厄年を乗り越えろ 浜松の神社巡り 前編 遠江国一宮 小國神社 縁結びの神 大國主命
今回の神社巡りの舞台は静岡県浜松市。
静岡県は頻繁に遊びに来ているのだが、浜松は初めて訪れる。
7時に遠江国一宮 小國神社に到着。
朝方まで雨が降っていたようで、霧が残っており神秘的な雰囲気が漂う。
私は境内社も全て参拝にあがらせていただく。
鳥居をくぐって左側、飯王子社。
御祭神は保食神。
食物の神であり、口から様々な食べ物を生み出すとされている。
保食神はこの口から食べ物を生み出すという力のせいで、非業の死を遂げている。
保食神の元を訪れた月夜見尊をもてなした際、口から食べ物を吐き出している生み出しているのを見ていた月夜見尊は「吐き出したものを出すとは何事だ」と切り殺してしまう。
その屍からは穀物や豆、牛馬等、様々な食べ物の元となるものが生み出されていた。
古事記では大宜都比売神と須佐之男命との逸話として同じような話があることから、同一神であるという説もある。
更に「ウケ」「ウカ」は食物を表す言葉として、穀物、豊穣の神の稲荷神社に祀られる宇迦之御魂神、伊勢の外宮に祀られる豊受大神とも同一視される説も存在する。
要は一社目から凄い神様が祀られているのだ。
このようなことから、私が大きくはない御社で鎮座される境内社や摂社、末社も全て参拝させていただく理由がここにある。
他の参拝者を見ていると、全ての境内社を素通りして本殿でのみ参拝されている。
否定でも非難でもないが、せっかく来られたのに勿体ないなと感じてしまうわけだ。
お次は鉾執社。
こちらは小國神社の発展や御神徳を世に広めるために御尽力された社家四十一家の祖先への感謝と共にお祀りしているとのこと。
それにしても、とても素晴らしい時期に訪れることが出来た。
雨上がりの濡れた紅葉も美しい。
大きな池の中央に鎮座される宗像社。
御祭神はもちろん宗像三女神。
田心姫命
湍津姫命
市杵島姫命
天照大御神と須佐之男命が誓約を行った際、天照大御神が須佐之男命の剣をボリボリと噛み砕き、吐き出して生まれた神様。
言わば天照大御神と須佐之男命の娘だ。
福岡県の宗像大社が総本社で全国各地にお祀りされているわけだが、なかなかお祀りされている神社に出会える機会が少ない神様だ。
あらゆる道を司る神として海上、交通安全を願う人々から信仰される。
市杵島姫命と弁財天は神仏習合の時代に、同一とされていたという説もある。
市杵島姫命は絶世の美女であったとされることから、芸事に対しての御神徳を持つとされる。
弁財天は財運、金運。
琵琶を弾く御姿から、芸能に御利益があるとされる。
更に一説だが、こちらの三女神は一人の女神であったという説もある。
まだまだ境内社が続きます。
八王子社。
御祭神は国狭槌命。
七代目を伊邪那岐、伊邪那美とする、神世七代の神様。
国土の守護神であり、極めて高い災難避けの御神徳をお持ちとのこと。
こちらの御社はとても古くから鎮座されているのか、社を覆う覆屋内に建てられていた。
全国一宮等合殿社。
五十四社の神々をお祀りする御社。
遠くからの画像の為判別が出来ないが、御扉の上に掲げられた神額は圧巻だ。
是非実際にご覧いただきたい。
そしていよいよ御本殿。
御祭神
大己貴命。
別名大國主命。
言わずと知れた出雲大社に祀られる神様だ。
大黒天とも同一視されていると言われる。
代表的な御神徳は良縁祈願とされているが諸願成就の神なのだ。
諸願成就とは。
ここで少し解釈を広げてみよう。
兄達と絶世の美女とされる八上比売との結婚競争の際に出会うのが因幡の白兎。
性悪な兄達に嫌がらせをされていた因幡の白兎を助けると、兎に「八上比売はあなたを選びます」と言われ、本当に八上比売は大國主命を選び結婚。
大國主命の妻はわかっているだけでも六柱。
子供は180柱とも伝わる。
国譲りの神話で有名な事代主神と建御名方神は息子だ。
事代主神は恵比寿様とも同一視される神様。
何故、大國主命の御神徳が良縁祈願とされているのか、わずか一部の情報を挙げたわけだが見えてこないだろうか。
嫌がらせを受けて兄達の荷物を持たされ、大きな袋を背負っていた為一人出遅れてしまう。
だからこそ因幡の白兎と出会うことが出来た。
そして八上比売とも出会う。
それから多くの女性と出会うわけだ。
そして180柱もの子供をもうける。
これ全てご縁だと思われる。
他にもエピソードはあるが、挙げればキリが無い程のご縁のお話。
事代主神や建御名方神のような優秀な息子を育て上げたとして子育て祈願、
180柱もの子供をもうけていることで子授け祈願もよろしいかと思われる。
加えて夫婦和合と夫婦円満。
ちなみに夫婦和合という祈願があるのだが、夫婦円満とは少々意味合いが異なる。
夫婦円満は文字通り、イメージ通りの夫婦仲良くといったところだ。
夫婦和合は肉体的要素が入ってくる。
要はレスになっている夫婦や、愛情が薄れかけてしまっている夫婦、子育てが終わり以前のような関係を願う夫婦、妊活中の夫婦等々・・・。
なかなか書き難い内容ではあるが、おわかりいただけただろうか。
そして大國主命は兄達に二度も殺されているが、二度復活していることから挫折から立ち上がる力と逆境を跳ね除ける力も読み取ることが出来る。
須佐之男命の娘、須勢理毘売命と結婚する際には様々な厳しい試練を二人で乗り越えている。
難関な受験や就職、人生における困難に直面されている方も祈願されても良いと思われる。
諸願成就。
どのような神様なのか。
両親、子供はどのような神様か。
これだけでも理解して参拝いただくだけでも、見えてくる景色も願う気持ちも変わってくるのではないだろうか。
その為その神社に祀られる御祭神を知ることが大切なのだと考える。
小國神社の末社が本殿から少々離れた場所にある。
御本殿から境内東側を流れる一宮川左岸を約750m歩くと白山社。
御祭神は山の神である菊理媛神。
そして紅葉が美しい一宮川を渡る。
右岸をわずかに歩くと、滝宮社。
御祭神は須佐之男命。
大國主命の義父が祀られている。
上記二社だが、雨の日や、その次の日には足に自信が無い方はご注意いただきたい。
特に滝宮社は小高い丘を登るわけだが、足元が悪いと危険が伴う。
もし行かれる際は、汚れても良い服と靴で、十分ご注意の上ご参拝下さい。
遠江国一宮。
是非早朝の参拝をおすすめしたい。
澄み切った空気。
木々の間から昇る陽の光が、本殿を照らす幻想的な光景をご自身の目でご覧いただきたいところだ。
今回の記事がこれから参拝にあがられる方の参考になりましたら、これほど嬉しいことはありません。
次回は秋葉山本宮 秋葉神社 上社 下社について書いていこうと思います。
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