リトル・マーメイド(1989)
伝統と革新が融合した画期的なディズニーアニメ
ディズニーが誇るセル画で製作された最後の作品
'89年にアメリカで公開されたディズニーアニメ第28作『リトル・マーメイド』(日本では‘91年公開)は、本作以降、『美女と野獣』(’90年)、『アラジン』(’92年)など、ディズニーアニメーションが大ヒットを連発したことから、《第2期ディズニー黄金時代》が幕を開けるきっかけになった作品です。
原作はアンデルセンの『人魚姫』。お姫さまをヒロインにした、こてこてのディズニー映画ですが、人魚姫のアリエルはおてんばで好奇心旺盛なヒロインに生まれ変わり、ただ王子様を待っているだけのプリンセスではありません。
陽気な海の仲間たちに助けられながら、王子のハートを射止めようと奮闘するアリエルの物語はスマッシュヒットを記録。『美女と野獣』のベルや、『アラジン』のジャスミンといった、勇敢なディズニープリンセスが後に続きました。
そして、古典童話をエキサイティングなストーリーやファンタジックな映像で現代的にアレンジしたディズニーアニメは多くの女性たちの心を捉えました。本作の主題歌『アンダー・ザ・シー』がアカデミー賞やグラミー賞を受賞するなど、本格的な音楽も大人も楽しめる作品になった理由でしょう。
そんなディズニーアニメ復活の立役者となった本作は、皮肉にもディズニーが誇る伝統的なセル画で製作された最後のディズニーアニメにもなりました。
監督・脚本はロン・クレメンツとジョン・マスカー。このコンビはのちに『アラジン』から始まる、CGを駆使した壮大なスケールのアニメーションへ向かっていきます。
背景の70%をしめるブルーに彩られた神秘的な海の底はシーンに合わせて巧みに表情を変えています。
今、改めて観ると、伝統的な手描きアニメがとても新鮮に、そして斬新に感じられます。
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