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ボーン・スプレマシー(2004)

記憶をなくした暗殺者ボーンの自分探しの旅はまだ続く
演技派俳優マット・デイモン主演のアクション大作第2弾

CIAの超機密計画により完璧な暗殺者として育成された元スパイ、ジェイソン・ボーンの活躍を描いたサスペンスアクション『ボーン・アイデンティティ』の続編です。

前作に続き、ボーンを演じたマット・デイモンにしびれます。演技を超えて、完全にボーンになりきり、まるで自分の過去を探すひとりの男を追ったドキュメンタリーを見ているようです。

【ストーリー】
ボーンは一切の感情を捨て本能のみで暗殺命令を実行するよう訓練された暗殺者。しかし、過去の記憶をなくしたボーンは暗殺者という過去の正体も捨て去り、恋人マリー(フランカ・ポテンテ)と静かに暮らしていました。そんななか、ボーンを狙った暗殺事件の巻き添えでマリーが死亡してしまいます。そして、ボーンは再び過去と向き合うことになります。
過去の悪夢に悩まされていたボーンは、フラッシュバックする記憶の断片を頼りに過去を探り出そうとしますが、その一方でCIAエージェントを狙った爆破事件の容疑者としてCIAから追われることになります。

前作同様、見どころになるのは巨大な陰謀に対して孤軍奮闘するボーンの姿。卓越した戦闘能力や危機回避能力を駆使して、濡れ衣をはらす過程がスリリングに描かれます。

ただし、本能ではなく、感情に突き動かされているのが前作との大きな違い。愛する者を失った怒り、暗殺者という過去への憎しみ、そして過去を消せない悲しみ。かつての冷酷な暗殺者を彷彿させる立ち居振る舞いの中でこれらの感情を表わすマット・デイモンは本当に素晴らしいです!

爆破事件の真相と悪夢の正体が解決するとボーンの新たな過去が浮かび上がます。前作から続投のトニー・ギルロイの脚本は第3作への期待を膨らませます。

『ブラディ・サンディー』で注目されたポール・グリーングラス監督は独自の切れ味鋭いドキュメンタリースタイルを持ち込み、迫真のアクションシーンを生み出しました。

シリーズ第3作『ボーン・アルティメイタム』(‘07年)でも、主演、監督、脚本ともに2作目の顔ぶれが続投。『ボーン』シリーズ映画版3部作を、優れたスパイアクション映画として完結させました。


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