見出し画像

仕事における「細かい」の意味

雑な仕事は救い難い(雑用ではない)。

昨今、丁寧さを求めると、陰口の嵐が吹き荒ぶ(ほぼ妄想か)。
管理職のくせに細かい。
男のくせに細かい。
そこまでやる必要があるのか。
もっと大局を見ろ。
キリがないのでここまでにする。

丁寧を尽くすことは、
もちろん、
趣味の領域の話ではない。
こだわりや美的感覚の充足でもない。
ましてや、偏執狂的性格のなせる技でもない。

仕事は細かいところまで丁寧にするという価値観を考えるとき、いつも思い出す話がある。

昔よく読んでいた「ロッキンオン」という音楽雑誌に、記憶違いでなければ、ヴァンヘイレンのインタビュー記事があった。
おそらく、デビット・リー・ロスの発言だと思うのだが、
ツアーにおける設備・運営の一切に関する契約書は尋常ではないくらいの分厚さにするのだ。
その分厚さの陰に隠れるように、必ずm&m'sのチョコを楽屋に用意させる文言を挿入するらしい。
実に細かく銘柄や量を指定するのだそうだ。

これは何も、
ロックスターのわがまま放題を端的に表すエピソードなのではなく、チョコレートに対する偏愛の吐露とも違う。

そうではなく、業者の仕事の完璧さや丁寧さの指標であると言うのだ。

たかが、チョコレートとたかを括り、読み飛ばされてしまい、契約書通りの用意がなされていないのであれば、それは一時が万事に通じてしまい、その他の仕事ぶりもおして知るべしに至ると判断するらしい。
大掛かりなツアーを成功させるためには、細心の注意と行き届いた心配りが不可欠であり、それがライブの安全を担保すると言い切る。
プロフェッショナルの認識がここにある。

あなたが誤ってはならないのは、細かいところこそが全体を判断する場合の重要な指標であるというポイントなのだ。
こんな細かいところまでと口にした瞬間、あなたの仕事におそらく「次」はない。

神は細部に宿っている。

これは、哲学の領域や自然界だけの話ではなく、オフィスの日常茶飯事であるに違いあるまい。

よろしければサポートお願い致します。