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オリジナルミュージカル「人間ライブラリ」でのトライアル企画

こんにちは。オリジナルミュージカル制作にゼロから挑むユッキーナです。今回の記事では、自主企画Protopiaオリジナルミュージカル「人間ライブラリ」でのトライアル企画についてご紹介させていただきます。

さて、トライアル企画って?という方に簡単にご説明です。

まず、わたしの考えとして「ミュージカル業界はチケット収入に頼りすぎたビジネスモデルから脱却すべき」と考えています。

その理由を詳しく知りたい方は別の記事、「ビジネスとしてのミュージカル」または「『ミュージカルに出演する俳優及び、ミュージカル俳優を目指すみなさま』に対して実施したアンケート集計報告」をご覧ください。

チケット収入に頼りすぎると、回収リスクを考えてどうしても身の振りが小さくなります。そのため俳優たちに稽古やリハーサルのギャラが払えなかったり、広告・プロモーションのための投資や、新しい挑戦のための費用をエイや!と捻出しづらくなります。

そこで自主企画オリジナルミュージカル「人間ライブラリ」では、チケット収入以外に収入を得るための4つのトライアルを実施します。

1、稽古運営のための協賛金を募集

2、本作の台本・音楽を良心的なロイヤリティで提供

3、オリジナル原作小説を販売

4、直接わたるおひねり制度を導入

ちなみに本作のチケット代金は前売り4,500円で安い金額とは言えませんが、会場が満員御礼になっても十分とは言えないくらい薄利な状態でもあり、チケット収入以外の収入を真剣に検証したいというリアルな実態もあります。

それでは順番に説明をしていきます。


1、稽古運営のための協賛金を募集

協賛金

稽古は良い舞台づくりに必須であるにもかかわらず、通常、稽古では役者たちにギャラが支払われていません。2019年12月末にミュージカルに出演する俳優に対して実施したアンケートでは回答者32人中11人が、この問題について不満や疑問を感じていました。

これは古くからの慣習であり、経営側の事情からもこの問題は黙認されてきましたが、Protopiaはこの課題の解決のために、個人は一口10,000円から、法人は一口30,000円から、稽古運営のための協賛金を募集することといたしました。いかほど集まるかはわかりませんが、とりあえずトライ!

ご協賛いただいた協賛金は主に、稽古参加役者へのギャラに充てられます。役者へのギャラ支払額は協賛金の収集度合いによって異なりますが、役者ひとりあたり1日1万円を上限に集まった額を均等(100の位を切上げ)に分配する予定です。

それ以上に協賛金が集まった場合は、直接的に利益が出ない本公演以外の団体の運営のために使用させていただきます。(稽古場の利用料、役者ではない運営・テクニカルスタッフのギャラや交通費、その他運営雑費など)

例1)キャスト3人の稽古1日に対して、1万円協賛された場合:役者ひとりあたり3,000円を稽古のギャラとして支払い。残金1,000円を団体運営費として利用。
例2)キャスト3人の稽古合計10回に対して、最終的に40万円の協賛金が集まった場合:役者ひとりあたり上限1万円×10回の稽古=10万円を稽古のギャラとして支払い。残金10万円を団体運営費として利用。

今回はこのように分配してみようと考えていますが、今後は状況によって臨機応変に対応を検討していきます。

協賛金を頂いて実施したお稽古は、稽古ごとに簡単な動画を制作し、稽古の様子をお届けする予定です。

ファンの皆様、企業のみなさまはもちろん、同じ役者の方々や同業団体のみなさまからの応援もぜひお待ちしております!!


この問題に対する詳しい説明は別の記事、「経営の視点から:なぜ稽古やリハーサルにギャラが支払われないのか?」をご覧ください。


2、本作の台本・音楽を良心的なロイヤリティで提供

台本

このトライアルを実施するために、自主企画でオリジナルミュージカルを公演しようと思い立ったといっても過言ではありません。

ミュージカル市場の8割は大手3社で占められています。これはミュージカルというコンテンツの制作に、専門スキルと多額の制作費が強いられるためです。ミュージカルが普及しない一番の理由はここにあるとわたしは確信しています。そこで、

Protopiaではひとりでも多くの人々が自由にミュージカル公演の実施できるよう、本作の台本と音楽を小規模舞台を企画・実施する役者及びプロデューサーに良心的なロイヤリティで提供します。​

入場料無料の作品は無料にて、チケット収入などの収入のある公演については売上10%程度をロイヤリティとして納めていただくことを考えておりますが、ご希望団体の予算や売上状況に応じて相談に乗ります。

また、本作品はノンレプリカにて上演可能です。ノンレプリカとは、台本、スコアはオリジナルと同じものを使うが、オリジナルのセット、コスチューム、振付の権利を除いたより安いクラスでライセンス契約のことです。

ただし、わたしたちの言うノンレプリカはさらにフリーな状態を指します。

脚本をお渡ししたのち、その脚本を自由に改変していただいて構いません。セリフを変えてもいいし、結論も変えてもよいです。わたしたちは3人のキャストで講演しますが、ふたり舞台にしてもよいし5人で演じても、性別を変えいただいても結構です。音楽も自由に編曲いただけます。演出ももちろん自由です。

提供の条件は、

・公演日程が決定してること
・ノンレプリカ公演と追記し、「人間ライブラリ」というタイトルとロゴは変更しないこと
・告知や本番でProtopiaオリジナルスタッフのクレジットを明記すること
告知や本番で、この作品がProtopiaより提供された作品で、観劇者もまたこの仕組みを利用できることを明言すること
・Protopiaを通さずに無断で第三者に作品を貸し出さないこと

です。この条件は随時見直されますので、作品提供をお考えの方は事前に必ず再確認をお願いいたします。

オリジナルの本公演をご覧になれなかった方のためには、動画や音源を用意するつもりです。こちらについては、用意が出来次第ご報告いたします。

疑問に思ったことや不明点等ございましたら、是非お気軽にお問い合わせくださいませ!


3、オリジナル原作小説を販売

小説

人気のミュージカル作品の多くが海外の版権作品であったり、国内のマンガやアニメコンテンツの版権作品です。版権料の支払いは経営を圧迫します。Protopiaはオリジナルの作品を生み出すことで、自立した経営を目指し、良心的なロイヤリティで優れたミュージカル作品を提供していくための土台としています。

原作を書いているのはわたしです。また、音楽をつくっているのはわたしのパートナーです。したがって、Protopiaが提供する作品の初期制作費は実質ゼロ円です。この事実が、良心的なロイヤリティでの作品提供につながっています。
しかし一方で、わたしたちもお金を稼がなければ生活ができません。そこで、ミュージカル作品のもととなった原作小説を、本公演時に劇場にて販売させていただきます。一冊500円を予定しています。

小説とミュージカルを比べて楽しんでいただいても結構ですし、小説でのアイディアを利用した二次創作のご相談にも対応いたします。

今後は、小説だけでなく、オリジナル楽曲やカラオケ音源の販売等も実施していく予定です。


4、直接わたるおひねり制度を導入

おひねり

ミュージカルは非常に人件費のかかるエンターテイメントです。経営側は共倒れを防ぐために、どうしてもある程度の利益を必要とします。しかしながら、そのための原価削減の対象は経費の多くを占める人件費です。

Protopiaではこの事実の対策として、役者やスタッフに直接わたるおひねり制度を導入いたします。

舞台を見ていて、「うん、脚本がいい!」とか「いや、あれは演出がいいんだ」、「いやいや、ピアニストのスキルだよ」とか、「舞台美術があのシーンを成立させてたよね!?」「音響さんと照明さんのタイミングが絶妙で感動が高ぶった!」みたいな感想を持ったことはありませんか?

わたしはそんなとき、そんな感動をあたえてくれた方々に直接お金を支払いたいと思っています。しかしながら、特に制作スタッフへ支払われるギャラは、はじめから固定されており、どんなにチケットが売れて満員御礼でも、彼らに+αの収入が入ることはありません。

このトライアルでは、役者だけでなくスタッフへも直接わたるおひねり制度をとりいれます。

現状は、QRコードでおひねりサイトに飛べる形にしようかなと考え中!

カード決済手数料数%がカード決済代行会社に差し引かれますので、その分を抜いた金額が役者やスタッフに支払われることになると思われます。

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いかがでしたか?

トライするのは自由!と、とりあえずやってみようと思います。トライアル結果は、またこちらでまとめて報告していくつもりです。もしご興味ございましたら、ぜひこのnoteのフォローをお願いします!









オリジナルミュージカルでみんなをハッピーに! 観劇者も、役者も、演出家も、脚本家も、音楽家も、スタッフも、みんながうれしいミュージカルのあたらしいビジネスモデルの実現に貢献します☆