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「胸椎回旋ができない」というリアルな臨床をどうやって解決するか?

どうもです。

胸椎の回旋ってとても大事です。


教科書的には

・腰椎を固定して
・胸椎の伸展を作って
・胸から回旋するように

です。


はい、あくまでも教科書的です。


実際の臨床はそのように指導しても。

「ん〜回旋している感じがしません」

と言われることがあります。これがリアルです。


教科書的にみんな体を上手く効かせることができたらマンツーマンサービスはなくなるでしょうw


つまり、

教科書や理論は理解しているけど、指導して効果を引き出すということはまるで違う

ということです。


今回はNピラティスのセミナーの一部を切り取って考えていきましょう。


実際のセミナー動画の一部

流れとしては

1:四つ這いによる胸椎の回旋を実施
2:でも胸椎が回旋する感覚がなくて
3:肩甲骨の内側や肩の後ろに効いてしまう
4:結果的に胸椎に効いていない

という問題がありました。

「形としては胸椎回旋ができているように見えるが、運動戦略が間違っているため、純粋な胸椎の回旋ができない」ということです。


おそらくピラティスインストラクターさんや運動指導している人にはかなり多い悩みだと思います。


ではこの問題をどうやって解決していくのがベストでしょうか?


代償的に働いている筋肉・動きを考える


まずポイントは「代償的に働いている筋肉と動きを特定すること」です。

今回の受講者の方の胸椎の回旋の代償は2パターンが複合的に絡んでいます。

1つ目の代償運動

代償の動き:肩甲骨の内転
代償で過剰に使っている筋肉:菱形筋

です。

2つ目の代償運動

代償の動き:肩関節の水平伸展
代償で過剰に使っている筋肉:三角筋後部

で代償しています。


つまり。

「肩関節の伸展と肩甲骨の内転」を抑えて、三角筋後部・菱形筋を使わせないように胸椎の回旋を促すこと=「正解」

になります。

回旋エクササイズを変える

で、僕が実際に選択したエクササイズは。

ピラティスのマーメイドというエクササイズの変法です。(回旋を取り入れています。)

エクササイズはシンプルに

1女の子座りをする
2胸椎を回旋する
3バーを使ってプッシュ(なくてもOK)

です。


押す動作(プッシュ)を選ぶことによって。

回旋が誘導される&三角筋後部や菱形筋を過剰に使用して引き込む動作(プル)にはなりません。

このエクササイズ自体が先ほどのエクササイズの代償運動を全て潰していると考えてみてください。


まとめると

1:代償動作を見極める
2:代償をしている動きと筋肉を特定する
3:この時点で修正するキューを出す(変わらなければ次のステップ)
4:代償しないようなエクササイズ(動きと筋肉)を頭の中で考えて提供

です。

「代償動作の見抜き」は慣れるまで非常に難しいし、頭をフル回転させていく必要があります。

ぜひこのあたりまで運動を分析・評価してエクササイズを提供していきましょう!


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