見出し画像

#12 永遠のライバル関係 賃貸vs購入②

こんにちは、不動産コンサルタントのShimadaです。

先日私がパネリストとして参加させて頂いている「学校では教えてくれない学校」にてメインスピーカーとしてお話しさせて頂いたテーマを記事にしてみました!

永遠のテーマ、賃貸vs購入
本日は第二弾

第二弾のテーマはお金のこと。
家賃別の総居住費、購入の総居住費の視点から解説していきます。





それぞれの総居住費とは

総居住費とは、住宅関係に掛かる費用を合計したものを言い、家賃やローン以外に賃貸であれば引越し費用・更新手数料・敷金礼金、持ち家であればマンションの場合、管理費修繕積立金・固定資産税等が該当します。

40年間の長い期間でどれだけ居住費に費やすことになるのか、想像したことはありますか?

ここで一度それぞれの居住費を洗い出し、賃貸と購入の比較をしてみましょう。


賃貸での40年間の総居住費
生涯賃貸で暮らすとどのくらいの費用が掛かるか算出していきます。

算出条件
・40年間での引越し回数 ⇒ 計4回(一回当たりの引越し費用20万円)
・入居時の費用家賃3ヵ月分(敷金・礼金・仲介手数料各1ヵ月分)⇒ 計4回
・2年ごとに更新手数料家賃1ヵ月分 ⇒ 計16回

家賃10万円での40年間の総居住費
・40年分家賃 10万円×480ヵ月分=4,800万円
・引越し代 20万円×4回=80万円
・入居費用 30万円(家賃3ヵ月分)×4回=120万円
・更新手数料 10万円×16回分=160万円

これらを合計すると…

総居住費 5,160万円

この金額、いかがでしょうか?
サラリーマンの生涯年収が2億と言われている中で多くを占めていますよね。

では家賃が上がるとどうなっていくのか。
表にまとめてみました。

キャプチャ4

家賃2万円変わるごとに総居住費は約1千万円変わる計算になります。
都内で家族で住める広さとなると家賃10万円では難しく、いい場所に住もうとなると20万円ではきかないですよね。

この費用感を把握して、次の購入の場合を見てみましょう。


購入での40年間の総居住費
では購入した場合はどうなのでしょうか。

購入は物件価格だけではありません。
多くの方がローンを利用しますのでその金利子であったり、マンションであれば管理費や修繕積立金、税金であれば固定資産税などが掛かります。
戸建てでも修繕費は自分で積み立てていく必要があります。

都内5,000万円のマンションの購入という前提で40年間の総居住費を算出していきます。

算出条件
・都内5,000万円のマンションの購入
・頭金 ⇒ 物件価格の10%
・仲介手数料や登記手数料 ⇒ 物件価格の4%
・銀行からの借入 ⇒ 4,500万円
・ローン金利1%、35年ローン
・管理費、修繕積立金月額 ⇒ 3万円
・固定資産税年額 ⇒ 15万円

上記条件での総居住費
頭金 500万円
仲介手数料・登記諸費用 200万円
銀行からの借入元本 4,500万円
ローン金利子 835万円
管理費・修繕積立金 年額36万円×40年間 1,440万円

これらを合計すると…

総居住費8,115万円

モノ自体は5,000万円でも他の支出で3,000万円以上の支出が発生することが分かります。

こちらも表にしています。

キャプチャ7


賃貸と購入の分岐点は?

先ほどの表でご紹介した賃貸での総居住費、購入での総居住費を比較すると、賃貸の場合は16万円のレンジが5,000万円のマンションを購入したときの総居住費と同等になってきます。

つまり、家賃16万円がひとつ賃貸と購入を検討する分岐点と言えます。

賃貸か購入かで迷っている場合は「家賃16万円」で住める家のグレード、「物件価格5,000万円」で買える家のグレードを比較してみるのもひとつの考え方かもしれないですね。

しかし前記事でご紹介したように購入は現物資産になります。
賃貸にはない要素として「売却が可能」ということです。
売却が可能ということは、売却金額を総居住費から引くことで費用を抑えられるということです。

5,000万円で購入したマンションが40年後に2,000万円で売却出来れば総居住費が約6,000万円となり、賃貸の場合の12万円に相当する総居住費まで抑えることが出来ます。

家賃16万円の部屋に40年間12万円で住むことが出来た、みたいな考え方もアリだと思います。


払うお金の中身

最後に、賃貸と購入での支払っているお金の中身・考え方について解説していきます。

賃貸での払っているお金とは「家賃」ですよね。
家賃とはその部屋に住むための権利の対価として大家さんに支払うものとなります。

家賃とはその全てが住む場所を得るための権利としての「経費」となります。

対して購入の場合はどうでしょうか。
購入で払っているお金は「ローンの返済金」です。
この中身は「元本」と「金利子」に分かれておりそれぞれで性質が異なります。

「元本」とは資産に充当されるお金のことであり、経費のように消費される部分ではありません。
購入の場合で経費となるのは「金利子」の部分のみとなります。

下記の図をご参照ください。

家賃

こうして見ると購入の方が経費として消化される部分が少ないことが分かります。

決して賃貸の家賃が経費だから無駄ということではなく、賃貸と購入で払うお金の中身がどうなっているのかを今一度ご認識頂ければと思います。


さて2回の記事に渡って解説してきた賃貸vs購入のテーマ。
この論争にどっちがお得かという答えはありません。

自分のライフスタイルや価値観を照らし合わせ、それを実現する手段としてどちらかを選択するのが正解です。

ただ漠然と決定するのではなく、自分の軸を持って選択していきましょう。


ではまた次回もよろしくお願いします😋

✨LINE公式アカウント始めました✨
不動産に関する情報提供、無料セミナー情報、勉強会情報配信していますのでぜひご登録お願いします👍

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?