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KFCとケーキとベーコンと餃子

今日が最高だったので忘れないうちに記録。

金曜日から体調を崩していた。熱が38.6度まで上がって、頭痛がひどかった。
土曜と日曜に、倦怠感が残りつつもずいぶん熱も下がっているし、とそれなりに家事や子どもたちの相手をしていたら、月曜日にぶり返した。

少し微熱が出て、倦怠感がものすごかった。体がまるで水分をたっぷり含んだ泥みたいになって、布団に張り付いているみたいだった。
起き上がろうにも、布団から身体を引きはがすことができない。
頭も痛いし、身体は重いし、子どもたちは元気いっぱいだし、夫はもちろん仕事だし、でいよいよ泣きたかった。いや、泣いていた。
元気だったころが遠い昔にさえ思えて、大げさだと笑われるかもしれないけれど、「もう戻れないのね…」みたいな絶望的な気持ちにさえなった。

*

そんな、月曜日を経た、火曜の朝、目覚めは悪くなかった。
もしかして元気になったのかしら、と思いながらも、油断してはいけない。時期も時期だから、万全をみるまでは安心しない。

朝食の支度は夫にお任せした。
今日は低出力で活動する、と宣言して、夫に協力を要請した。
日曜日、病み上がりの妻を尻目に、健やかな長い長いお昼寝をした夫に、私は高い肉(たくさん)と高いビール(たくさん)、を提供したスーパー女神なのだ。快諾をもぎとる。

夫が卵サンドウィッチやサラダを用意してくれた。
「紅茶が飲みたいなぁ」「ミルクティがいいなぁ」と独りごちれば、あったかい紅茶が差し出され、そして、そこに牛乳が注がれる日。女神だから。

朝食を食べ終えてみんなでテレビを眺めていたら、荷物が届いた。
母からだった。母と姉がつくった大量の冷凍餃子とアイスなど。
たぶん、私の不調を姉から聞きつけて、急いでパッキングしてくれたんだろう。パピコも入ってたので、さっそく食べた。うれしい。

アイスを食べたら、長女の宿題タイム。
その間に夫はひな人形のひな壇をかたす。
ひかないで。いまだにひな壇が残ってた我が家。兜を飾るためにいよいよしまった。兜も滑り込み。ひかないで。
「早くパパと遊びたい!!」と、つぶやきながら宿題をする長女がかわいかった。

兜を飾り終えたら、みんなでお庭へ。
子どもたちはパパとやる缶蹴りにはまっている。みんなで右足を突き出して、「おにきめおにきめおにじゃないよ」という歌に合わせて、つま先をツンツン指してく。
歌の最後に指をさされていた人が鬼ということらしい。初めて聴いた。

一回だけ一緒にやって、休憩。
子どもたちはそのあと夫とお散歩に行っていた。

お昼ごはんにスーパーのお弁当を買ってきたら、義母がふらりとやってきて、子どもの日のケーキとKFCのチキンを置いて行ってくれた。
片道一時間以上かかるのに、「こんなときだから、上がらずに置いて帰るね~!」と、笑顔で去って行った。まぶしい。
義母は私のパワースポットなので、気力がめきめきと回復する。

お昼ごはんのときに、末っ子と息子がふざけて全然食べないのだけど、末っ子が息子に抱きついて「だいすき~!!」と言っていて、あまりの美しすぎる光景に叱れなかった。尊かわいい(とうとかわいい)。


*

末っ子が眠そうだったのでお昼寝をさせて、私も少しだけ寝た。
その間に長女と息子は網を片手に、また、散歩に行っていた。
目を覚ますと、亀。
ミドリガメを飼うことになったらしい。まじかよ。
「保護した!」とのことだった。ううううん。
畑仕事をしていた近所のおじいちゃんに、スナップエンドウと玉ねぎももらってきた。玉ねぎが丸々太っていておいしそう。早く食べたい。

庭で遊ぶ子どもたちがおもしろくてずっと見ていられる。
とくに長女はやることがいちいちユニークで、今日はクローバーにチョークの粉を色とりどりまぶしたものを作っていた。
「サラダ」だって。食べる直前に白いチョークを削りながらふりかけるそう。それは「チーズ」だって。

あと、湿布をふやかした白いナマコみたいなものをかわいがっていた。「ぷにちゃん」という名前らしい。

いつの間にか部屋に引っ込んだ息子は、iPadでポケモンGOに興じていた。末っ子はまだ寝ていた。夫は芝を刈っていた。

この時、漠然と、「ああ、こういう暮らしがしたかったんだよなぁ」と、降るように思った。
今までの休日と同じようで、ぜんぜん違う。
選択肢がうんと少なくて、関わり合う人もうんと少ない。私と子どもたちに関しては、ほとんど家族だけだ。
手のひらほどの選択肢の中で、楽しいことだけを選び取って暮らしている。楽しいことを選ぶのが今の私たちの仕事、みたいなところがあるから、楽しいことをすることになんの後ろめたさもない。上手に楽しめていたら、達成感さえ感じる。楽しむことが難しいと、楽しむだけで、達成感が得られてしまうみたい。

*

お風呂からあがった末っ子と息子が、昼間干していたお布団で遊び転げていた。
息子がルールを決めて、なにやらゲームみたいなことをやっていた。よく分からなかったけれど、ふたりともすごく楽しそうでただひたすら微笑ましい。

夕飯は、今井真美さんのレシピでつくったベーコンをチャーハンにしたら夫が何度も「ベーコンすごい…!!」と、感激していた。


あとは、実家から届いた餃子と、野菜スープ、切ったキュウリ。低出力のメニュー。
実家の餃子は、今は亡きおばあちゃんが戦時中に満州で覚えてきた、皮から作る水餃子。私にとって餃子ってやっぱり小さいときから親しんできたこれだ。
皮が薄い、いわゆる普通の焼き餃子を知ったのは、小学校高学年くらいだったと思う。

久しぶりに食べる、皮がもちもちの餃子、とってもおいしかった。

食後、子どもたちはまた、お布団で今度は長女も混じえてころころ遊んでいた。みんなにこにこでうれしい。


心身ともに回復の日。
前日のかなしい気持ちがうそみたい。



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