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心のブロックは外してはいけない

心理的なブロックが働くことによって、私たちは挑戦の機会を失い、自信を持てず、満足できる人生を歩むことが難しくなります。

例えばお金に対する抵抗や、新しい自分に踏み出すことへの恐怖、人と繋がることへの大きな不安などがあると思います。あるいはもっと深い部分でのブロックもあります。

それらのブロックが外れることで、私たちは自己理解が進み、より自分らしく生きることができるようになります。

しかし、私からすると、ブロックだからといって外してしまうのはもったいないと思うのです。
あとは、ブロック=外すべきものというふうに足速に捉えるのも、一旦待ってもらいたいとも思っています。

理由を説明します。

1 防衛には意味がある

ブロックとは自己防衛の一種です。それが妥当であるかどうかはおいておいて、その人からすれば、何かから身を守るためにそうしたブロックを作っているわけです。

ブロックを外すということは、防衛していたものの価値を手放すことです。

どういうことかと言いますと、傘を差さないということは雨に濡れることですし、それは、これまで濡れては困ると考えていた体の価値を考え直したということです。

テーブルにかけていたカバーを外すということは、今後テーブルに傷がつく可能性が出てきますし、同時にそれは「もう傷がついてもいいや」ということにもなりますね。

濡れたり、傷がついたりするものが外面的なものであれば、あまり問題になることもないのでしょうが、これが心となると、話は変わってきます。

こころが十分に育っていないうちにその守りをとってしまうと、どうなるでしょうか。

もしかしたらそれは、生まれる前の卵の殻を割ってしまうことにもなりかねません。

それは怖いことです。

このように取り返しのつかないことにはならないまでも、その心理的ブロックは外してよかったのかと、ちょっと考えるものがあります。

特に心理的なブロックの背後には、デリケートな問題があるものです。なので私の面談では、確かに殻がその人のらしさや自由を妨げているとしても、中のヒナが十分に育つまで、じっくりと時間をかけています。

そのほうが、長い目で見てうまくいくものです。

急ぎすぎてその時はなんとなく気持ちがスッキリしても、すぐにまた前のパターンに戻ってしまうことは、よくあります。


2 病気は大事なメッセージを持っている

ブロックを外すことは、手術に例えることもできます。

例えば腸に腫瘍があるとして、それをいきなり切除することが正解であることもあるでしょう。

しかしその前に一旦、「これは本当に切除が必要なのか、切除せずに解決する手段はないのか」は必ず検討されることです。

このステップがセラピーにおいては見落とされがちです。

西洋的な考え方で、トラウマがあれば切除、ネガティブマインドがあればリリース、停滞があれば流す・・・こうなりがちです。

理想は切らない方がいいし、切ることにはかなりのストレスがかかります。

それよりも本当であれば、切らずに徐々に消えていくのを待った方が良いケースもあると思います。こうした優しい医学が今ではだいぶ広まっています。

心理的なアプローチにしても同じで、私の場合は、ネガティブで明らかにその人を苦しめている感情であっても、その病的症状が発しているサインをクライエントさんと読み取ることを優先します。

病気だって同じだと思います。病気は私たちに何かを教えてくれるサインです。

その声によく耳を傾けていくことが、たとえ完治しなかったとしても、その人を人間として一掃豊かな存在にするものです。これは、がんなどの不治の病にかかって緩和ケアを受ける例によく見られることです。

特に心理的な不調に対しては、物理的に切り取ったり剥がしたりするよりも繊細なアプローチが必要です。

3 急な変化や成功、充実を求めないこと

自分らしく生きるセラピーがはやっていますが、上記の観点から、私はちょっと違和感を覚える部分があります。
確かに自分らしく生きることは素晴らしく理想的なことですが、そこばかり追い求めて、今の地点にいる自分とその感情にしっかりと目を向けていかなければ、自分という存在が置いてけぼりになってしまいます。

臆病だったり、怒りっぽかったり、すぐ落ち込んだり…そういった自分をまずは認めて、同じ目線に立って対話し、受け入れる

この態度を自分に持つことが、遠回りのようで近道になります。

千里の道も一歩からと言いますし、一歩は自分のいちばん手前から始まるものだからです。

それが、高い理想や目標ばかりを考えていてはどうでしょう。
頭の中では進んでいるように見えても、実際の体は動かないと思います。
ひいては、それが考えていても動けないことの原因でもあります。


まとめ

いかがだったでしょうか。
ブロックとは外すべきものではなく、実はリアルな自分自身の声なのです。まずは自分自身の声をしっかりと聞いて、そこで得られたヒントをもとに、一歩ずつ前に進んでいくほうが、確かで、本当のことのように思えます。

人は変われます。
変われますが、それはドラマチックなことでも、ノウハウが必要なことでもありません。

ただ、今の自分の声を聞く。

逆にこんなシンプルなことだからこそ、私たちはそれを見失いがちなのだと思います。

ご自身の声を聞くお手伝いであれば、喜んでさせていただきます。
気になった方は、ぜひご連絡ください。


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