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認知行動療法(cognitive-behavioral therapy)

○認知行動療法

 認知を変容させることで行動を修正し、心理的問題を解決していこうとする認知療法と行動療法を統合した療法。
 意識の存在を軽視する行動療法に対する批判から、人間の意識的な認知作用を再び重要視する流れのもと生まれた。

○認知療法(cognitive therapy)

 ベック(Beck、A.T.)がうつ病患者に特有の思考様式があることに注目して、その認知の変容を目指す療法。
 特に瞬間的に頭をよぎる否定的自動思考をクライエント自身が気づき、 適切な思考に修正できるよう働きかける。
 うつ病患者は、①自己に対する②周囲に対する③将来に対する否定的な見方をしがちである。

○論理情動療法(rational - emotive therapy)

 エリス(Ellis, A.) によるある出来事(A)に直面すると、不合理な信念(B)となって固まり、否定的な感情や悩みといった結果(C)が生じるため、その不合理な信念(B)に反論(D)し、目標達成に向けた行動がとれるよう元気づけ(E)していく療法。

○モデリング療法(modeling therapy)

 バンデューラ (Bandura、A.)による「見ることによって学ぶ」社会的学習である観察学習理論に基づく療法。
 適切な行動をとる他者の観察を通じて認知と行動の変容を促す。

○ソーシャルスキルトレーニング (social skill training; SST)

 対人不適応を改善するための対人認知と対人行動の変容を促すプログラム。
 主張性スキル(assertive skills)、社会的問題解決スキル(social problem solving skill)、 友情形成スキル(friendship making skills)などがある。
①教示
 学習すべきスキルを特定した上で、スキルの概念やSSTの意義を説明。
② モデリング
 望ましいモデルの提示
③行動リハーサル
 スキルを練習
④フィードバック
 適切な行動を強化、修正
⑤般化
 習得したスキルが現実場面で実践できるか

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