遊び心を持って毎日を過ごす~マインドフルネス・オンライン・リトリート感想①~
9月12日(土)~16日(水)まで、現在参加しているマインドフルネスのトレーニングコースのリトリートだった。毎年、実際にアメリカで集まって行われるリトリートだが、今年はコロナのため、オンラインに。
とにかく、全てが終わった今は、「このコースに参加できて本当によかった!」という感動と、「これはリアルなんだろうか…」という混乱と、「これから(英語の課題の面で)やっていけるだろうか」という不安と、とにかくいろいろな感情が入り混じっている。忘れないうちに、この五日間で印象に残ったことをまとめておきたい。
①先生たちの作り出す「温かくて親密な」空間
何よりも印象に残ったのは、先生たちの空気感だった。私は、参加前も参加中も今も、とにかく、自分の英語力の自信のなさで緊張と不安でいっぱいだったのだが、先生たちの器の大きさと、誠実さ・正直さと、一人一人に向けられる温かい視線と言葉とがオンライン上でもバシバシ伝わってきて、それにとても救われた(何度も泣いた笑)。今回は、アメリカ以外、7か国からの参加者が集まっている。だからこそ、みんなが「安心感」を持てる空間を作ることが大事なのだと思うのだが、そこに対する先生たちのエネルギーと努力がひしひしと伝わってきた。マインドフルネスでは、よく、講師の温かい態度や慈悲深さを通して、参加者がそれらを学習する、と言われている。まさに、それを体感した時間だった。
朝2時間、夜2時間、という短い時間しかみんなで集まらないのだが、一回一回が大事な時間となったし、自分でもびっくりするくらい、このコミュニティー(Sanga)への所属感と安心感が強くなった。
そして、リトリート後、すぐにコースディレクターが「言語の面で心配があったと思うけど、大丈夫だった?」とメールで聞いてくれた。参加者は40人弱いるのに、こうやって一人一人を大切にしてくれているのが伝わってくるのが、とても嬉しく、信じがたく、ありがたい。
②瞑想中も遊び心を持つ
瞑想中に、いきなりギターの音楽が聞こえてきたこともあった。講師の一人が弾き語りをしてくれていた。みんな、笑っていて、音楽のって体を動かす人もいたり。みんなでキャンプファイヤーを囲んで先生のギターを聞いているような感覚になった。瞑想の中にも「遊び心」を持たせてくれたことは、私にとってはとても大きな発見だった。
この遊び心を持つこと(Playful)、というのは、瞑想のレクチャーでも何度も言われた。よく、瞑想をするとき、「~でなければならない」という考えに縛られて、身体を痛めたり、辛い時間を過ごしたりすることがある。でも瞑想は自分のための時間。辛いことを課すためのものではない。呼吸に注目するときも、遊び心を持って、呼吸で色々と試すのもいい、と。深い呼吸をしてみたり、浅い呼吸をしてみたり。
これから、毎日生活していく中でも、遊び心を忘れずに過ごすこと。それが、今回の5日間で得た大きな学びだった。私は色々まじめになりすぎてしまうところがあって、すぐに「~できなかったらどうしよう!」と焦ってしまう。今回のトレーニング(これから9カ月続く)も、「ちゃんとできなかったらどうしよう…」と不安で焦りを感じるが、自分がこれから豊かに生きていくために取り組むものなはずなので、遊び心を忘れず、楽しみたい。
③抱える空間(holding environment)を作る
瞑想をする際に、自分の中に「抱える環境(holding environment)」を作ることについて何度も話があった。ホールディングとは、ウィニコットが提唱した概念。瞑想をするときは、様々な感情が自分の中に訪れる。どんな感情でも、それらを迎えてあげるために、自分の中に抱える環境を整えておくことが大事、と。
まずは、身体の状態から。何よりも、私たち人間のコンテイナーは身体自体。瞑想前に、身体の緊張を落とすようにする。ストレッチをしたり、身体を揺さぶったり。筋弛緩法のようなことをしたり。
そして、心の状態。何か自分を支えてくれるイメージ(できれば温かい気持ちになるような人、もの等)を持ってくる。傍にそれをおいておくのもいい。それから、自分に、気さくに「調子はどう?(Hey buddy, how's it going?)」と聞いてみる。こうしたフレンドリーさも大事。最後に、②に書いた遊び心を持つこと。好奇心を持って、色々な体験に触れること。
できれば、常に、日常生活の中で、緊張を感じたとき、ストレスを感じたとき、そのたびにグランディングをしたり、身体から緊張を落とすような動きをしたり、というのをまめに意識するといい。
心理療法の中でも、このHolding environmentはとても重要だ。患者さんが、不快な気持ちと対峙するために、セラピストは抱える環境を作る。それと同じように、瞑想でも、自分のために抱える環境を作るのだ。
抱える環境ができたら、次は、徐々に感覚にオープンになっていく。でもすぐに不快な感情にまっすぐ行くのではない。徐々に、というところがポイント。そして、不快な感情を招き入れてみる。それを抱える。圧倒されそうになったら、その前に、呼吸やグラウンディングに戻る。そして、落ち着いたら、また不快な感情を招き入れる。これを繰り返す。
もし、圧倒されてしまったら、その場に立って、自分の身体の重さ、足の裏の感覚を感じる。または横になって、重さを感じ、地面に支えられている感覚を確かめるのも良い。音に意識を広げるのもいいかもしれない。周りの音が、私たちをHoldingしてくれる。
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