフィス的な使い方、ケアサービス業的な使い方など)

新しい店舗を出したり、既存の店舗をリブランディングしていく。
・世界観への没入性の高さ。非日常の世界に引き込められるか。
・体験のカスタマイズ性 をインタラクティブに。お店側から入ってくる(体験にコミットする)
・リアル店舗じゃないとできないことをやっていく。

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コロナで影響の大きいレストランやホテルサービス業のお二人のセッションでしたが、コロナだからといって何か変えるわけでもなくスタンスに基づき、お客様を第一に考えている姿が印象的でした。特に鳥羽さんの「私たちはアーティストではない、クライアントワークである。」の言葉が私は好きです。スタンスの話も。


下記からもアーカイブ再生できます。


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補足:
なお、 #講演メモ というのは noteの徳力さんがおっしゃっている、
私のような普通の人にも講演のレポートを書ける方法のことです。
セッションのレポを書くにあたり、こちらの記事を参考にしています。


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