歳を重ねること

美しくなること。

可愛くなっていくこと。

年を重ねること。

全て同じではない。

歳を重ねるごとに男性も女性も老化する。

僕は老化を悪いことや悲しいことだと思わない。

子供は成長を楽しみ、大人は劣化を味わう。

これが僕の考え方。

劣化と聞いてイメージが悪い人は多い。

僕からすればヴィンテージの高級な品物や建物、楽器を想像するのでとても趣深くて味があって、淡くてどこか切なくて芸術的だと感じる

目尻の皺も、口元のほうれい線も、たるんだ二の腕も、だらしくなったお尻も。

可愛いと思う。

正式な発表をしてないが妻とは離婚している。

離婚届を書いて、提出せずに契約を交わした

＂離婚している状態と同じ環境とし、男女関係については自由。一切の干渉をしない。＂

そして子どもの未来を2人で守ることを約束した。

妻は恋愛をしていい。僕も、もちろん恋をしていい。

週に数回別居する前の家に行く。

家族の時間を過ごすことはごく普通のことだ

少しずつ変わっていく家の家具。

そして妻の容姿もどんどん変わっていく。

ちょっと出ている前歯も歯列矯正で直すらしい。

今日は口紅が真っ赤で眉毛を太くかいていた。

化粧変えたん？と聞くと『分かる？』と嬉しそうだった

風呂上がりに見たことのない保湿の機械を使って高そうなクリームを塗り込んでいる。

今までの結婚生活は僕に可愛いと思われる為に全てを尽くしていた。と思う。

残りの2年は不倫相手の男性のために可愛くなろうとしていたんだなぁと思うとズキッと骨が軋む

とても可愛かった。