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オンライン・ラブ

さて、「はじめてのインターネット」ということで我々インターネッツ老人会は意気揚々とキーボードを叩いているのだけれどもこれは切なくも悲しい、そしてノスタルジックな物語である。

気づけばそれはもう10年以上遡り、Amebaブログでブログを更新していた頃の話をしようと思う。

その当時観ていたアニメの感想を連ねるブログを書いていたのだけど、コメント欄に毎回書き込みをしてくれる数人の方々と交流することが密かな楽しみになっていた。

その昔、Facebookが流行する前は当然インターネットに実名で書き込む文化はまだ浸透していなかったため、ハンドルネームで名前を呼び合っていた。

あの頃使っていたハンドルネームを皆さんは覚えてるだろうか?

ハンドルネームで呼ばれることの心地よさや、ハンドルネームで呼ぶことの気軽さは中毒性のあるスナック菓子のようだった。

ちょうど同世代で同じようにアニメの感想などのブログを書いている方とお互いにコメント欄にコメントをしていた記憶が今でも鮮明に残っている。

どこの誰かなのかも分からないけれども、毎週この時間にブログを更新するとまた会える。そんな曖昧なインターネットが今のそれにない魅力だとすら感じる。

今のインターネットは多くのソーシャルに「紐づいている」ためよりダイレクトにコミュニケーションが可能なことが多い。

当時はまだ、Twitterのアカウントも無ければLINEなんて当然あるわけもなくブログを書きコメントを待ち、ブログを読みコメントをするという非常に緩やかなコミュニケーションを楽しんでいた。

「だが、それがいい」

間もなくしてmixiが流行ったけれども、そこでは日記以外にもコミュといった共通の趣味を持つユーザーの交流ができるなどその当時は非常に盛り上がりリアルの友人同士でマイミク(死語)になり更新を楽しんでいた。

しかしあれだ、今思うと恥ずかしいことを書いていたので今思い出すと恥ずかしい(小泉構文)

Amebaの後mixiに移行しFacebookの時代がきてそちらに移行した。当時の僕にしては勇気を持って尋ねたのだけども、Amebaで仲の良かった一人にAmebaを辞めるのでFacebookのアカウントを教えて欲しいと伝えたことがある。

オンラインの世界がほんのちょっとリアルに近づいた瞬間だと思う。

そんな彼女が苗字を変え、微笑ましい更新をしたのが数年前。

インターネット上で繰り広げられたあの日々は幻でもなんでもなく、リアルであり彼女は僕の知らないどこかで誰かと今日も幸せに暮らしている。

それが、はじめてでさいごのオンライン・ラブ


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