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プロトアウトスタジオで話しているアウトプットの3ステップ

講師長の田中です。今回は、プロトアウトスタジオで話しているアウトプットについて、他の人に自分の考えを伝えるまでの、細かいステップについてまとめてみます。

アウトプットは作り続けるサイクルを生むために大切

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自分の発想したアイデアを技術や企画を組み合わせて、プロトタイプとして形にしてアウトプットしていくことで、自分の中や他の人からフィードバックをもらうことできます。そこからさらに発想が生まれプロトタイプをしていくという作り続けるサイクルを生むことができます。

他の人に自分の考えを伝えるのはパワーを使う

さて、このアウトプットの話を授業や宿題で伝えて、いざアウトプットするしていくぞ!と意気込むわけですが、アウトプットする先が Qiita や note に向けて書くということもあり、しっかりコンテンツを作って、文章を考えて推敲して、ちゃんとまとめてから投稿しようとイメージをします。

他の人に自分の考えを伝えるアウトプット。たしかに大切なアウトプットです。

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ですが、この他の人に自分の考えを伝えるアウトプットというのは、なかなかパワーを使うので慣れてないと大変です。他の人を想像しながら「どう伝えたら面白いだろう」「どう書くと分かりやすいだろう」といったことを考えながら書くため、結構ハードルが高いものなんです。

このように大変だなと思ったときこそ、プロトタイピングの考え方を思い出して細かなステップを作って、小さく気軽にアウトプットをできるように調整します。

アウトプットには細かなステップがある

プロトアウトスタジオでは、他の人に自分の考えを伝える前の段階に、このような2つのステップに分けています。

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STEP 1 は、とりあえずの出力である「シンプルなアウトプット」と、 STEP 2 は「自分から自分へ伝わるアウトプット」です。

シンプルなアウトプットから気軽にスタートして、自分から自分へ伝える形でアウトプットに慣れて少しずつステップアップ。ゆくゆくは他の人に自分の考えを伝えるアウトプットとして目指します。

STEP 1 のシンプルなアウトプット

STEP 1 のシンプルなアウトプットは、とりあえずの「出力」です。

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誰かに見せるというのは考えない自分だけのアウトプット。できるだけその場でリアルタイムに気ままにメモするものです。

たとえば、技術に触れているときを想像してみましょう。何かを作っているときや発想しているとき、あとから試行錯誤やエラーを振り返っても、なかなか思い出せません。さらにそこから文字に起こすにはかなりのパワーを使います。おそらく正確ではなく、そこにあった熱量や細かいつまづきポイントは残りません。

作業をしながらリアルタイムにメモをしておけば、試行錯誤によって出てきたエラーや解決方法、役に立った関連リンクを書き留めておくこともできます。作業を中断するときも、そこまでのメモがあるの思い出しやすくすぐ再開できます。「Aのアプローチや難しいので今はBにしたけど、また今度Aに挑戦したい!」といった細かな思考の流れも書き留めることができます。

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たとえば、私の場合 esa という情報共有サービスを自分のためだけに使っていて、技術に触れはじめるときに「ことはじめ」というタイトルにしてシンプルなアウトプットをしています。

以下は「ことはじめ」記事の例です。GPSマルチユニット SORACOM Edition をとりあえず触ってみているときのリアルタイムメモの例です。

(以下の画像をクリックするとページ全体が確認できます)

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このように、画像キャプチャやリンク集を気軽にリアルタイムにメモできるようにして小さなチャレンジを繰り返しています。

STEP 2 の自分から自分に伝わるアウトプット

STEP 2 では自分から自分に伝える視点を持つことで、少しステップアップします。

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自分が自分に役に立つように整えてアウトプットします。他者をあまり意識しすぎないことが大切。ちゃんとあとで見返せるように Qiita や note などの公開されている場所にアウトプットするようにしましょう。

ここで非公開の場所にアウトプット置いてしまのはおススメしません。なぜなら、自分で自分に見せる意識が弱まり、なかなか STEP 1 から抜け出せないからです。

時間経った未来の自分をちょっとした他の人として意識してアウトプットしましょう。自分が自分に対して3か月後に役に立つアウトプットにできるように、すぐに使えるもの、良い影響を生めるものを意識します。

忘れそうな自分に対するメッセージと考えると、技術でも企画でも色々なアプローチができます。

たとえば、

・コピーアンドペーストですぐ動くソースコード
・自分の思考のクセが影響してハマってしまったエラー内容
・とても助けられた参考文献URL
・そこに至った経緯や気持ちの流れ
・自分が楽しくなるような言い回しや文章の流れ

このような内容は未来の自分にきっと役に立ちますよね。

ここで、STEP 1 のリアルタイムメモを思い出しましょう。リアルタイムメモには自分の思考錯誤や気持ちの流れがたくさん詰まっています。これは、STEP 2 のアウトプットのために役に立つポイントを整理してアウトプットしやすくなります。

1年後でも分かるアウトプットにもチャレンジしよう

このように整理する感覚がつかめてきたら、自分が自分に伝える期間を3か月後から1年後にしてみましょう。

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1年後となるとどうでしょう?

3か月後と比べて経緯や思いもだいぶ忘れています。いまの自分が「分かるよね?」となっているところも伝わりません。もしかすると自分の思考や技術のトレンドも変わっているかもしれません。

この1年後に向けた自分へのアウトプットできれば、他者に向けてアウトプットすることにかなり近づいてきます。「自分が役に立つ情報の伝え方ってどうしよう」「このエラーと解決方法は絶対覚えてないので書き留めておかなくちゃ」といった整理がなされて、自分自身で活用できるとしてアウトプットが磨かれます。

大きなアウトプットの前に小さなアウトプットをたくさんしよう

STEP 1 で自分の思考や試行錯誤をその場で素早く切り取る感覚をつかみ、 STEP 2 で自分の中で対話して伝える内容を整理する力が鍛えられました。

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ここまでできると、そのアウトプットを、いつでも好きなタイミングでつまづくことなく組み合わせることができるでしょう。技術でも企画でもこのように活用できるストックを用意しておくと、自分の力への安心感が生まれ自信にもつながります。

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そして、自分にも伝わりやすいアウトプットは、他の人にも伝わりやすいものです。いきなり、慣れない STEP 3 の他の人に自分の考えを伝えるアウトプットという大きなアウトプットしてパワーをつかう前に、今回お伝えしたような STEP 1 ~ 2 で小さなアウトプットをたくさんして、少しずつステップアップして伝えたいことのプロトタイピングを繰り返していきましょう!





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