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「内科開業医のお勉強日記」から移行トライアル中です。ともすると「専門医資格」維持より「戒名」の方が重要となってきた開業医の興味本位の論文備忘録ですので、科学的厳格性に関しては読者各自責任をもちご検討ください。

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最近の記事

HFpEF:GLP1受容体アゴニスト:セマグルチド効果

HFpEF 治療薬が実質なかった時代に比べれば進歩だが、死亡リスク減少まではSGLT2阻害薬含めまだまだなんだなぁと感想 SGLT2iとGLP1アゴニスト併用などへの関心と、リスク層別化への関心が向けられているようだ Kosiborod, Mikhail N, John Deanfield, Richard Pratley, Barry A Borlaug, Javed Butler, Melanie J Davies, Scott S Emerson, ほか. 「Sem

    • 医療従事者Well-Being:WELL-B Essentials5時間トレーニングプログラムで感情的消耗、感情的回復、ワークライフ統合、感情的成長で改善

      プライマリアウトカムは、"day8"での感情的消耗:emotional exhaustion セカンダリアウトカムは、「感情的成長」、「感情的回復」、および「ワークライフ統合」:emotional thriving, emotional recovery, and work-life integration 無作為化試験において、医療従事者を対象にした簡単なウェブベースの介入が、定期的な継続教育に組み込まれることで、短期間でウェルビーイングに関連する4つの領域において改善を

      • HT4Rレベル・ダウンレギュレーションが少ないほど、言語記憶が改善され、5-HT4RがMDD治療のターゲットとして重要である可能性示唆

        Anti-Depressants May Improve Brain Function, Verbal Memory: Study (medicaldaily.com) “the lesser 5HT4 receptor better the cognitive outcome”という解説文が混乱をもたらすかも・・・ なら、 ということになりそうだが・・・ 研究者たちは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の使用が、特に言語記憶を改善するなど、脳機能の向上に役

        • シロシビン療法(PT)は、心理社会的機能、人生の意味、心理的つながりにおいてより大きな改善 vs SSRI抗うつ薬

          関連記事: マジックマッシュルーム幻覚誘発性化合物であるシロシビン:重度うつ病治療の可能性|Makisey (note.com) 以下、SSRI抗うつ薬との比較記事 中等度から重度の主要なうつ病患者において、シロシビン療法(PT)とエシタロプラム治療(ET)の長期的な効果を比較したものです。 シロシビン療法(PT)は、セロトニン2A受容体シグナル伝達を介して脳の神経情報処理を変化させることで、感情の浄化、自我の溶解、認知の再評価、心理的な洞察などの経験につながると考えられ

        HFpEF:GLP1受容体アゴニスト:セマグルチド効果

        • 医療従事者Well-Being:WELL-B Essentials5時間トレーニングプログラムで感情的消耗、感情的回復、ワークライフ統合、感情的成長で改善

        • HT4Rレベル・ダウンレギュレーションが少ないほど、言語記憶が改善され、5-HT4RがMDD治療のターゲットとして重要である可能性示唆

        • シロシビン療法(PT)は、心理社会的機能、人生の意味、心理的つながりにおいてより大きな改善 vs SSRI抗うつ薬

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          1本

        記事

          ケトジェニックダイエットは双極性障害の気分安定効果など、さまざまな神経学的および精神医学的な状態に対して有益な効果をもたらす可能性

          establishされた論文ではありません。あくまでも仮説 Metabolism and diet are linked to root of bipolar depression, say researchers | Bipolar disorder | The Guardian エジンバラ大学の研究者イアン・キャンベルは、双極性うつ病に特別な視点を持っており、自身もこの病を抱えている。 イギリスでは100万人以上が双極性うつ病を患い、そのうち3分の1が自殺を試みる可

          ケトジェニックダイエットは双極性障害の気分安定効果など、さまざまな神経学的および精神医学的な状態に対して有益な効果をもたらす可能性

          アルバート・ラスカー基礎医学研究賞:DNAも免疫システムを刺激する:cGASがDNAを直接感知し、IFN産生を誘導する

          Chen, Zhijian J. 「Discovery of cGAS as a DNA-Sensing Enzyme That Triggers Inflammation: 2024 Albert Lasker Basic Medical Research Award」. JAMA, 2024年9月19日. https://doi.org/10.1001/jama.2024.17873. 2024年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞は、Zhijian J. Chen博士

          アルバート・ラスカー基礎医学研究賞:DNAも免疫システムを刺激する:cGASがDNAを直接感知し、IFN産生を誘導する

          ソシオパシーとサイコパシーの区別解説記事は疾患取り扱いトレンドとして正しいのか?

          最近のICDやDSMなどの基準では、v 両者の概念は、反社会性パーソナリティ障害という広範なカテゴリーに含まれている。 zICDは、サイコパシーやソシオパシーのような主観的な用語を使用するのではなく、観察可能な行動やパターンに焦点を当てている。 診断には、子供時代または青年期初期に始まり、成人期まで続く持続的な行動パターンが必要である。 ICD-11ではサイコパシーやソシオパシーという用語は使われていないが、これらの概念に関連する多くの特性はASPDの基準に含まれてい

          ソシオパシーとサイコパシーの区別解説記事は疾患取り扱いトレンドとして正しいのか?

          中国小児:NO呼気濃度参照値 年齢、身長、性別、地域によって影響

          Liu, Yazun, Hao Zhang, Jinrong Wang, Yuling Han, Chunhong Pan, Wenhui Jiang, Chunyan Ma, ほか. 「Reference Values for Exhaled Nitric Oxide in Healthy Children Aged 6–18 Years in China: A Cross-Sectional, Multicenter Clinical Study」. Respirator

          中国小児:NO呼気濃度参照値 年齢、身長、性別、地域によって影響

          NPPV:高強度非侵襲的換気 vs 低強度非侵襲的換気(18 cm H2O未満):事前設定挿管必要性は減少したが、実際の挿管率に差を認めないという結果

          これをどう評価するか? 高強度非侵襲的換気は、20年以上前に慢性閉塞性肺疾患(COPD)および慢性高炭酸ガス血症の患者に対して初めて使用された。高強度非侵襲的換気の目的は、正常な炭酸ガス分圧(Paco2)を達成するか、または可能な限り高い程度までPaco2の上昇を抑制することである。このために、主に吸気陽圧を調整して、駆動圧を個別に段階的に増加させ、正常な炭酸ガス分圧が達成されるか、または許容可能な最大圧(20-30 cm H2O)に到達するまで調整する。このアプローチは、

          NPPV:高強度非侵襲的換気 vs 低強度非侵襲的換気(18 cm H2O未満):事前設定挿管必要性は減少したが、実際の挿管率に差を認めないという結果

          透析:高齢者では在宅で過ごす日数減少する可能性

          透析一辺倒は考慮すべきということだろう。腹膜透析などはどうなのだろう?移植が進んでいるはずのUSでの透析選択は当然ながら日本とは背景が異なるので、慎重に考慮が必要だろう Dialysis May Not Be Worth the Trade-Off for Older Adults | Nephrology | JAMA | JAMA Network 「Annals of Internal Medicine」に掲載された研究によると、慢性腎不全を患う高齢者は、予想されるほ

          透析:高齢者では在宅で過ごす日数減少する可能性

          地球温暖化ガスを含む吸入と含まない吸入で増悪による入院と全死因死亡の複合指標で違いはない

          地球温暖化ガスを含む吸入と含まない吸入で増悪による入院と全死因死亡の複合指標で違いはない Bonnesen, Barbara, Josefin Eklöf, Tor Biering-Sørensen, Daniel Modin, Marc Miravitlles, Alexander G. Mathioudakis, Pradeesh SivapalanとJens-Ulrik Staehr Jensen. 「Effect of Low Climate Impact vs.

          地球温暖化ガスを含む吸入と含まない吸入で増悪による入院と全死因死亡の複合指標で違いはない

          医学的催眠は、実験的呼吸困難を軽減

          呼吸困難を吸気閾値負荷(過度な吸気努力)および二酸化炭素刺激(空気飢餓)に分けて、医学催眠の効果を検討 Morélot-Panzini, Capucine, Cécile Arveiller-Carvallo, Isabelle Rivals, Nicolas Wattiez, Sophie Lavault, Agnès Brion, Laure Serresse, Christian Straus, Marie-Cécile NiératとThomas Similowsk

          医学的催眠は、実験的呼吸困難を軽減

          特発性肺線維症:臨床トライアルの将来

          なかなかですねぇ Spagnolo, Paolo, とToby M. Maher. 「The Future of Clinical Trials in Idiopathic Pulmonary Fibrosis」. Current Opinion in Pulmonary Medicine 30, no. 5 (2024年9月): 494–99. https://doi.org/10.1097/MCP.0000000000001099. 最近の第3相治験 ISABELA

          特発性肺線維症:臨床トライアルの将来

          農薬に対するミツバチ用の「ワクチン」

          蜂崩壊(コロニー崩壊症候群、CCD)に関連する問題の一部で、ミツバチの群れが突然崩壊し、多くのミツバチが消失してしまう現象で、農薬、病原体、寄生虫、栄養不足、環境ストレスなど複数の要因が関与しているとされています。 Scientists hopeful antidote can help protect bumblebees from pesticides | Pesticides | The Guardian 『ネイチャー・サステイナビリティ』に発表された研究結果による

          農薬に対するミツバチ用の「ワクチン」

          喫煙量10パック年臨界値を下回る場合でもCOPDのリスクが増加;たばことCOPD:世界保健機関(WHO)たばこ知識概要の提示

          タバコ喫煙とCOPDの関連明らかそうだけど、まだまだ不確定なところが多い 現行COPD診断有無に関わらず、将来COPD増悪リスクは10パック年を超える喫煙歴と関連するということになる。すでにCOPD診断例では10パック年未満でも増悪リスクがある。 Çolak, Yunus, Anders Løkke, Jacob L. Marott, Peter Lange, Jørgen Vestbo, Børge G. NordestgaardとShoaib Afzal. 「Low

          喫煙量10パック年臨界値を下回る場合でもCOPDのリスクが増加;たばことCOPD:世界保健機関(WHO)たばこ知識概要の提示

          高齢者:疼痛への抗うつ薬作用は効果乏しい 既存のガイドラインの見直しが必要

          65歳以上の高齢者に対して、抗うつ薬が痛みの治療に処方されているが、その効果に関する証拠は弱く、害をもたらす可能性があるとの新しい研究が発表された。この研究は、処方ガイドラインの見直しを求めている。 シドニー大学筋骨格健康研究所のスジタ・ナラヤン博士らが、1,369名を対象とした15件の試験結果をレビューし、高齢者における抗うつ薬の痛み緩和効果と副作用を評価した。多くの国際的ガイドラインでは、特に慢性痛に対して抗うつ薬が推奨されているが、効果を裏付ける証拠は不十分であること

          高齢者:疼痛への抗うつ薬作用は効果乏しい 既存のガイドラインの見直しが必要