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筋肉痛ってなんなの?の最新科学

今回のテーマは筋肉痛の科学に関してです。 

トレーニングを始めたての方などは、筋肉痛によって悩まされる人は多いのではないでしょうか? 

スポーツ科学・医学が進歩した今でも、完璧に予防することは困難なことが多いです。そして、その詳しいメカニズムに関しても実は研究にて明らかにされていない部分が多く、様々な説があります。メカニズムを知ることは予防、対策を練る際に非常に役立つため、最新の知見と正しい知識は身に着けておきたい所ですよね。 

今回は、そんな背景から最近のエビデンスにおける傾向について、筋肉痛のメカニズムと、それに基づいた対策についてまとていきます。


筋肉痛は本当に筋肉が原因の痛みなのか?



まずは、メカニズムについてです。その名前から来るように筋肉痛は「筋肉」に原因があると考えらることも多いのではないでしょうか?


筋肉痛のメカニズムについては様々な説がありますが、良く聞くものとしては運動をした後に生成される疲労物質「乳酸」の蓄積です。しかし、この説にはいくつかの矛盾点が指摘されており、メカニズムを説明するためには不十分となっています。




例えば、時間の問題です。乳酸の濃度は運動を辞めた後すぐに運動前の濃度に戻っています。しかし、筋肉痛は運動を辞めた何時間も後にやってきます。さらに、乳酸の濃度と筋肉痛が比例していないとも指摘されています。



さらに、筋肉痛はエキセントリック収縮トレーニングの後に良く起こり、コンセントリック収縮の場合はほとんど起こりません。しかし、実は乳酸の濃度はコンセントリック収縮後の方が多いため矛盾しているというわけです。

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