足裏の痛み、特に足底腱膜炎に対するインソール治療
足底腱膜炎のメカニズムとインソールの効果:
足底腱膜炎は、足底腱膜(足の裏の靭帯)に過度な負荷がかかることで起こる炎症です。インソールは足のアーチをサポートし、足底腱膜への負荷を軽減します。具体的には、縦アーチを支える「アーチサポート」と、踵の衝撃を吸収する「ヒールカップ」が重要です。これらにより、歩行時の衝撃が分散され、足底腱膜への負担が軽減されます。
実践的な方法:
患者の足型を採取し、カスタムメイドのインソールを作成する
既製品のインソールを使用する場合は、足のアーチの高さに合わせて選択する
インソールの装着感を確認し、必要に応じて調整を行う
注意点:
インソールの高さが急に変わると、新たな痛みを引き起こす可能性があるため、段階的に調整する
患者の症状や活動レベルに応じて、インソールの硬さを選択する
代償動作:
インソール使用初期に、足の外側に体重をかける傾向がある場合は、歩行指導を行う
出典:『理学療法ジャーナル』Vol.54 No.6 (2020) 「足底腱膜炎に対する理学療法の実際」
足底筋膜のストレッチとセルフケア:
インソール治療と並行して、足底筋膜のストレッチも重要です。これにより、足底腱膜の柔軟性が向上し、痛みの軽減につながります。
具体的な方法:
タオルストレッチ:
座った状態で足の下にタオルを置く
タオルの端を足の指でつかみ、膝を伸ばしたまま足を引き寄せる
15-30秒間保持し、3-5回繰り返す
壁押しストレッチ:
壁に向かって立ち、つま先を壁につける
かかとを床につけたまま、ゆっくりと体を前に傾ける
足の裏に伸びを感じる位置で15-30秒間保持し、3-5回繰り返す
注意点:
痛みを感じない範囲で行う
ストレッチ後は、冷却して炎症を抑える
セルフケア:
就寝前や起床直後に、足底をマッサージする
テニスボールやゴルフボールで足底をほぐす
出典:『PTOnline』日本理学療法士協会公式サイト「足底腱膜炎のホームエクササイズ」
足部アライメントの評価とインソール調整:
足部のアライメント異常は、足底腱膜炎の原因となることがあります。適切なインソール治療のためには、詳細な評価が必要です。
評価項目:
静的アライメント:
足部の形態(ハイアーチ、フラットフット)
後足部の肢位(内反、外反)
前足部の肢位(回内、回外)
動的アライメント:
歩行時の足部の動き
ランニング時の接地パターン
インソール調整:
ハイアーチの場合:クッション性を重視し、アーチサポートは控えめに
フラットフットの場合:アーチサポートを強化し、内側縦アーチを形成
後足部内反の場合:外側ウェッジを追加し、内反を制御
後足部外反の場合:内側ウェッジを追加し、外反を制御
注意点:
急激な変化は避け、段階的に調整する
定期的に再評価し、必要に応じてインソールを修正する
代償動作:
アライメント修正により、膝や股関節の動きが変化する可能性があるため、全身的な評価と指導が必要
出典:『理学療法学』第47巻第6号(2020)「足部・足関節障害に対する理学療法 - バイオメカニクスに基づいたアプローチ」
テーピングとインソールの併用:
足底腱膜炎の急性期や、インソールの効果を高めるためにテーピングを併用することがあります。テーピングは即時的な効果があり、インソールとの相乗効果が期待できます。
テーピング方法(低反発テープを使用):
アンカーテープを踵から足首にかけて貼る
足底腱膜に沿って、踵から足の指の付け根まで数本のテープを貼る
アーチを支えるように、足の外側から内側に向けてテープを貼る
全体を覆うように、保護テープを貼る
インソールとの併用:
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