火炎舞踏会

永遠に焼かれる業火の中で
高らかに笑う誰かがいる
燃える身体など気に留めず
素顔を覆い隠している

炎に焦げる痛みすら
楽しんでいるかのよう
優雅に飛び廻る
赤銅のマスカレイド

記憶を失い、這い上がる
術を忘れても
煤けた心を躍らせる
狂おしいほどのカリスマ

マスカレイド…
両手を広げ、物憂げに俯き
口ずさむ天使のメロディー
彼を知る者はいない

嗚呼、マスカレイド…
埃積もった開かずの部屋
灰になっては蘇る、
フレスコ画の幻影よ

この記事が参加している募集

文学フリマ

大変差し出がましいとは思いますがサポート頂けたら嬉しいです。これからの活動意欲と個展やイベント参加費に充てたいと考えていますのでほんの少しだけお力を借りられたらと思います。