見出し画像

Z世代の“いま”を定点調査2022<メンズメイク編>

前回は15~29歳の男性の美容意識についてリサーチし、その結果男性の美容への関心は特別なことではなく一般的なものになってきているということがわかりました。

メンズスキンケア編はコチラ

今回は美容全般から一歩踏み込んで、メンズメイクの実態を調査しました。

<調査対象>
15~29歳までの男性3,161名
<調査実施期間>
2022年7月21日~7月23日
<調査方法>
インターネット調査


顔まわりの美容への関心度と、そのきっかけは?

はじめに、男性が外見を磨くことにどれだけ関心があるのか、先週の振り返りとして見てみましょう。



「とても関心がある」「やや関心がある」が全カテゴリ・全世代で過半数越え。ただし、特に「とても関心がある」の割合が減っているのは気になる点です。これは昨年夏以降、現在の第7波までの間コロナの流行が落ち着き、興味関心の向く先が増えたことがひとつ影響としてあるのではないでしょうか。では、スキンケアやメイクなど顔まわりの美容に興味を持ったきっかけを見てみましょう。

結果は全世代で1位が「肌荒れ・日焼けが気になって」、2位が「友人から話を聞いて」。マスコミや芸能人の影響よりも、自分の肌の悩みや友達との会話など身近なところから美容に興味を持つことがわかります。肌トラブルの解決がきっかけということに注目すると、初めてスキンケア商品を買う時には機能性を重視したアイテムが選ばれやすいとも考えられるでしょう。

メイク人口は少しずつ増えている

次に、顔まわりの美容に関して関心がある人を対象に、メイクをする人の数を調べてみました。

全世代昨年と比べて横ばいですが、微増しています。伸び率では20~24歳が4%増でトップとなりました。とはいえ、実際にメイクをする男性はまだまだ少ないというのが現実のようです。

「今後自分でメイクをすることにどの程度関心がありますか」も結果は横ばい。実際にメイクをするとなるとハードルが高いのかもしれません。難しくないメイクの方法を紹介したり「メイクで見た目はこう変わる」という具体例を見せたりする機会を増やすと、「漠然と美容に興味がある状態」から一気に「メイクをしてみよう」まで関心を引き上げられるのではないでしょうか。

使用するメイクアイテムは増えた? 減った?

全世代で「ほぼ毎日」「年に数回」がわずかに減り、それ以外は概ね増えた、という結果になりました。特に20~24歳では「2-3日に1回」が5.8%も多くなりました。少なくとも、年に数回だったメイクの頻度が少しずつ増えている、といえるのではないでしょうか。

2021年と2022年、同じコロナ禍とはいえ日々の感染者数によって外出の頻度には差があると思うので、メイクの頻度については特に今後の動向を注視していく必要があるでしょう。

昨年と同様、アイテムの中では「BBクリーム」が1位となりました。上記の質問でメイクに興味を持ったきっかけの1位が「肌荒れ・日焼けが気になる」だったことから、日焼けをカバーしつつ肌をきれいに見せてくれるBBクリームが選ばれるのはうなずける結果です。価格もリーズナブルなものが多いので、メイク初心者が「試しに使ってみる」にもぴったりのアイテムといえるでしょう。

一方、全世代で「化粧下地」「ファンデーション」が30%台→40%台に上昇しました。これはBBクリームでメイクデビューをした人が、より本格的なベースメイクを目指すようになった結果、化粧下地とファンデーションをセットで購入するようになったと考えることもできるかもしれません。「アイブロウ」も20%台→30%台に上昇していることから、肌だけではなくパーツを整えることにも積極的になっていることが伺えます。

また、ベースメイクよりもメイク感が際立つ「アイカラー」「色付きリップ」も増加しています。昨年に引き続き韓国アイドルのメイクの影響や、近年注目されているジェンダーレスの概念の浸透などがこうした結果に表れているのではないでしょうか。

ちなみに15~19歳での各アイテムの伸び率に注目すると、「化粧下地」は37.1%→56.1%、「リップバーム」は25.8%→40.9%、「色付きリップ」は27.4%→40.9%と大幅に増えています。若い世代ほど抵抗なく積極的にメイクを取り入れているという現れなのかもしれません。

「男は男らしく」への違和感

このような美容意識の高まりの中、日本古来の「男は男らしく」と
いう考えをどう捉えているのでしょうか。

昨年と比べると、総計では横ばいです。しかし、15~19歳に限っていえば「違和感を感じる」は10%以上増加。他の世代を大きく引き離し、今年は「当たり前だと思う」を上回る結果となりました。多様性の時代、「男らしく」「女らしく」をめぐる議論は今後も活発に行われていくことが予想されます。

それに伴い、ジェンダーレスの考え方は今後さまざまな分野に及んでいくでしょう。そのため、美容やメイクに関しても、一時のトレンドではなく今後も影響を与えて続けていくと推測します。現在女性向けに訴求している商品を、男性でも手に取りやすいパッケージデザインにするなど、検討してみてはいかがでしょうか。

<メンズコスメ編>の2022年のポイント

メンズメイクに対する意識や習慣について、前回と今回のレポートで深掘りしたポイントをまとめると以下のようになります。

①    メイク人口は少しずつ増えている
②    使うメイクアイテムのバリエーションが増加。15~19歳での伸び率にも注目
③    ジェンダーレスの潮流は、今後も美容・メイク業界に影響を与える可能性大

2020年からスタートしたこのメンズ美容の定点リサーチ。その結果からわかることは、メンズ美容は一時の流行ではなく、今後さらに拡大していく伸びしろのある分野だということです。「メイクデビューをする男性が手に取りやすい工夫」「一度手にした商品やサービスをリピートして使ってもらうための工夫」など、業界やメーカーができることはたくさんありそうです。今後もメンズ美容の変化と成長から目が離せないですね!

電通プロモーションプラスでは、Z世代をターゲットとしたプロモーションの企画・実施やZ世代との共創のサポートをおこなっております。お気軽にお問い合わせください。
お問合せ先はこちら


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!