情報学環教育部の授業について

私は本所属の工学部以外に東京大学大学院 学際情報学府情報学環教育部(以下教育部)でメディアについて学んでいます。
教育部とは、情報という共通の関心を持つ学生、社会人を対象にした教育機関です。講義やゼミナール、プロジェクト型演習を通じて、文理の枠組みを超えて情報、メディアについて勉強することができます。

詳しい情報については以下を参照してください。

かなりユニークな教育機関で、学生も個性で溢れる素敵な方ばかりです。先生、社会人、東大内外の学生から多くの刺激をいただいています。色々な団体に出入りしてきた中でもイチオシのコミュニティーです。

そんな教育部の2023年度の募集がもうすぐ始まります。
私の体験記はこちら

応募書類の中に「学習計画書」という項目があると思うのですが、シラバスを見てもあまりイメージが湧かないと思うので、私が取った授業を2つ紹介します。

新聞記事執筆

1.概要、進め方


元朝日新聞記者の方が講師として、新聞記事の書き方を指導してくださいます。
実際にその講師が取材を担当した、ある事件の被害者代表の方にインタビューをして記事を書くまでがゴールです。それまでに取材をするにあたって注意すること、その事件の背景から、文章の書き方までしっかりと学びます。

2.得られたこと


長年記者をやってきた方から細やかな指導を受けられます。取材を続ける中での反発や取材の困難さも赤裸々に語ってくださり具体的なイメージがつきました。
扱った事件は社会的にも大きな爪痕を残しましたが、記憶が風化しつつある中いまだに被害者、被害者の関係者が苦しんでいることから、記憶の保存、伝承の大切さについて学びました。

3.大変だったこと


実際にインタビューをしてたくさんの情報を得た後、取捨選択していかに自分らしい切り口で事件を語るのかを考えるのが難しかったです。
取材者に対しては想像以上に細かな配慮を必要としました。こんな言い方をしたら失礼なのだろうか、どんなことを記事にして欲しいのか、など想像しながら書くのが大変でした。

自主ゼミ

1.概要、進め方


数人の研究生が自らの関心のあるテーマについて調べて、先生方の前で発表する授業です。私の代は、ジャーナリズム、インターネットなどの情報関係のテーマや、地方、教育、ジェンダーなど直接関係のないものもありました。
班によって進め方はバラバラですが、私の班は班員の関心をまとめた結果、子どもの教育格差について各ステークホルダーがどのようにアクションするべきかについて扱いました。
週に一度、2時間程度ミーティングを行い各自で調べたことを発表した後、論点について整理したり、来週以降の進め方を確認したりしました。
なかなか議論する時間が取れず班としての発表が難しい班もあったようです。

2.得られたこと


特に社会人の方のリサーチ方法や発表の仕方、まとめ方は非常に勉強になりました。膨大な資料から必要な情報だけを抽出し、時には先進的な取り組みをしているNPOや学校の校長先生にインタビューしたり、教育学部の教授をアドバイザーとして議論に参加していただいたりと、成果物の質がどんどん上がっていくのを間近で見ることができました。また、プレゼン経験が浅い私に対して、多くのアドバイスも頂き非常にありがたかったです。
教育部は東大の一部なので、東大が契約している膨大な論文へアクセスできたり、東大生(?)という肩書を使って多くの人にアプローチすることができます。東大の中の総合図書館も、資料館も利用できます。豊富な人、モノへのリソースを駆使し、班員のモチベーションによっては非常に質の高いアウトプットが期待できます。

3.大変だったこと


私の班では社会人の方が積極的に進めてくださったおかけで、私自身の負担は少なかったです。
他の班を見ていると、テーマについて制約が一切ないのでどのように絞り込んでいくか、誰がリーダーシップを発揮して発表まで持って行くかを決めるのが大変そうでした。

もし何か質問があれば、プロフィール欄のメールアドレスまでご連絡ください!

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