見出し画像

心的外傷後ストレス障害(post traumatic stress disorder)

○PTSD

 生命を脅かすほどの強い恐怖と無力感を経験し、その経験によって様々な身体的・精神的な症状が現れること。
 PTSDが注目されたきっかけは、ベトナム戦争。
 日本では、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件がきっかけである。
 PTSDの患者は自分だけが助かり、他の人を助けられなかったことに対する強い罪悪感をもっている場合もある。
 症状の持続期間が1ヶ月を超えるとPTSDと呼ばれ、最低2日間~最大4週間の場合は、急性ストレス障害(acute stress disorder)と呼ばれる。

○アウトリーチ(outreach)

 臨床心理士が被災地などに直接出向き、積極的にかかわっていくこと。PTSDの早期発見と介入が可能になった。

PTSDの症状

(1)再体験症状(re-experiencing)

 心的外傷体験が自らの意志とは無関係に突然かつ鮮明に想起されたり、夢に見たりすること。
 フラッシュバック。

(2)回避症状(avoidance)

 心的外傷体験に関係する思考や感情、場所や人物を避けて、心的外傷から目を背けること。
 周囲への関心が薄くなり、肯定的感情が少なくなる。

(3)過覚醒状態(hyperarousal)

 緊張による睡眠困難、怒りを爆発させたり、集中が困難になったりする。

PTSDの援助

 どんな症状が予期されるか患者自身が知り、改善への期待を育成する(心理教育)。

○EMDR (eye movement desensitization of reprocessing)

 眼球運動による脱感作法。
 心的外傷体験を想起しながら、治療者の指の運動を目で追うことで弛緩状態を作り出す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?