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社会基盤を支え、小松市の歴史文化を守りたい〜若手土木技師が語る、地元愛と防災への想い〜

小松市役所の内水対策室で働く橋本さんに、入庁の経緯や業務内容、小松市についてなどお話をお聞きしました。

ー ご経歴について教えてください。

橋本:社会基盤に貢献する仕事に中学生の頃から興味を持ち、石川工業高等専門学校に入学し、都市計画や土木について勉強しました。卒業後、令和5年に小松市役所に入庁しました。

ー 小松市役所に入庁された理由をお聞かせください。

橋本:生まれも育ちも小松市で、愛着があります。自然と触れ合って育ちましたが、異常気象や自然災害の恐ろしさも近くで感じていました。

小松市の社会基盤を支え、地域の方々が安心安全に暮らせるように、そして小松市の歴史文化を守りたいと思うようになりました。それを一番に叶えられるのが小松市役所の職員だと考え、入庁しました。

ー 小松市の試験内容や対策について教えていただけますか。

橋本:一次試験はSPI、二次試験は面接でした。面接では、小松市の良いところや特色をしっかり整理して、自分の言葉で伝えられるようにまとめました。土木の観点からも、小松市での災害なども踏まえ、自分が入庁したらどのように働きたいかを話せるようにしました。

また、有名な土木工事は知っていたため、情報収集をすることでさらに理解を深めました。例えば梯川(かけはしがわ)の分水路工事などについて調べ、小松市でこれまでどういった工事を行っていたか理解するよう努めました。当時は豪雨災害があったので、ニュースなどでどの地域にどれくらいの被害があったかなども調べました。

ー 当初の教育体制について教えてください。

橋本:市役所全体では、マナー研修やシステム研修がありました。土木技師としての研修もあり、積算のシステムや3DCADの使い方など、土木技師として初心者の私でも楽しんで理解できる研修がありました。

また、土木技師として知識や経験が豊富な上司の方々に、熱心に丁寧に指導していただきました。分からないことがあれば上司に相談し、最適な解決策を教えていただきました。

ー 現在所属されている部署と、担当業務を教えていただけますか。

橋本:内水対策室という、水害からまちを守るための対策を行う組織に所属して2年目です。担当業務は、排水路や護岸などの構造物の整備や維持管理です。

整備をする際の流れは、まず設計を行い、図面を描いたり積算をします。その後発注業務を行い、次に入札、工事の業者が決まったら工事の監督員を務めます。工事終了後には検査をし、小松市が引き渡しを受けるという形です。

ー 一連の流れはどれくらいの期間で行われますか。

橋本:工事の規模によって工期は異なりますが、今行っている工事は発注まで約2ヶ月、工期が約3ヶ月、発注から引き渡しまでは計5ヶ月です。

具体的には浸水被害の大きい地域に排水路を敷設する工事で、幅が600ミリ、高さが1000ミリの構造物を道路の脇に敷設します。

ー 内水対策室全体では、どのような業務をされていますか。

橋本:構造物の整備や維持管理に加え、梯川の水害リスクがある期間のための防災行動計画や水防計画の作成をしています。

内水対策室は5人体制で、工事をそれぞれが担当しています。年度末に翌年度の工事一覧と発注時期を上司が提示し、一人一人に割り振ります。そして、発注時期に間に合うように、各自が設計を行います。

ー 現場監督として、現場の人と接する時に意識されていることはありますか。

橋本:発注者としての立場を考え、対等な立場で話せるように意識しています。工事の業者さんは毎回変わるので、コミュニケーションにまだ慣れていない部分もありますが、一貫性を持って接するように意識しています。

ー 市役所内の他の部署と連携をすることはありますか。

橋本:土木関係の案件は一つの課だけで完結できないものが多く、都市計画を行っているまちデザイン課や、上下水道局などと連携しながら工事や業務を進めています。経験豊富な上司に教えてもらいながら、調べてわからないことは質問し、解決しています。

ー 1日の流れの例を教えてください。また、残業はありますか。

橋本:8時20分に出社し、メールを確認します。その後は、日によって流れが異なります。工事現場の視察や各機関とのWeb会議、協議会の打合せを行ったりと様々です。

先月は能登半島地震の影響で小松市も道路の被災など多く、関連業務で残業も増えました。自然災害の大きさに比例して残業も増えます。

ー 職場の雰囲気について教えてください。

橋本:業者さんとの打ち合わせが多く、賑やかです。上司や先輩は集中して仕事をしていますが、質問をしたら優しく教えてくれます。

ー 入庁後は、どのような仕事の流れでしたか。

橋本:入庁後しばらくは勉強期間で、「積算基準書」という国土交通省が出している積算の指針をインプットしていました。初めて工事を持ったのが7月で、9月に入札、1月末に工事が終わりました。工事期間中は監督員を務め、現場の代理人と協議しながら工事を進めました。また、途中からは同時進行で何本かの工事も行っていました。

ー お仕事で印象に残っていることを教えてください。

橋本:初めて担当した工事が完成したときが、一番印象に残っています。道路脇にある既存の300ミリ×300ミリの側溝を改良し、蓋のついた新しい側溝に入れ替える工事でした。規模は小さめの工事でしたが、一生懸命設計しました。

自分が設計した構造物が現実のものとなり、発注者としての自覚が強まりました。土木の知識や経験をつけるために、積算基準書や資料をしっかり読んで、根拠のある設計をしていきたいと思うようになりました。

ー 新しく入ってきた方には、少しずつ仕事を振られるのですね。

橋本:そうですね。いきなり大きな工事を任せるのではなく、小規模な工事から始めて徐々に大きな工事を担当していきます。

私も徐々に大きな工事を任せられるようになり、今年度は約3000万円規模の工事にも挑戦する予定です。不安や緊張もありますが、任せていただいたからにはしっかりと理解して頑張りたいと思っています。

ー 今後やってみたい仕事や分野はありますか。

橋本:ミズベリングプロジェクトという、国土交通省が推進する官民一体のプロジェクトがあるのですが、小松市でも部署横断のチームが発足しまして、そちらで色々なことをやっていきたいです。

梯川の河川空間を利用して市民の方々とイベントを行うようなプロジェクトで、小松市として初めての取り組みができることもあり、とても楽しみです。メンバーの構成も幅広く、内水対策室や特定プロジェクト推進室、未来図書館チームも参加しています。

イベント業者の選定や地域の方や協議会の同意を得る必要があるので、具体的な開始時期は未定です。予算の確保も必要ですので、5年後くらいに形になっていると良いなと考えています。

公務員というと固いイメージがありましたが、新しいプロジェクトにも挑戦でき、非常に貴重な経験をさせていただいています。

ー 橋本さんは小松姫御前もされていたと伺いましたが、始めたきっかけは何ですか。

橋本:母から応募してみたらと言われたのがきっかけです。そして気づいたら母が応募していまして。オーディションに参加し、ご縁があり活動することになりました。

ー どのような活動内容だったのですか?

橋本:小松市の歴史や文化、自然の豊かさ、交通の便の良さなどをPRしていました。イベントでステージで話をしたり、チラシを配ったりしていました。たまに東京でもPR活動をしていました。

小松市の知らなかった文化や歴史を学ぶことができ、多くの発見がありました。また、イベントは土日に開催されることが多かったので、仕事とも両立できました。

ー 橋本さんから見て、小松市はどのようなまちですか。

橋本:小松市は曳山、歌舞伎、九谷焼などの歴史文化の多様性のある町です。イベントや行事に地域の方々が積極的に参加しており、皆でまちを盛り上げようという思いがイベントのたびに感じられています。自然も豊かで、山から海まで楽しめる町です。

私も休日には、小松市の文化に触れるため、祭りに参加しています。また、山や川、海に出かけてリフレッシュしています。

本当に空気が美味しく、綺麗な景色があり、飛行機も新幹線もあって、交通の便もとても良いので、もっと皆さんに知っていただけるまちになればなと思ってます。

ー 小松市の中でも、特に好きな場所はありますか?

橋本:温泉が好きなので、地元のお気に入りの温泉に仕事終わりに行ってリフレッシュするのをすごく楽しみにしています。小松市は日帰りで行けるような温泉がいっぱいあるので、温泉好きにはたまらないですね。

ー 小松市を目指す方へメッセージをお願いします。

橋本:小松市は自然が豊かで素敵な町ですが、その分自然災害のリスクもあります。​​ただ工事を発注したり維持管理だけで完結せず、土砂災害などの防災に対しての意識も頭の片隅にあると、より良いかなと思います。

2024年1月には能登半島地震がありました。小松市内でも道路の陥没や沈下などの被災が多く、復旧工事を行っています。自然災害は避けられないものですが、私たち市役所職員は、市民の安心安全を守るために災害時の行動計画を念頭に置き、適切な対応ができるように備えています。防災意識を持ち、町の良さを理解し、小松市というまちを大事にしていただけたらと思います。

また、先輩や上司が優しく指導してくれるので、楽しんで働いていただけたらと思います。

ー ありがとうございました。

この記事は2024年7月3日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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