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サウナ浴でほんとに幸せホルモンが出るの?

 こんにちは、サウナかるた屋です。みなさん、サウナ入ってますか?サウナ気持ちよいですよね。幸せホルモンどばどば出るっていうし、、、って、それって本当なのかな?ホルモンって目に見えないしなぁ。。。

 これまでサウナの健康効果や、サウナ浴中の生理学的変化についての研究を紹介してきました(この下のリンク)。主に身体面からのアプローチです。という訳で、今回は視点を変えて、サウナのホルモン分泌効果についての研究を読み込んでみたいと思います。

Endocrine effects of sauna bath

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2451965019301048?via%3Dihub

 今回、ご紹介する論文は、「サウナ浴の内分泌効果」です。endocrine が内分泌という英語です。過去の研究をまとめたレビュー論文です。

 内分泌というのは、臓器のなかで作られたホルモンを血液中に出すという意味です。一言でホルモンと言っても、身体のなかでは100種類ものホルモンがあり、それぞれが臓器の働きを制御し、生命のバランスを保っています。

 ちょっと待って✋、普通、ホルモンと言えばアレでしょ?

ホルモン焼肉

 はい、これですね。目に見えるホルモン焼。ホルモンと言えば腸。ホルモン大好きです。焼肉食べたくなってきました。実は、内分泌のホルモンと焼肉のホルモンは、直接は関係ないようです。焼肉業界では、精肉されない内臓肉のことを、なぜかホルモンと呼ぶらしいです。

 話を人間の体に戻します。よく聞くホルモンとしては、アドレナリン、テストステロン、成長ホルモン、ステロイドなどが有名ではないでしょうか。アドレナリンは闘争本能に関わり、テストステロンはマッチョの源泉、成長ホルモンは言わずもがな、ステロイドは難病治療に使われます。生きていれば、その他多くのホルモンが体中を走り回っている訳ですね。

生命維持に不可欠なホルモン群

 臓器の障害などであるホルモンの分泌が止まってしまうと、体調不良になり、足りないホルモンを薬として補充します。ホルモンというのは生命にとって必要不可欠なものなのです。

 それでは論文の内容の紹介です。まず、サウナの身体影響に関する研究というのは、20~30年前にやりつくされてしまっていると書かれていました。最近の研究は少ないとのこと。たぶん、数十年前にサウナブームみたいなのがあったのと、様々な項目で検査がしやすくなったということがあるのかもしれません。

 様々なホルモンがどなくらい分泌されたかというのは、血液検査をしないと分かりません。そんな気がするという話ではありません。

1.神経内分泌ホルモンへの影響

 神経内分泌ホルモンでは、βエンドルフィンや副腎皮質刺激ホルモン(ステロイドの分泌を促すやつ)についての研究があります。いきなり来ましたね。幸せホルモン、βエンドルフィン。そして副腎皮質刺激ホルモン。どちらも人体、メンタルにとって重要なホルモンです。

 研究では、不快感(熱い)レベルが高くない状態では分泌は不明確で、室温が高いほど、不快感(熱い)レベルが高くなるほど、それらのホルモンが安定して分泌されるということです。

 とすると、室温のバカ高いサウナやアウフグースは、よりβエンドルフィンが期待できるわけですね。論文にも「βエンドルフィンはサウナ後の幸福感に関与している可能性」と書かれています。関与してるに決まってます!

βエンドルフィン出そうなサウナ

 もう一つ、面白いことが書いてありました。研究によると、もともとアル中やヤク中の人がサウナに入っても、上記ホルモンの熱ストレス反応は作動しないということです。熱ストレス反応が壊れちゃってると。中毒というのは怖いですね。

2.心血管ホルモンへの影響

 サウナによる熱刺激は、血行動態への影響に関連する調節ホルモンの分泌が促され、定期的なサウナ浴は血圧上昇に対して潜在的な治療効果があるということです。メカニズムとしては、自律神経系のバランス調節、血管機能の改善、過剰な体液損失の増加への好ましい反応が得られるとのこと。

3.男性ホルモンへの影響

 残念ながら、サウナ浴後もテストステロンなどの生殖ホルモンに差は見られないそうです。

 ここに興味深い記述がありました。サウナ浴中、陰嚢(たまたま)の温度は体温よりも2~3℃低く、これは精子形成のために重要なことらしいです。サウナで大股開いて座っていると危ないです。アフグースの時は股間を隠しましょう

アウフグースは我慢しすぎないように

4.代謝ホルモンへの影響

 週に3回程度のサウナ浴は、総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉)、トリグリセリドなどの血中脂質を抑制する効果があるということです。

 女性には追加の効果があるらしく、「熱にさらされると血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)が大幅に増加し、モリチンが増加しました」って、意味わかりませんが、なんか凄そうです。

 調べてみると、血管作動性腸管ペプチドは血管に作用し、血管を拡張して血流を増やす効果があるとのこと。冷え症の人には嬉しいですね。

 モリチンは主に胃収縮を促すホルモンということです。なにやら消化器系に良い影響がありそうですね。

まとめ

 サウナ浴では熱刺激を通じて、上記以外にも様々なホルモン反応を引き起こします。ただし、反応は熱刺激にさらされている間のみで、身体が冷めれば分泌も止みます。

 また、反応の程度は人それぞれで、一概に分泌が増加するとは言えません。サウナ室の温度、入室時間、時刻、年齢、性別、体型、運動習慣などによって違いがあります。

 以前、紹介した研究でも明らかなように、サウナに健康効果を求める場合、週に3回以上入り、熱刺激を習慣化することが重要になる訳ですね。また、運動と組み合わせるとより効果的ということも重要な知見です。


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