Daikumi@理学療法士

運動器認定理学療法士|整形クリニック勤務|整形一筋PT18年目|医科学修士|臨床研究・…

Daikumi@理学療法士

運動器認定理学療法士|整形クリニック勤務|整形一筋PT18年目|医科学修士|臨床研究・医学論文大好き|おもしろい論文紹介をしていきたいと思います|

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三度の飯より学ぶことが大好き。。。

 日々勉強していることを少しでも皆様と共有していけたらなと思っています。  理学療法士は、様々な講習会や参考書、SNSなど勉強するツールは以前よりも増えていますが、誰々が「こう言っていた」ではなく、大切なことは自分の頭の中で知識を整理・整頓することだと思います。医学研究は、理学療法分野においてもここ数年で質および量も多く、EBMが少しずつですが、蓄積されています。邦文よりも特に英文は、日本では、ハードルが高いような内容の研究が行われることもあり、英文抄録を読むことは、最新の知

    • 肩不安定症の肩甲上腕関節コントロールについて!

      1.英文紹介 2.目的  外傷性の肩関節前方不安定症(以下ASI)の肩関節の筋活動パターンの時間的および大きさの特徴を定量化し、コントロール群と比較して運動戦略の違いを明らかにすることを目的とした。 3.対象と方法  被験者は、6ヵ月以上前に外傷性ASIを経験した術前患者19名(平均27.9±7.7歳、男16名、女3名)を対象とした。 →Stanmore分類に基づき全患者がtype1(補足:外傷性でしばしばBankart病変あり、異常な筋活動なし)の損傷であることを

      • 肩甲上腕関節のボール&ソケットの関係。。。

        1.英文紹介 2.目的  肩甲上腕関節の多方向の安定性を測定することならびに高精度レーザーを用いて関節窩の深さを直接測定し、安定性の比との関係を明らかにした。 3.対象と方法  新鮮凍結肩9例(平均66歳、男性5例、女性4例)。変性している肩関節は除外した。棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、上腕二頭筋長頭、関節包、靭帯を含むすべての軟部組織が肩から除去され、骨格のみとした。  肩甲骨を剣状突起を残して切断し、測定装置に固定した(下記図)。 このとき関節面の0時と6

        • とっても大事!肩関節の固有感覚について。。。

          1.英文紹介 2.目的  肩関節不安定症と健常肩の関節位置を自動運動によって再現させて固有感覚を調べることを目的とした。さらに、関節位置覚と上肢挙上角度の相関を評価することである。 3.対象と方法  一側の外傷性肩関節前方不安定症41名(女11名:平均27.1歳、男30名:平均25.0歳)とコントロール群27名(女17名:平均24.0歳、男10名:平均23.6歳)を対象とした。  →不安定症群の取り込み基準: ①少なくとも2回の片側前方肩関節脱臼または亜脱臼の病歴が

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        三度の飯より学ぶことが大好き。。。

          知って納得!腰椎不安定症について!

          1.英文紹介 2.はじめに  椎体不安定性の指標としての画像所見は、骨棘、モディック変化(椎間板:MC)、バキューム現象(VP)などである。しかし、動態X線撮影と椎体不安定性の指標(骨棘、MC、VP)との関係は明らかではない。  本研究では、X線、CT、MRIによって検出された各セグメントの不安定性と変性所見との関係を評価することである。 3.対象と方法  対象者、105人(男性60人、女性45人、平均年齢68.0±12.8歳)、疾患内訳は、腰部脊柱管狭窄症72例(

          知って納得!腰椎不安定症について!

          ストレッチの最新の知見について!   (Meta‐analysis:メタアナ)

          1.英文紹介 2.目的  静的ストレッチング(以下:SS)が筋力やパワーに及ぼす影響に関して、論争も多い。健常成人において、SSが筋力やパワー、柔軟性に及ぼす影響を検討することを目的とした。 3.対象と方法  文献検索は、2022年5月までのPubMed、SPORTDiscus、Web of Science、Cochrane Libraryのデータベースを用いて、2名が独立して行った。検索は、"AND "と "OR"と以下のキーワードの組み合わせで行った (可動域

          ストレッチの最新の知見について!   (Meta‐analysis:メタアナ)

          膝蓋下脂肪体の動態について!

          1.英文紹介 2.はじめに  IPFP(膝蓋下脂肪体)の動態を正確に測定するためには、膝関節の各positionのIPFPの正確な三次元形態(3D)の分析が必要である。しかし、IPFPの真の3D形態を解析した研究は散見されない。先行研究では、MRI状でIPFPの断面積を報告したものやIPFPの断面積を用いて体積を推定したものが散見されるが、これらの先行研究は本当のIPFP体積(3D)を測定しているわけではない。臨床的にIPFPの拘縮は、膝関節の屈曲拘縮を引き起こす可能性

          膝蓋下脂肪体の動態について!

          術後疼痛の推移、点ではなく線で捉える!

          1.英文紹介 2.目的  急性術後疼痛(POP)は、時間の経過とともに消失することが大きな特徴であり、痛みの消失率は臨床的に重要である。しかし、従来のPOPの測定方法は、特定の時間帯におけるPOPの強さを単純に評価する安静時の痛みの測定に重点を置いている。この方法では、痛みの消失率やPOPの持続時間に関する情報は得られない。個々の患者の痛みのスコアを経時的にプロットすると、痛みの消失の単調な傾向、すなわち軌跡が明らかになり(回帰直線)、痛みの強さだけでなく、POPの変化

          術後疼痛の推移、点ではなく線で捉える!

          「神経系モビライゼーション:どのくらい滑る?②」

          1.英文紹介 2.目的  超音波画像を用いて大腿部後面での坐骨神経の縦方向の移動量を検討することを目的とした。 3.対象と方法 ✓健常成人31名(女22名、男9名、平均29±9歳)。 ✓頚椎および膝関節の可動域は、3 SPACE FASTRAK(磁場式三次元動作解析)を用いて測定した。 ✓坐骨神経の伸展性の評価は、大腿後面中央部(臀部と膝窩の中間)で評価した。超音波で短軸で同定し、そのまま長軸像で描出した。その後、超音波画像のフレームごとの相互相関分析を用いて移動距

          「神経系モビライゼーション:どのくらい滑る?②」

          「神経系モビライゼーション:どのくらい滑る?」

          1.英文紹介  2.目的  上肢の関節運動と上肢の位置変化による神経系モビライゼーションを行い、神経の滑りを評価することを目的としている。 3.対象と方法  10体の新鮮cadaver(年齢範囲、35~47歳、男性10例)を用いて、神経系モビライゼーションの肢位を用いて、橈骨神経、正中神経、尺骨神経の縦方向の滑りを観察した。  皮切によって正中神経は、内側上顆の高さで軟部組織を最小限に露出させた。尺骨神経は、内側上顆の近位5cmから遠位2cmまで露出させた。橈骨神経

          「神経系モビライゼーション:どのくらい滑る?」

          「腱板断裂と肩関節挙上について」

          1.英文紹介 2.研究目的 ✓症候性腱板断裂 vs 無症候性腱板断裂 vs 健常者の3群における肩甲骨の動きと肩甲骨周囲筋の筋活動の違いならびに筋弾性率を比較することを目的としている。 3.対象と方法 ✓腱板断裂患者23人と健常者9人が参加し、痛みの程度によって症候性群(13人)と無症候性群(10人)に分けた。肩甲骨上方回旋は、デジタル傾斜計で測定し、肩甲骨周囲筋(僧帽筋上部、肩甲挙筋、菱形筋)の弾性は、超音波を用いて組織弾性を評価した。それぞれの評価項目は、肩甲骨

          「腱板断裂と肩関節挙上について」

          「挙上時の三角筋の貢献度について」

          1.英文紹介 2.「研究目的」 ✓肩関節屈曲および外転運動の筋力に対する三角筋の寄与については、生体内のデータが不足している。 ✓可動域全体における肩関節屈曲・外転筋力に対する三角筋の貢献度を定量化し、信頼性の高いin vivoデータを作ることを目的とした。  3.「対象と方法」 ✓対象者は、18歳から65歳までの男女12名 ✓腋窩神経ブロックにて三角筋をノックアウトする ✓腋窩神経ブロックの前と30分後に、三角筋と棘上筋、棘下筋の針筋電図を計測した。30分後に最

          「挙上時の三角筋の貢献度について」