<大腸がん>胆嚢を全摘出していたため、胆汁がコントロール出来ずに悪玉菌が増える要因になったのかも!?
昨日までのコラムで、私の母の大腸がん手術と予後についてを時系列でお伝えしてきました。そして、昨日は漢方薬「大建中湯」と「ラクトバチルス菌」の関係性を、理化学研究所の佐藤尚子先生の論文から参考にさせていただき、この組み合わせで母が摂取していることも詳しくお伝えしました。
今日はなぜ母が大腸がんを患ったのかを、私の思うところを書きたいと思います。
人は高齢化していくに従い免疫力は落ち、正常細胞よりも癌細胞が勢いを増すため、体の中に容赦なく癌を発症するようになります。もちろん、高い免疫機能をキープされている方は、生涯癌に侵されることなく人生を終えられる方もいらっしゃることは言うまでもありません。
私の母においては、数年前に胆嚢を全摘出しております。ずっと昔から胆石が胆嚢内で泥状に蓄積していて、経過観察をしていましたが、ある時炎症を起こし肥大化する事態となりました。
このままでは、破裂して腹膜炎を起こしかねないため、緊急手術して全摘したのです。
胆嚢は無くても生きていける臓器の1つです。ただ胆嚢が無い分、肝臓には負荷がかかり本来なら脂分を抑えた食生活を送るべきなのです。退院時には注意喚起されていましたが、日常生活には支障がないため普通の食生活に戻っておりました。
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を一時貯蔵し濃縮して十二指腸から放出、酵素として脂質等を分解する役割を担っています。例えばお肉などの脂分を上手く消化する働きを担っているのです。
胆嚢を全摘していると、肝臓からの胆汁はそのまま十二指腸から放出されます。脂分が来た時に合わせて肝臓がコントロールしているかどうかは不明ですが、貯蔵し濃縮する機能を有していないため不都合が生じていることは十分考えられます。
また脂分を十分消化しきれないと、そのまま大腸に運ばれ、腸内細菌の悪玉菌が増え大腸がんの原因になったとも考えられます。術前、少なくとも数か月前に腸内細菌構成比を調べてなかったことで、私自身が後悔していることは数日前のコラムでも書きましたが、危険信号は腸内細菌構成比から発せられていたと思います。
今回S状結腸の癌はすべて取っていただきましたが、今後も胆汁のコントロールは難しく、腸内環境を整える必要はあると思います。
ある程度推測の域ではありますが、原因としてはわかったように思います。そして腸内細菌がいかに大切かも改めて思い知らされたように思います。
*画像は消化器系のイラストです。上部の薄緑部分が胆嚢になります。肝臓から胆嚢を経て十二指腸につながっています。