理学療法士×Inclusive Dance💃 ”ダンスの可能性”
自己紹介に続き、前投稿では、ダンスを通じて感じている
”ともに生きる” ということに関して、想いの根源を書かせて頂きました。
なぜダンスに拘るのか。もちろん好きだからという理由は最もですが、
今回は、ダンスの可能性を歴史や学術的視点も含めて書いてみます!
(熱いがゆえに、重めです。笑)
まだまだ私はこの分野の勉強中であり、知りえる限りの、個人の意見であることはご了承下さい。
インクルーシブダンスの歴史
こういった多様な人が、共に表現するというのはコンテンポラリーダンスが主流であり、ヨーロッパで最も歴史のあるダンスカンパニーはロンドンにある1991年設立「candoco dance company」と考えられています。
また、クレア・カニンガムというスコットランドの杖を使う振付師から
学ぶことも非常に多いです。
他にも、いくつかカンパニーがあり、このようなダンスはヨーロッパが発祥と言われています。
また、アメリカでは1987年設立「AXIS dance company」があり、設立年数でいうとAXISの方が長いことにはなります。
AXIS dance companyには、アメリカ留学中に大変お世話になり、
たくさんのことを学ばせて貰ったため、後日改めてまとめたいと思います。
日本にもいくつか、ダンスや表現で多様性を追求する団体はあります。
パラリンピック開会式・閉会式のステージアドバイザーを務められた栗栖さんが理事をされるSLOW LABELさんなど有名ではないでしょうか。
車いすダンスの歴史
”車いすダンス” と定義される競技の世界でいうと、社交ダンスを基盤としており、大きく以下のような歴史があります。
1960年 車いす同士で踊るデュオスタイル
1970年 スタンディングと組むコンビスタイル
1996年 障がい者スポーツとして認定され、翌年パラリンピック種目に決定
日本の車いすダンスで歴史が長い団体は大阪にある
1996年設立「Genesis of entertainment」と考えられ、私も所属しています。
他パラスポーツと違う、ダンスの魅力
世界的パフォーマー サカクラカツミさんと以前、個人的にお話する機会を頂きました。
ダンスの概念は大きく二つに分けられる。
障がいのない人が踊る、人間の身体機能の極限を目指した美しさ、カッコよさ、だけが人を魅了するか。
障がいのある人が同じことができない場合、それは劣っているのか。レベルを落とした振り付けで踊れば良いのか。
もちろん違います。
ダンスに正解はなく、それぞれ個性の感じ方、これまでの経験、その時の感情、指一本、目だけで踊ることができ、人を魅了します。
それぞれの身体だからこそ生み出せる踊りがあり、好きな音楽に合わせて楽しみ、その表現を仲間と一緒に分かち合い、認め合いながら高めることができる
ダンス特有の、大きな魅力だと感じます。
そして、コンテンポラリーダンスや車いすダンスは他者とコネクションを持って踊ることが多いです。
そのためには、どちらかだけが上手くても成り立ちません。
お互いの体、その時の気持ち、エネルギー、力加減を感じ合いながら踊っていくので、自分を知って貰うこと、相手を理解しようとする過程が含まれます。
そうやって関係性を築き一つ一つの表現ができていく、私はこの点もダンスの奥深さや魅力と感じています。
障がいのある人のスポーツ実施割合
障がいのある人が過去一年間に何らかのスポーツをした割合は、令和2年度の47%からすると、1年で大きく増加したようです。
実施頻度は、19歳以下で、週1回以上は約4割。成人で週1回以上が3割。
https://www.mext.go.jp/sports/content/20220609-spt_kensport01-000013088_1.pdf
何が言いたいかと言いますと、実施はされてきていますが、
活動量が身体機能の維持に有効であることを考えると、高くはないですよね。
ダンスの先行研究
大きく括って、障がい者(児)の身体活動を継続するにおいて、参加の障壁や促進要素が次の論文では以下のように書かれています。
参加の障壁
アクセス
経済的問題
時間的問題
選択肢の少なさ
社会の否定的な態度
保護者が定型発達児と比較し、フラストレーションを感じる
障がい者に対する指導者不足
促進要素
楽しさやモチベーションを保つこと
他者からのポジティブな賞賛
講師のスキル
多様性の概念やプログラム
学校で触れる機会がある
アクセスしやすい地域にあること
これらを踏まえ、
10~70代コミュニティ参加型のダンスセッションについての文献では
と言われているものもあり、
ダンスには身体活動を継続する促進要素が多い可能性があるのではないか、と考えています。
また、運動療法の介入手段としても利用されており、
33名のパーキンソン病患者を対象とした文献では以下のように書かれています。
脳性麻痺患者を対象としたダンスやリズム聴覚刺激の介入関して
11本の論文を含むシステマティックレビューでは以下のようにも言われています。
介入方法が統一されていないこと、症例数や研究数が少ないことからエビデンスとしては確立されていませんが、有効性が示唆される論文は見受けられます。
また、コロナ禍でオンラインでのダンス介入も検証されてきており、そのあたりも今後、ダンスは様々な可能性が期待できる面白い分野です。
リサーチを継続し、ダンスを介入として活用する方法も模索していきたいと思っています。
まとめ
非常に長くなってしまいました。笑
インクルーシブダンスや車いすダンスの歴史に軽く触れてから、
ダンス特有の魅力や、ダンスが運動療法として活用されてきている文献を参照して、書かせて頂きました。
ダンスの可能性は幅広く、面白さを感じて貰えましたでしょうか。
私は面白いです。笑
馴染みのない方からは重たい内容だったかもしれませんが、
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回は、少しインクルーシブダンスからは離れますが、この分野に入るまで、どんな思いでダンスと理学療法士(勉強)を両立してきたのか、、、
私個人の話ですが、理学療法士の新しいキャリアという視点で、まとめてみたいと思います。
よろしくお願い致します。
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