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翔陽はなぜ湘北に負けたのかパート1

スラムダンクの中で名勝負の一つと挙げられる湘北vs翔陽戦。

基本的に主人公の湘北高校目線で語られることが多いですが、あえて翔陽目線で見ていこうと思います。

前回は、翔陽高校の長谷川君について書きました。


今回もその延長で、彼にスポットを当てて、翔陽高校の敗戦を見ていきます。


生真面目すぎると

湘北vs翔陽戦ラスト5分で点差は翔陽が12点と拡がってきました。

ここでちょっとしたアクシデントが起きます。

長谷川君が湘北の三井君に対してファールをしてしまいます。

【SLUM DANK新装再編版7巻P265】


長谷川君は試合前三井君を5点以内に抑えると宣言していました。

この試合、ここまでで三井君は5点入れています。

長谷川君としては1点もやらないつもりだったのですが、ここで痛恨のミス。

三井君がフリースローを3本とも決めました。


それでも翔陽は9点のリード。

翔陽の実力、経験からすれば十分に逃げ切れる点差のはずです。

しかし宣言を守れなかった長谷川君は少なからず動揺があったでしょう。


完璧に「三井君はマークする」と長谷川君は言っていたはずなのに、フリーで3Pシュートを打たせてしまいます。

そしてここからまさかの4本連続3Pシュートを三井君が決めてしまいます。

長谷川君にいったい何が起きたのでしょう?


こだわるべきこと

医学用語にピットホールという言葉があります。思わずはまってしまう間違いの仕組みを指しているのですが、この人間の本能ともいえる知らず知らずのうちにはまってしまうピットホールの現象を、勝負の場面でいかすことができます。相手に「しまった」と思わせる現象を仕掛け、ネガティブな統一・一貫性の本能を作り出す。

【〈勝負に強くなる「脳」のバイブル〉より】


不用意にファールしたことで「しまった」と思ったことによって、長谷川君はこのピットホールにはまってしまったのです。

思わぬ形でミスをして三井君に得点させてしまったこと、そして闘志むき出しでディフェンスをしてきたことで、長谷川君は動揺してしまいました。


では長谷川君がピットホールから抜け出すにはどうすれば良かったのか?

どんな考え方をすれば良かったのか?


「三井を復活させてしまったのは仕方がない。でもまだウチがリードしている。試合終了まで三井を徹底マークして、3Pでの得点をできるだけ抑える。そのためには絶対に三井から目を離さない」

この時の長谷川君の仕事は三井君を抑えることです。

ボックスワンということで三井君のマークは長谷川君に任せているので、他の4人はなかなか長谷川君のフォローに入れないからです。


長谷川君がこだわるべきポイントは、三井君を5点に抑えることよりも、少々得点されてもいいから40分間フルでマークして、満足のいく仕事をさせないこと。

それによりチームを勝利に導くことだったはずです。

ライバルを意識しすぎるあまり、結局大事な場面で自分を見失ってしまったのです。


長谷川君から学ぶこと

長谷川君はとても真面目な性格です。

チームメイトの藤真君からは「おとなしすぎるのが一志(長谷川君のこと)の欠点だ」と心配されていました。

その心配していたことが、大事な終盤で出てしまったのでしょう。


私達も仕事やそれ以外の場面でも、ミスをしてしまうものです。

そのミスを引きずり、より大きなミスを起こしてしまうのか?

それとも切り換えて最小限の傷で抑えるのか?


こだわることは大事ですが、何にこだわるか?がとても大事になってきます。

前にも書きましたが、長谷川君がこだわるのは5点に抑えることよりも、三井君をフルタイムで抑えて満足な仕事をさせないことだったはずです。

そして三井君に「長谷川一志」という存在を刻むことだったと思います。


それでもこの試合を機に、長谷川君はさらに成長したでしょう。

冬の選抜、さらに大学生や社会人になってからどのような成長を遂げたのか見てみたいものです。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。



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