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息、吐きすぎではありませんか?説

何でも疑問に思ったら
とりあえず「説」(仮説)として
考え始めると案外検証作業ができて面白いです

エクササイズ、運動をやるときは
必ずと言って良いほど「呼吸の仕方」を習います
その運動、強度、パフォーマンスに有効とされる
呼吸法を用いることがあります

ピラティスでも元々の呼吸法はどちらかというと
解剖学的な視点ではなく、
哲学、修行、ヨガ要素が含まれていたように感じます
解剖学的に語り出すとこれがまた
複雑になることが結構あります

「意識しすぎ」
「過剰に呼吸をやりがち」
「吸えない、吐けない」
「正しくできてない?」
「正解ってあるのか?」などなど

確かに解剖学的(生理学的)な呼吸を知って
それらをエクササイズに導入することは
間違っていないんですが。
そもそも、だいぶ人生歩んできて
呼吸そのものを直せと言われてもですね
ピラティス習うと
1回は「はい??」ってなった経験ありませんか?

教える側もちょっと色んな事を
見直してみようかとこんな感じにまとめてみました


解剖学(生理学)的なおさらい

通常の呼吸で起こる動き方について
各種教材等で解説されていますのでここはサクッと

吸気と呼気で動く関節と使う筋

安静時の呼吸では
吸気では横隔膜が下がってくれることで胸郭内は
陰圧になるので、胸郭が前後、左右へ、そして上方へ
広がります。吸気には肋間を含めた呼吸筋が収縮します

呼気では、横隔膜が自然に元の位置に戻ることで
胸郭が下がり、閉じていきます。
このときに筋はリラックスするので肋間や
横隔膜(特に横隔膜脚)の収縮はありません

横隔膜の脚は腰椎1-3(一部T12)に交差して付着します

一方、何らかの問題を持っている方の場合、
吸気でも呼気でも使わなくて良い呼吸筋を用いて
呼吸する(努力呼吸)になっていきます
つまり、胸鎖乳突筋、内・外肋間筋、横隔膜(脚)、
腹筋のすべてを使い込みます。
こうすると胸腔内は陽圧になります
そうなると自然に起きた胸郭の広がりは小さくなっていきます

横隔膜の下にある組織・器官

安静時の呼吸が機能しているということは
横隔膜の下にある器官も状態が良いということになります

胃や肝臓、小腸、大腸、泌尿・生殖器系など

例えば、胃腸を壊して熱を出したとか
婦人科系の不順があるとか
下痢や便秘だったり。
こうした要因によって安静時の呼吸が
努力呼吸になる期間もあるということです。

社会的な環境による個人差

全ての人がそうではないかもですが
少なからず社会にいればストレスがかかりますね

横隔膜の下は副交感神経(迷走神経)が関連

内臓はその影響を受けやすいと聞きます
有髄の反射と無髄の反射があるという自律神経系の
理論を読むと様々なことが
横隔膜の下では起きているんですね。

定期的なエクササイズ、運動、治療を続けるというのは
自分の身体と向き合う時間になるので、
インストラクターとしてはお客様の環境なども
知っておくと
今日の呼吸をどうすべきか考える
きっかけになると感じます

脊柱、骨格、筋の問題

これらを守るべく存在するのが
ピラティスインストラクターの方は必ず習う
筋、骨格系のこと。

中身あっての外構造を知るとわかること

ついつい、やっているのは
外構造の状態(骨、関節)を何とかしたくなる
大きな筋群、コアの筋群をなんとかしたくなる
という課題です

中身の状態がどうなっているかによって
その1つ1つのキューイングやエクササイズ進行が
変わるということも着目すると

もしかして・・・
「息、吐きすぎではありませんか?」

が見えてきます

息、吐きすぎだとピラティスはしんどい?

必要に応じてどこまで呼吸を使うか決める

ここまでざっくりした内容をみてきましたが
実際にピラティスで息を
しっかり吐くべきか?=腹筋を締めるべきか?
という疑問です

この説をとおして次のように考えるコトで
「呼吸」の指導が変わるかなと思います

  • 脊柱、骨格、筋の問題の有無

  • 最近、なんらか理由で熱を出した、咳が出た

  • 下痢や便秘が強い(慢性的)

  • 長年、婦人科系の問題がある

  • 社会的なストレスがある、繊細である

そういった状態を秘めている場合には
唐突に、ピラティスで用いる呼吸法を
できるようになるまで、強く行う指導の仕方は
しないようにすること。

呼吸が上手くできないには
理由があるのだからエクササイズを通して、
上記の機能を少しずつ改善してくれば、
自然と呼吸の感覚が芽生えてくるし、
「あ、今なら呼吸法を教えられるな」の
タイミングも出てくるだろうから
それまで
「~すべき」は避けるようにしてみたらどうだろか。

お客様がこうなってたら要注意

というわけで、今回の「説」はいかがでしたか

実は、昨年12月にオステオパシーの授業内容が
ちょうど「横隔膜」で、
その概念を聞いて、
根本の機能などを学んだおかげで
やっぱりピラティスの呼吸教えるとき
やりすぎてるんじゃない??って
すごく感じたので自分なりの解釈で
シェアすることにしました

次回 #3の説は
「○○をはがすって、何はがしたの??」説でいこうかしら。

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