母の最期の泣き笑いを思い出したよ
日曜の朝、つけ流していたテレビからタクシードライバー歌人の笑い声が耳に入ってきて、目を画面にやった。
58歳のタクシードライバーと83歳の母。お母さんは認知で、息子の顔がわからない。二人暮らしだ。タクシーの仕事をしながら親の介護。深夜勤もある中で、食事、徘徊、トイレと心配と苦労は尽きない。
ポンコツになってしまった母だけど 笑顔が僕の心を救ふ - タクシードライバー
亡き母の終わりを思い出した。悔いの残る送り方だった。田舎に母をひとり残して、僕は東京在住。母は自分の終わり方を自分で決め、医師と家族にそれを伝え、その通りに逝った。最期は、泣き笑いだった。「笑顔が僕を救ふ」に、僕は亡き母を思い出して泣いた。
タクシードライバーは、お母さんと一緒の時、よく笑った。声を上げて笑った。お母さんも笑っている。息子は意識して笑っているんだろうか。苦労も多いだろうにと、考えてしまう。お母さんから笑顔を引き出してお母さんを救い、そして自分を救っているのかもね。
あとで悔やむことのないように、今しかできないことをやってほしい。
ちなみにNHK目撃ニッポンという番組で、昨年2月に放映されたもの。ダイジェスト版もあっよ。
表紙の写真は、母の名が由来する松花江(ハルビン)。松花江、氷上の夕陽と馬車。