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国内のマーケティング業界で初!国際認証制度「B Corporation™️」を取得



こんにちは、広報の和田です。


今回は、皆さまにうれしいご報告がございます。

この度、弊社 パブリックグッドは、

日本国内のマーケティング業界では初となる、展開する事業活動やサプライチェーンの公益性、透明性の高い企業が取得できる国際的な企業認証制度「B Corporation™️」を取得いたしました。

※リリース情報《パブリックグッド、国内のマーケティング業界では初となる国際的な企業認証制度「B Corporation™️」を取得》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000115934.html

※「B Corporation™️」とは、 こちら (英語版)をご参照ください


今回は、認証取得記念の特別企画といたしまして、

「B Corporation™️」取得の発起人である弊社代表の菅原にインタビューを実施いたしました。




実は、「B Corporation™️」の取得は、菅原とごく一部の社員が携わっていた社内プログラムでした。そこで、「B Corporation™️」(以下、B Corp認証)の取得理由や事業への生かし方、取得までの道のり、苦労したことなどを、

詳しく聞きましたので、ぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです!



⇩ ここからインタビュー形式でお届けします ⇩

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和田(以下、和。)
遂に、B Corp認証取得が叶いましたね。取得の過程での苦労やこれからの展望などお聞きできたらと思います。
いまのお気持ちは率直にいかがですか!

菅原(以下、す)
物事を決めるのが早い僕にしてはそもそも取得に乗り出すかどうかかなり悩み、取得作業にはじっくり時間をかけて取り組んで取得した感覚があるので、大変、、いえ超大変でした、正直。

B Corp取得に向けて動き出した時は、社内の誰にも言わず、完全に独りで進めていましたから。



そうですよね。私自身も半年ほど前に初めてお話聞かせてもらうまで、
B Corpがどんなものかはもちろん、菅原さんがなにをしているのか全くわかりませんでした、、。
具体的に、どうして菅原さんがB Corp認証を取得しようと思ったのかと、その背景を簡単に教えてください。



コロナウイルス感染拡大の影響で、外出制限が実施されたことをきっかけに読んだ本の1つに
『パーパス 「意義化」する経済とその先』というものがあって、そこに書かれていた「B Corp認証」に興味をもったことが発端です。

特に、取得を目指す企業の状況によっては「会社の定款を変えなければならない」くらい、“実効性”を求められる認証であるという点に惹かれたんです。

※『パーパス 「意義化」する経済とその先』 著:岩嵜博論https://amzn.asia/d/bRIFGMR



なるほど。B Corp認証のひとつの大きなテーマには「エコ」や「サステナブル」がありますが、こういったことに関心はあったんですか?


個人で取り組むことと、会社で取り組むことは分けて考えています。
個人では、各々の価値観で、サステナブルに考慮した取り組みはできる限りやった方がいいと思います。その一方で、会社として取り組むことは、自分たちが生業としている領域で専門性を活かして実行したほうが、社会課題解決の貢献度合いが高くなると考えています。
アウトドアブランドが自然環境を保護するように、製造業がCO2排出量削減に取り組むように。そう考えたとき、わたしたちの専門はコミュニケーションです。このコミュニケーションという領域の中でのサステナビリティって何だろうと考えました。

ちなみに、これ系の話題では、たくさんのキーワードが並びますが、わたし自身、最も上位に来る概念は「サステナブル」だと思っています。続けるために、環境も多様性も人権も配慮しましょう、と手段の目的の関係にあるからです。


そうなんですね。B Corp認証といえば、「エコ」や「サステナブル」みのイメージが付きやすいですが、菅原さんの言う「コミュニケーションのサステナビリティ」というのは具体的にどんなことなのでしょうか。


たとえば、B Corp認証を取得するには、「従業員」「顧客」「ガバナンス」「コミュニティ」「環境」という5つのカテゴリーから、200を超える審査項目について、企業全体で実行しているという証拠を提出する必要があります。
つまり、それだけの項目を実行できていないと取得できないということです。そこにひとつの「実効性」が現れていると思います。このように、企業が全て「実行」で統合され、それを適切に情報発信していくことがコミュニケーション活動をサステナブルなものにするのではと考えています。やってもいないことをコミュニケーションするのは、その場しのぎにはいいでしょうけど、いずればれますからね。長くは続きません。


では、パブリックグッドのどのような点が、今回のB Corp認証取得に繋がったと思いますか。


B Corp認証には実効性が必要ですが、そのための取り組みをトップダウンで意思決定ができたというのは大きかったと思います。クリアすべき審査項目が多数あるので、全員にコンセンサスをとりながら進めると、時間がかかるだけでなく、必要な手間も膨大になってしまうからです。


会社全体にかかわる取り組みをトップダウンで行うと、社員からの反発を招くこともあると思いますが、その点はどうでしたか。


先ほども少し触れましたが、B Corp認証の取得は、当初は私自身がひとりで動いていました。少し勉強をすると分かるのですが、B Corp認証の審査項目というのは、サステナビリティに関する様々な英知が結集されて作られています。
つまり、この項目をクリアしていけば、少なくともB Labが想定する「良い会社」になっていくということ自体は明らかだったわけです。当社で考えれば、従業員を巻き込むというより、むしろトップであるわたし自身に、例えば公益性と収益性のどっちを選びますか?という意思決定を課すほうが、実情に即していると考えました。


そういった背景があったのですね。ひとりで進めていく中で、ここは一番苦労したなという点はありましたか。


まず、B Corpはいくつかの言語で申請できるのですが、その中に日本語が入っておらず、全て英語だったので、そこは終始苦労しました。次に、B Corp認証はアメリカで生まれた制度なので、当地の企業文化や価値観に基づいた審査項目が多く、それを日本の企業に置き換えたら、どう解釈・転換すればいいのかという点にも苦労しましたね。

たとえば、ダイバーシティ(多様性)。
B Corpには、アメリカで長く社会問題となっている人種や出自、宗教、経済格差、教育格差等関連する審査項目があるのですが、これをそのまま当てはめて考えても、少なくともいまの日本では有益な議論になりづらい、というテーマがあります。
一方で、アメリカや日本という事情を抜きにして、「多様性」という論点は確かに重要とも思う。そういったケースで、当社に置き換えたらどんなことをできるだろうと考えて実行したのが、「価値観ババ抜き」でした。従業員一人一人に改めて自分の価値観と自分が一緒に働く仲間の価値観を尊重し合うことが、当社の大切にすべき「多様性」だという意図があってのことでした。

※過去に実施した「価値観ババ抜き」については、こちらを参照ください


価値観ババ抜きの様子


確かに、B Corp自体がそもそも日本の制度ではないので、審査項目をどう解釈するかは重要なポイントになりそうですね。
もう一つ、お聞きしたいのが、B Corpが重視する「エコ」や「サステナブル」いった公益性の高い施策を取り入れることで、企業としての利益追求の妨げになることもあると思います。今回の取得を通じて公益性と利益追求両立という点で、難しいと思われた点はありましたか。


PRという業態は、“モノ”を作ったり売ったりしているわけではないので、事業活動の過程で生じる環境負荷が他の業種に比べて少ないため為、それほど苦労はしませんでした。

ただ、社員に負荷がかかったり、影響がでること、例えば、環境ケアに資金を拠出した分、ボーナス減らす、などはやらないともともと決めていました。

実際に自社で取得してみて思うことは、会社の規模というのがひとつ大きなポイントだと感じます。というのも、公表されているB Corp認証取得企業数(6,941社/23年6月23日現在)で、取得企業の総従業員数(613,260人/同)を割ってみると、1社あたりだいたい88人前後になります。実効性が求められる審査項目の多さなどから考えると、従業員数が多ければ多いほど、そのハードルは上がります。実際、回答すべき審査項目は企業規模によって異なりますしね。しかも、B Corpは一度獲れば終わりという認証制度ではなく、3年ごとに更新が必要です。企業規模や業態、バリューチェーンの範囲などによって、苦労するポイントは大きく異なってくるでしょう。


膨大な審査項目でしたもんね。
では、パブリックグッドはB Corp認証を取得したことで、どんなことに取り組んでいきたいとお考えですか。


いくつか課題意識があって、クライアントとクライアントが提供する商品のユーザーの関係がより長く続くためのコミュニケーション、つまりサステナブルなコミュニケーションを実現するパートナーとして当社をご指名いただきと考えています。

いまのマーケティングの主流は、「計測型」です。この潮流に、わたし自身は違和感を覚えます。

計測型マーケティングそのものを否定しているわけではないのですが、全てのマーケティング施策を同一の計算式で計測すること自体には無理があると考えます。計測することが有効な戦術と、別な計算式が必要だったり、そもそも計測自体が適さない戦術があり、適材適所で考えていく必要があるのではないかと思っています。極端に言えば、その企業が想いや理念を持って作った商材の価値を発信することよりも、CPAが最も高い情報発信のほうが優先されることになります。ROIが高かったとしても、その企業の「想い」にそぐわない情報発信でお客様に買っていただいたのであれば、商材とお客様との関係は長くは続きません。そう考えたときに、”理念・事業・コミュニケーションが一貫して中で構築されるお客様との関係が、やはり必要だと思うんですよね。

で、もともと、わたしたちはクライアントが大切にしている想いを、PRという第三者推奨を獲得する戦術によって情報発信することを生業にしてきました。第三者推奨という意味では、パブリシティも認証制度も同じなので、クライアントに取得を提案しようと思ったのが、きっかけでした。そんな考えを、わたしが参加しているB Corp勉強会で話したところ、「クライアントに勧めるなら自社でも持ってないと変ですよね?」とまっとうなご指摘をいただき、「あ、確かに…」と思って、取得に乗り出したんです(笑)。
まあ、確かに代理店はクライアントにいろいろとあれやれこれやれと提案しますが、自社でちゃんとやっているところは少ないので、じゃあ実際に自分たちでやってみて、パブリックグッドそのものが実験台として、一貫した理念・事業・コミュニケーションを体現していることを証明したいと思ったんですよね。

また、弊社がこれまで提供してきた様々なサービス、クライアントとのワークショップや統合報告書の制作なども、この「理念・事業・コミュニケーションを統合する」という考え方に基づいていたのですが、それをB Corp認証取得で、再定義したかったというのもあります。

そういう意味では、取得前と取得後で大きく変わるということはないのかもしれません。これまで以上に、AIにはできない、オートでは測れない、”理念・事業・コミュニケーションの統合”を高品質で提供していきたいと考えています。

他にも、今の段階で考えていることとして、「絵本」の出版や、「貸しスタジオ」の運営や、B Corp 日本支部の発足に向けたお手伝い等でしょうか。この辺りは、詳細が見えてきたらきちんとお話ししますね。

 和
今回の取得をきっかけに様々な場面で、事業活動を広げていきたいですね。認証取得で、パブリックグッドはどんな企業であると認識してもらいたいですか。


まずは、B Corpを取得したことで「エコやサステナビリティ関連のPRに強い会社」とご認識いただき、そういった場面でお声がけいただけるような代理店と思ってもらえると嬉しいです。
ただ、それだけにとどまらず、先ほどお話ししたように、コミュニケーション活動自体をサステナブルなものにしていくサポートを提供している、さらに一歩も二歩も踏み込んだPR会社と認識してもらえたらありがたいと思っています。


では最後に、社内で働く社員にこう思ってもらいたいと期待することはありますか。


規模は小さいけれど、いい会社だなと働いている人たちに思ってもらえたらいいですね。創業当時から、社内体制、環境は、熟考しながらひとつずつ構築してきたので。あと、昨年10月から取締役に中尾が就任しました。わたし自身はどちらかというと「おれはこうしたい」を掲げ、勝手に進んでいくタイプの経営者ですが、彼女は働く人ひとりひとりの個性や特性をとても大切にする経営者です。B Corpが提唱する「多様性」にマッチしていると思いますので、新しい経営体制のもと、ぜひ楽しんでもらえたらと思っています。



今回のB Corp認証取得で、社内外問わず、いい影響がでると良いですよね。
 B Corp認証に対しても、取得をきっかけに更に理解を深めていきたいと思います。
今回は、インタビューにお受けいただきありがとうございました。

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今回のインタビューいかがでしたでしょうか。

B Corp認証取得による新しい取り組みも、
いくつか準備の真っ只中でございますので、改めてこのnoteでもご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

ぜひ次回の更新も、お楽しみに!!



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